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2024.05.19

なぜJECは人気があるんだろ。Part3

00W204表紙
 
 

◾️なぜJECは人気があるんだろ / Part3
「ゆっくり好きになって、、、」
-18.May.2024- 

 明菜さんはとてもシャイで真面目な方、そして音楽的にこだわりも強い方でした。また正義感も強く、無意味な圧力に強く反発することもありました。

 

 彼女はある商品のイメージタレントをされていて、その仕事を担当させていただきました、社会人2年目くらだったように記憶しています。そりゃ撮影では緊張しました※。

 

 彼女自身は自分の歌が売れることにあまり興味がなかったようです。正しくは、わかりやすい曲ですぐに人気者になるより、多少わかりにくくても良い曲、良い歌を歌いたい、と考えていたように感じました。あまり深い話をしたことはないですが、一度だけそんなことをおっしゃっていました。

 

 「じぶん、ミツバチになりたいの」とも言っていました。「いろんな花をめぐり、そこから少しづつ蜜をもらい、時間をかけてはちみつを作る。それで多くの方が幸せを感じてらえたら嬉しい」というような意味のようでした。

 

※自分の職業はデザイナーです。もしかするとカメラマンと思われている方も多いかもしれません。この明菜さんとの仕事というのは自分はデザイナーとして関わっていました。
 

#1走り+顔blue

▲JEC 2024 Round1-2 SUGO 2DAYS ENDURO 2日間の総合優勝は#1馬場亮太選手でした。DAY1位、DAY2も1位の2連勝です。スクールを取材したことが2度ありますが、とてもわかりやすい内容でした。感覚的ではなく言葉で教えてくれるのでわかりやすいんです。ENTというJECの企画するスクールです。これはお得ですよ!価格以上に内容が濃い!!

 

◾️JECは一人づつ走ります。競う相手は目の前にある大地や自分の限界。

 

 クルマのラリーを見たことはありますか。スタートってパリなどの街中からだったりしますよね、それも一台づつゆっくりと。

 

 このJECのエンデユーロも同じです。バイクは横幅がないので4人一緒にスタートしていきます、ゆっくりと。まずはタイムアタックを行う「テスト」までの移動です。

  

 テストでは一人ひとり走りそのタイムを機械で計測します。速く走るという意味ではモトクロスに似ていますが、少し違います。一緒に走っている他者と競うわけではなく、純粋にタイムで競うので最短距離を走る、効率よく加速減速なども必要になり(モトクロスもそうですが)ラインどりも大きく影響します。加速しながらのコーナーではその選手の考え方の違いが見えてきます。
  
 #14渡辺学選手はできるだけ小さく旋回加速を考えているのか、バンクは使わず四輪のラリーカーのような走りを選んでいました(アウトにはふくらまず、リヤを流しながら旋回&加速)。一方、#1馬場亮太選手は大きく円弧を描くようなラインでバンクを使って加速していました(この時、バンクからはみ出てしまうのでは!?と驚いたのを覚えています。はい、シャッターを切りそこねました。2回とも 苦笑)。この違いが見れるのもJECの魅力かなと思っています。

 
 
#2走り+顔
▲プロモーション活動も行いながらの参戦の#2釘村忠選手。総合2位に。DAY1は3位、DAY2は2位。体を大きく使って走るので、非常にアクティブなライディングが魅力です。

 

◾️今回は観戦型。

 

 今回の最初のテスト(タイムアタックセクション)はモトクロスコース。そのスタート地点からは一人づつスタートし、それぞれのタイムを機械で計測します。今回はスポーツランドSUGOのモトクロスコースを逆走するようなコースデザインでした。
 

 モトクロスコースを使うことで観戦しやすくもしたとのこと。コースを作っていた現場のスタッフに、今回からプロモーションを担当したグリズリーさんからそういう依頼があったそう。「もともとモトクロスコースを使うことを考えていたので、ちょうどよかったんですよ」と答えてくれたのは、コースデザインと製作を担当した高橋豊美さん。テストを短くすることでワンミスが大きく影響するような工夫もされていたそうです※。

 

※テストの距離が長いと1度のミスがあっても挽回ができます。モトクロスコースを5Lapなどの場合、わずかなミスがあっても挽回できます。その挽回をできなくすることで、緊張感と、またモトクロスライダーが有利にならない工夫を施したそうです。

 

#10走り+顔B 2
▲元全日本モトクロスファクトリーライダーでもあった#10田中教世/タナカカタセ選手。総合3位に入っています。DAY1は4位、DAY2は3位。マシンを暴れさせず、車体の真ん中に身体が位置しるように乗るのが特徴。ずいぶん前ですが、全日本スーパーモトにも参戦したことも。「初めてアスファルトを走るから怖いですよ〜。タイヤはどこまでグリップするんですか、もっと(マシンを)寝かしても大丈夫なんですか」と言いつつも、決勝ではスーパーモトマシンを乗りこなしていました。

 

#1と#14見比べ

▲左が#1馬場亮太選手、右が#14渡辺学選手。加速&旋回の必要なコーナーで、馬場選手はバンクを使ってフル加速。渡邊選手はラインをコンパクトに抑えつつ旋回&加速。こういう違いがあって見てて面白いです。コース幅が広いところでは、選手によって全然違うラインを走ることも。ある海外の選手はロードレースのようなラインを描きながら走っていました。

 
 

#1走り+顔blue

 
 

J804
▲クラスは経験や年齢税別で細かく分かれています。写真はJNIORクラスに参戦した#804藤岡丈瑠/フジオカタケル選手。クラス優勝です。

 

W204小さく遠くに

▲WOMEN’Sクラス総合優勝は#204松本亜希子選手。DAY1は2位、DAY2は1位。DAY2の最終ラップはルートの沢とクロステストで会ったんですが、かなり疲れていたようですが最後まで走り切りました。
 

W201-2

▲WOMEN’Sクラス総合2位は#201保坂明日那選手。DAY1は1位、しかしDAY2はDNF(DONT FINISHの略)となりました。

 

◾️クラス分けは車両の排気量別ではなく、経験とスキル。

 

 JECでは人が主役です、マシンではなく。「一台」のエントリー、ではなく「一人」のエントリー。クラスも車両で分けるのではなくライダーの経験値とスキルで分けます。

 

 逆にいうと車両はなんでもよく、自分の乗りやすい車両を選ぶことができます。この時代においても経済があまり入りこんでない非常に珍しいモータースポーツです。

 

各クラスについての説明はMFJのサイトを。↓
   ↓   ↓   ↓
https://www.mfj.or.jp/national/2024-ed-all-japan/

 

※モータースポーツは車両の性能を証明するにおいて非常に効果があったためプロモーションに活用されました。つまり経済と非常に強く結びついています。車両はどんどん買い替えてもらったほうがいいですし、パーツもできるだけ新しいものに交換してもらいたいわけです。その意味において、ルールとしては交換や修理の規制は少ない、または無いほうが好ましいわけです。KRAZy DESIGNは本業が広告企画であり、経済やビジネスと大きく関わっています。経済とはつまり利益です。アメリカのスポーツはテレビ放映が基本でしたから、CMを入れやすいルールになっています。こま切れなんです。スポーツは経済と強く結びついており、中でもモータースポーツはその傾向が強い。そうなると、お金の動きでルールを決めていくことになります。しかしこのJECの採用しているオンタイム、つまりISDEはビジネスから距離をおいているもの特徴の一つです。スポーツとは何か?を具現化し今もそれを保とうとしている数少ないモータースポーツと言えるのではないでしょうか。自分がこのJECが好きな理由の一つに、このビジネスとあまり強く結びつかず、スポーツの本来の姿を保とうとするその考えが見える点もあります。だからといってSUPERCROSSがダメだと言っているわけではないです。あれはあれ、これはこれかなぁと。音楽がビジネスと密接な関係があるものと、純粋に芸術性を追求したのがあるのと同じかなと思います。

 

cw#807
▲承認C-WOMEN’Sクラス 総合優勝#807山崎由紀子選手。ただ一人の参加のためDAY1 1位、DAY2 1位です。

 

c#808
▲承認Cクラス総合優勝は#808粟野直一郎選手。DAY1は2位、DAY2はただ一人完走の1位。

 

c705-1
▲承認Bクラス総合優勝は#705坂下智昭選手。DAY1は1位、DAY2は2位。何枚も写真を撮らせていただきありがとうございました!

 

cw#807
▲承認Bクラス総合2位は#704玉木康成選手でした。DAY1は2位、DAY2は1位。2日間走ってその差はわずか11秒、惜しくも2位。「タフなスプリント」と言われるのはこれ故。
 

cw#807

▲承認Bクラス3位は#706小川拓也選手。DAY1 3位、DAY2も3位でした。お疲れ様でした〜!

 

◾️「ゆっくり好きになって、長く深く愛して」

 

 突然人気者になったモノは突然消えると言われています、あ、商品についてですけど。それはカタチあるモノも、カタチのない曲やそんなソフトな商品もです。

 

 欧州では「あえて突然人気が出ないようにする」という考え方に変化してきています。ネットでポチるなどの簡単に買えるシステムは、短時間での大きな利益を生み出す可能性がありますが長い目で見ると浅いファンが大量に生まれるだけで、その商品やブランドを愛する人は生まないし、育てないと考えられるようになってきました※。

 

 このJECは実はこれに近いモノなのかもしれません。

 

 参加されている方々はこのJECを深く愛し、開催に協力したり、地方戦を支えたり、選手を支えたりする方々もいます。お客的ではなく、お店側の人になりその経営を助けるというような選手の方々が大勢します。

 

※「ネットでポチる購入」:実はコレ、マーケティング的にも脳科学的にもずいぶん前からわかっていたんですが、目に前の利益を求めてしまい、ネットでポチる販売を多くの企業がやってしまいました。「ネトポチ」は、言い換えると軽い動機で購入するということ。もしくは「他より安いから」というような理由も多いようです。安いからというのは、その商品の価値ではなく、価格に価値があるということ。つまり他に安いのがあればそっちを買うわけです。そのブランドなり商品を愛してくれるわけではありません。流動的なお客様です。こういうお客様のために製造ラインを増やす、または社員を増やすのは危険です。
スーパーマーケットに負けずに存在し続けている八百屋さん魚屋さんの多くは、価格で勝負ではなく他の何かで愛されているから続くと言われています。買ってもらう以上に大切なのは愛されることと言われています。プロモーションは(広告表現は)この愛されるために今は行われていて、本当に欲しいお客様を見つけることが目的。強く愛している場合は、手間を惜しまず購入します。本当に好きな人を手に入れたいときはどんな苦労もします、これと同じと考えられています。
急激に人気になったモノというのは理解しやすい、とっつきやすいものという可能性が高いそうです。つまり飽きやすいとも言える… だから急激な人気をねらうのではなく、じっくり愛されるという戦略が正しいと考えられています。

 

清流

 
 

 ただ、このオンタイム制というレースはシステム上、200人以上の参加者を受け付けることができません。

 

 利益が出にくいシステムだったりします。タイム計測の機械、当日のマーシャルの皆さん(悪天候の場合などは渋滞解消など多くの仕事があります)の人件費、また4ヶ月に渡るコースデザインとその造成などなど多くの費用がかかります(今はボランティアではないそうですが、交通費など考えると20年前のアルバイトの金額です)。参加費が今の倍くらいでないと、利益はなかなか出ないと言われています。

 

 そこで今回の大会は「見える化」に手を打ったのかも。そうですよね、観戦の方が増えるといいですよね。観戦のお客様って言い換えると、運営費を負担している方とも言えるからです。見るお客様が増えるといいなぁ。会場は賑やかになるし、走ってても元気でるし。

 
 

Part4に続く

 
 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
text:KRAZy コンドー
KRAZyはKONDO design コンドーが運営しています。KONDO designは広告企画と制作、および新商品開発などをおこなっています。
主なクライアントと仕事例:Panasonic 大型テレビ「画王」、JT日本たばこ「CABIN」、MONSTER ENERGY、TOYOTA「CARIB」、Canon「ファミリーコピア」、SUNTORY BEER「生吟醸」、SUNTORY V.S.O.P、YAMAHA楽器&小室哲哉「EXPO オリジナルピアノ」、関西ツーカー「ハリソン君」シリーズ、aprilia Japan、Team CABIN Honda、他にYAMAHA、ANA、ASAHI BEER、Loft、clinique、伊勢丹、Sports-land SUGO、DAYTONAなど
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