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MOTO1 R4

<Text:KRAZy / Photo:篠原成好>



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ラスト2Lap、トップ#3森田のインを#2松本が。「抜けない、ダメかも、、、と思った」


 8月1日(sun)、Round5 Hiroshimaが広島県TSタカタサーキットで開催されました。当日は“The真夏”の暑い一日となりました。
 Pole Positionは、開幕から4連勝のハスクバーナ#2Yassy(松本康 / Agip Husqvarna RACING WORLD with CPsports)。2番グリッドは、Rd.3であともう一歩で勝ちを逃し2位となったIkkiこと#3森田一輝(SRF SPORT & Highsidejunkies)。3番グリッドは#4Jaws(増田智義 / JAWS RACING YAMAHA + レアルエキップ)がならぶ。そしてフロントロー最後には地元#8池田孝宏(Orange Club うず潮レーシング福山)がオレンジ色のKTMで食い込みます。
 Hole Shotを奪ったのはクラッチワークの神業師#3Ikki(森田)。絶妙なスタートでトップに立ちます。そこに#2Yassy(松本)、#4Jaws(増田)と続く展開。
 このTSタカタサーキットの1コーナーは左コーナー、その直後にヘアピンの右コーナーが待ち構えているため、HSを獲っても2コーナーで奪い返されることがあります。特に3位以下の混戦状態では、この2コーナーで順位が変わることがあります。1コーナーを抜けたあとの切り返した2コーナーをいかに抜けるかが大きなポイントになります。
 #3Ikkiは快調にトップを走り、それを追う#2Yassyは序盤ダートで軽いミス、トップとの差が開く。また#4Jawsも一番乗れていた第3ダートのジャンプで転倒。順位は落とさないものの前を行く#2Yassyとの差が開きます。30数度という高温と高い湿度のなかで、高い集中力を保のは並大抵ではないと思います。(僕ら取材もコース内で立っているだけも、頭がボンヤリしてくるほどの異常な湿度と暑さです。この中で高い集中力と120%の運動パフォーマンスを出すというのは、本当にすごいな、と思います。)
 残り2Lap。右奥のすり鉢型の11コーナー進入で#2Yassyが#3Ikkiのインをさします。そのまま2者は並んで立ち上がる、どちらも譲らない。。。が目の前には左の緩いコーナー、#3Ikkiのラインが無くなる。#2Yassyが被さるように前に。ここでトップが入れ替わります。
 「実はあのとき、抜けないかも、ダメかも、って思ったんです、、、」とはレース後のYassy。「でも気がついたら僕が前にでてた。」結果的にはYassyが勝ったけど、ほんの紙一重の差なのかもしれません。こういうのを聞き実際の走りを見ていると、実力の100%を出すだけじゃトップに立つことはできないのかもしれません。
 これでハスクバーナは開幕からの5連勝を達成です。2位はSUZUKIの#3Ikki森田一輝。3位はYAMAHA#4Jaws増田知義。4位には地元広島のKTM#8池田孝宏が入りました。
 今までの松本選手には「速いが、もろい」という印象がありました。「非常に切れるが、その分刃こぼれもする日本刀」というような感じ。。。でも今年は「速く強い松本」、それは「マタギが使う切れ味の鋭い鉈(なた)」そんなチャンピオンが生まれつつしつつあるように感じました。


<写真a> 5連勝をめざして最終コーナーを立ち上がる#2松本康選手+Husqvarna SM450RR。(Agip Husqvarna RACING WORLD with CPsports)
<写真b> トップ争いをする#3Ikkiと#2Yassy。緊張感のある見応えのあるレースでした。それにしても#3Ikkiはスタートが上手いな〜。
<写真c> Ikkiこと#3森田一輝+RM-Z450(SRF SPORT & Highsidejunkies)が絶妙なスタートで、トップヲ奪う。「2st時代からクラッチを多用するタイプなんです」Ikkiはクラッチで走らせるタイプ? 2stで勝利したことがあるただ一人の選手がIkkiです。
<写真d> #11は三苫進選手(C.G PHANTOM RACING)。今回は5位。旧式マシンの戦闘力の限界?。昨年のRd.7では、マシンをaprilia B.D.B仕様に換えトップタイムをたたき出している。惜しくもクラッシュに巻き込まれリタイアとなったが、実力はトップクラス。
<写真e> 3位は#4増田智義選手+YZ450F 2010(JAWS RACING YAMAHA + レアルエキップ)。ベストラップタイムをたたき出すも、トップを追えなかった。2010年チャンピオンをとるためには次戦で勝つしかない。




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<写真f> 5連勝達成した#2Yassy(Agip Husqvarna RACING WPRLD with CPsports)
<写真g> 怪我で走れない#13水庫由喜選手。本職はHRCでマシン開発担当。Hondaで成績を上げる#18Cobee小林好美選手(TE SPORTS)。
<写真h> 次男と一緒にマシンを整備する#4Jaws(JAWS RACING YAMAHA+レアルエキップ)
<写真i> 今回も惜しかった#3Ikki選手(SRF SPOTRT & Highsidejunkies)。
<写真j> Honda CRF450R‘10(TE SPORTS)、#18小林の乗るマシン。徐々に速いマシンに仕上がっているようです。今回は7位。
<写真k> マシンデータをメモする#99シンヨ選手(SUNBRIDE MOTOAVANTI & Rickyz)。フランスでもレース活動をしている。EVバイクにも詳しいです。今日本でEVバイクに最も乗っているのはこの佐野新世選手じゃないでしょうか。




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1位/ #2Yassy松本康 / Husqvarna SM450RR / Agip Husqvarna RACING WORLD with CPsports
2位/ #3Ikki森田一輝 / Suzuki RM-Z450 / SRF SPOTRT & Hisidejunkies
3位/ #4Jaws増田智義 / Yamaha YZ450F / ジョーズレーシングレアル
4位/ #8 池田孝宏 / KTM450SMR / Oranje Club うず潮レーシング福山
5位/ #11三苫進 / Honda CRF450R / C.G PHANTOM RACING
6位/ #7 金児リュータ / Yamaha YZ450F / チームレアルエキップ
(表彰は3位まで)




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#5Kissy岸田尊陽が初勝利。#12ケンタローは13針の怪我。それでも、


 #5Kissy岸田尊陽(キシダ タカヒロ)選手がPole Positionからスタートし、一度もトップを譲らずフィニッシュ。MOTO1初勝利を上げました。(グライドライド RACING WORLD team KISSY)
 2位はハスクバーナ250スペシャリスト#2マーこと山下選手(アルタイヤハスクバーナレーシング)。#2マーは#5Kissyを終始追い詰めるものの、あと一歩届きませんでした。3位は#8森本圭選手が入りました(所属チーム無し)。
 表彰台には立てなかったんですが4位の#7吉田和司選手(グライドライドレーシング)の追い上げが観せてくれました。2番グリッドからスタートし#5Kissyを追います。が、そのオープニングラップでスリップダウン、最下位に。しかしそこから超ハイペースでの追い上げが始まります。レース中盤にさしかかる頃には上位にまで上がり、moto2クラスのベストラップをたたき出し4位に入賞。吉田選手はチームのグライドライドと一緒にDR-Zで戦い続け、このバイクの優秀さを実証してきたひとり。このマシンは05年時のMOTO1が始まった時と同じ車体(!)。・・・グライドライドさん恐るべし。


<写真i> 最下位から4位に食い込んだ#7吉田和司選手(グライドライド レーシング)。KRAZy賞が出せていたら、間違いなくそれは#7吉田選手です!
<写真m> 初勝利のKissyこと#5岸田尊陽選手+CRF250R。#5Kissyは、世界耐久選手権シリーズランキング4位、ルマン24時間耐久クラス優勝、鈴鹿8耐5位などロードレース界の国際的なライダーです。「緊張するよ〜。。。Pole Positionなんて慣れてないからなぁ」そんな国際的なライダーでもスタート前は人並みに緊張するみたい 笑。(グライドライド RACING WORLD team KISSY)
<写真n> #82は女性ライダーの佐藤加代子選手+KTM250SX-F(Orange Club うず潮レーシング福山)。今後が期待されます。KRAZyは応援しま〜す。
<写真o> タイムタック中に転倒、怪我で決勝リタイヤの#12大西ケンタロー(病院で手術のため予選を走れず、リタイヤ)。ライバルのマーも心配する怪我にもかかわらず、エキシビジョンの賞金レースでは450クラスを相手に勝っちゃった!そんなケンタロー、かっこいい〜。「縫ったところ(眉)は痛くはなかったけど、だんだん腫れてきちゃって前が見えなくて。でも勝ててよかった〜賞金もらえたし〜(笑)」
<写真p> 3位には#8森本圭選手が。高知から、なんとたった2人で全戦に参戦中。




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1位/ #5 Kissy岸田尊陽 /HondaCRF250R / グライドライド RACING WORLD team KISSY
2位/ #2 マー山下政弘 / HusqvarnaSM250R / アルタイヤ ハスクバーナレーシング
3位/ #8 森本圭 / YamahaYZ250F /
4位/ #7 吉田和司 / SuzukiDR-Z400SM / グライドライド レーシング
5位/ #15 山田啓二 / SuzukiRM-Z250 / サムライジーンズ RSFレーシング
6位/ #24 久保晶 / YamahaYZ250F / スレイプニルモータース






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#1坂牧の2連勝。


 ポールポジションからスタートし圧倒的速さを見せつけ勝ったのは、#1坂牧隆夫選手(BEAST EYE RACING Club Moto Roman)。以前の“とてもいいタイムなんだけどスリップダウンが多い”っていう姿はどこにもありません。Proクラス昇格目指してまっしぐらです。2位にはベンバサット・ミッキー選手が入りました(CP sports ×MOTO 禅)。#3ミッキー選手も昔のようなムチャな走りがなくなり、表彰台の常連です(ムチャな方が観ているこっちは面白かったけどな〜)。3位は熊本から参戦の#8川上よしふみ選手(Dune Moto & LEDサービス)。
 注目は4位の#16木下裕規選手(MOTO-EXRIDE & KAS)。参戦したレースでは確実に入賞を手にしています。7位の#56川崎隆大選手(川崎商店+モトショップ五郎)も同様ですが、openクラスは今後が期待される若手がいっぱいです。


<写真q> 2連勝の#1坂牧隆夫選手。今期3勝目、Proクラス昇格をめざし一直線。本業はパイロットって本当?スゲ〜!!(BEAST EYE RACING Club Moto Roman)
<写真r> 2位に入った#3ベンバサッット・ミッキー選手。いつもカメラサービスあっざ〜すです。ってか、こういうのが様になるんだよな〜。いつまでも日本にいてね。(CPsports×MOTO禅)
<写真s> 3位は#8川上よしふみ選手(Dune★Moto & LEDサービス)。九州のモタードをむか〜しから盛り上げてきたのがこのDune☆Motoの川上よしふみ選手です。
<写真t> #1坂牧隆夫選手。今回も2位と大差をつけて圧倒的速さを見せつけての勝利。




moto1 open class result
1位/ #1坂牧隆夫 / Honda CRF450R / BEAST EYE RACING Motoroman
2位/ #3ベンバサット・ミッキー / Honda CRF450R / CPsports×MOTO禅
3位/ #8 川上 よしふみ / Honda CRF450R / Dune★Moto & LED サービス
4位/ #16 木下裕規 / Honda CRF450R / MOTO-EXRIDE & KAS
5位/ #7 緒方大輔 / Suzuki RM-Z450 / D-GARAGE
6位/ 6/ #5 千葉智 /Honda CRF450R / MMP & 安具楽や & しらゆり美容室


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<写真左> 今回もピットでレーシングウェア(ツナギ)の補修サービスを行ったPride Oneさん。 このサービスはレースに参加していない方でも受けられます。有料だけど、かなり安いです。最終戦のモテギでも出店されるそうなので、「補修したいな、、、」という方はどうですか?きさくに相談に乗ってくれて、でも仕事はバッチリ。「危ないツナギで走って欲しくないだけなンです。。。ドウゾ、気軽に持ってきてください。無料じゃないけど、お手軽な価格でサービスしますよ〜」KRAZyもモテギではお願いする予定。
<写真右 > #1坂牧選手をピットでサポートした木村さん。「僕はただのファン(本当は坂牧選手のチームメイトの高山選手の熱狂的サポーターです)。レースは今まで応援するだけでピット作業は今回が初めてです。たいしたことはできなかったけど、本当にレースを楽しめました。坂牧選手がゴールした瞬間にはもう涙があふれ出てとまりませんでした。本当に感動しました。MOTO1の魅力は選手とファンやサポーターとの距離が無いのがいいですよね」と木村さん。








2009年からmoto1クラスは「MOTO1のプロ化を目指すクラス」とMFJモタード部会で決定されました。名称はmoto1 proクラス。20名程度の選ばれたライダーで構成されます。「プロ化する」とはそのパフォーマンスでお金を稼ぐという意味だと思うのですが、わかりやすく言うなら「お客様に見てもらい“かっこいい!”とか“真似したい!”というような感動をしてもらうこと」ではないでしょうか。ようやく他のスポーツと同じ意味でのプロを目指す時代になったのだと思います。「二輪モータースポーツ人気は下がるばかり」と言われています。原因はどこにあるのでしょうか。MOTO1は生まれたばかりのスポーツです。ゼロから始めるのですから、純粋に「お客様が喜び、観に行きたくなる、応援したくなる、または参加したくなるスポーツ」にできる可能性があります。モタードスポーツの最大の魅力は、狭いスペースでも行えることだと思います。サーキットではなく街中でも開催でき、モータースポーツに接点が無かった方々にも直接触れていただけることが出来る数少ないモータースポーツです。二輪モータースポーツのPR部門と言ってもいいのではないかと思うのです。もうひとつの魅力は、他のモータースポーツに比べ敷居が低いという点もあると思います。その意味でも多くの方が参加しやすいモータースポーツです。やるのも容易、観ても楽しく、観ていただくのも容易な数少ないモータースポーツです。






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