2024.05.19
なぜJECは人気があるんだろ。Part3
◾️なぜJECは人気があるんだろ / Part3
「ゆっくり好きになって、、、」
明菜さんはとてもシャイで真面目な方、そして音楽的にこだわりも強い方でした。また正義感も強く、無意味な圧力に強く反発することもありました。
彼女はある商品のイメージタレントをされていて、その仕事を担当させていただきました、社会人2年目くらだったように記憶しています。そりゃ撮影では緊張しました※。
彼女自身は自分の歌が売れることにあまり興味がなかったようです。正しくは、わかりやすい曲ですぐに人気者になるより、多少わかりにくくても良い曲、良い歌を歌いたい、と考えていたように感じました。あまり深い話をしたことはないですが、一度だけそんなことをおっしゃっていました。
「じぶん、ミツバチになりたいの」とも言っていました。「いろんな花をめぐり、そこから少しづつ蜜をもらい、時間をかけてはちみつを作る。それで多くの方が幸せを感じてらえたら嬉しい」というような意味のようでした。
◾️JECは一人づつ走ります。競う相手は目の前にある大地や自分の限界。
クルマのラリーを見たことはありますか。スタートってパリなどの街中からだったりしますよね、それも一台づつゆっくりと。
このJECのエンデユーロも同じです。バイクは横幅がないので4人一緒にスタートしていきます、ゆっくりと。まずはタイムアタックを行う「テスト」までの移動です。
テストでは一人ひとり走りそのタイムを機械で計測します。速く走るという意味ではモトクロスに似ていますが、少し違います。一緒に走っている他者と競うわけではなく、純粋にタイムで競うので最短距離を走る、効率よく加速減速なども必要になり(モトクロスもそうですが)ラインどりも大きく影響します。加速しながらのコーナーではその選手の考え方の違いが見えてきます。
#14渡辺学選手はできるだけ小さく旋回加速を考えているのか、バンクは使わず四輪のラリーカーのような走りを選んでいました(アウトにはふくらまず、リヤを流しながら旋回&加速)。一方、#1馬場亮太選手は大きく円弧を描くようなラインでバンクを使って加速していました(この時、バンクからはみ出てしまうのでは!?と驚いたのを覚えています。はい、シャッターを切りそこねました。2回とも 苦笑)。この違いが見れるのもJECの魅力かなと思っています。
◾️今回は観戦型。
今回の最初のテスト(タイムアタックセクション)はモトクロスコース。そのスタート地点からは一人づつスタートし、それぞれのタイムを機械で計測します。今回はスポーツランドSUGOのモトクロスコースを逆走するようなコースデザインでした。
モトクロスコースを使うことで観戦しやすくもしたとのこと。コースを作っていた現場のスタッフに、今回からプロモーションを担当したグリズリーさんからそういう依頼があったそう。「もともとモトクロスコースを使うことを考えていたので、ちょうどよかったんですよ」と答えてくれたのは、コースデザインと製作を担当した高橋豊美さん。テストを短くすることでワンミスが大きく影響するような工夫もされていたそうです※。
◾️クラス分けは車両の排気量別ではなく、経験とスキル。
JECでは人が主役です、マシンではなく。「一台」のエントリー、ではなく「一人」のエントリー。クラスも車両で分けるのではなくライダーの経験値とスキルで分けます。
逆にいうと車両はなんでもよく、自分の乗りやすい車両を選ぶことができます。この時代においても経済があまり入りこんでない非常に珍しいモータースポーツです。
各クラスについての説明はMFJのサイトを。↓
↓ ↓ ↓
https://www.mfj.or.jp/national/2024-ed-all-japan/
◾️「ゆっくり好きになって、長く深く愛して」
突然人気者になったモノは突然消えると言われています、あ、商品についてですけど。それはカタチあるモノも、カタチのない曲やそんなソフトな商品もです。
欧州では「あえて突然人気が出ないようにする」という考え方に変化してきています。ネットでポチるなどの簡単に買えるシステムは、短時間での大きな利益を生み出す可能性がありますが長い目で見ると浅いファンが大量に生まれるだけで、その商品やブランドを愛する人は生まないし、育てないと考えられるようになってきました※。
このJECは実はこれに近いモノなのかもしれません。
参加されている方々はこのJECを深く愛し、開催に協力したり、地方戦を支えたり、選手を支えたりする方々もいます。お客的ではなく、お店側の人になりその経営を助けるというような選手の方々が大勢します。
ただ、このオンタイム制というレースはシステム上、200人以上の参加者を受け付けることができません。
利益が出にくいシステムだったりします。タイム計測の機械、当日のマーシャルの皆さん(悪天候の場合などは渋滞解消など多くの仕事があります)の人件費、また4ヶ月に渡るコースデザインとその造成などなど多くの費用がかかります(今はボランティアではないそうですが、交通費など考えると20年前のアルバイトの金額です)。参加費が今の倍くらいでないと、利益はなかなか出ないと言われています。
そこで今回の大会は「見える化」に手を打ったのかも。そうですよね、観戦の方が増えるといいですよね。観戦のお客様って言い換えると、運営費を負担している方とも言えるからです。見るお客様が増えるといいなぁ。会場は賑やかになるし、走ってても元気でるし。
Part4に続く
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