2023.07.20
サイクリング ア ゴーゴー Vol.13
■CYCLING A GO GO / サイクリング ア ゴーゴー Vol.13
「本日のライドは爪楊枝的な感じで、忘れられていたことがいくつか頭をよぎるのだった」
毎月20日は相良さんことMr.チャガラさんのロード自転車の連載レポの日です。Mr.チャガラさんは自分がサラリーマンだった頃の同僚です。今は独立し自転車ロードレース界でプロデューサーなどの仕事をされており、昨年はついにロードレーサーを購入。
てなわけで今回メガネを新調したチャガラさんのレポートです♫
■本日のライドは爪楊枝的な感じで、忘れられていたことがいくつか頭をよぎるのだった
2023年の夏は毎日記録的な暑さなので、Mr.チャガラはエアコンなしの方が自然に優しくて身体も健康的でいられる、なんて古典的な考えをちっとも思わなくなりました。とりあえずエアコンをかけて外出控えめで熱中症予防中でございます。それでも、この時期は頭がボーっとします。A地点からB地点に移動したのにそこで何をするのか忘れています。ネットで調べものをしていると、何を調べていたか忘れてどうでもいい記事を読みはじめ、更におススメ記事をクリックして読み終わり、ハッと我に返り何を調べるはずだったかを考え始めます。思い出せません。企画書を探していたのに、ずっと見つからず朝からの行動を振り返っていても見つからず、目の前のメモ書きが実は企画書の裏面に書いていた、ということがありました。アイスでも食べてクールダウンしましょう。
■名古屋駅から中央本線で30分乗った場所が今日のスタート地点
高蔵寺駅(こうぞうじえき)は名古屋市の北東側にある春日井市のかなり岐阜県寄りの場所にあります。この先には日本最高気温を記録した多治見が!駅の北側は高度成長期に山を切り開き高蔵寺ニュータウンという大規模団地が開発されました。駅の南側の庄内川を渡ると名古屋市で一番高い山の東谷山(とうごくさん)があります。頂上には前方後円墳がありその上に神社がたっています。このエリアは昔から人が住んでいたようで志段味古墳群(しだみこふんぐん)があり、ミュージアムで地域の歴史を知ることができます。この日は高蔵寺駅を起点に東に向かい、隣駅の定光寺(じょうこうじ)のお寺さんを、坂を上ってクライマーになり高いところからの眺めを楽しみます。トップの写真は高蔵寺駅で撮影しましたが、この時ヘルメットを前の場所に置いてきたことを忘れています。
■高蔵寺駅から定光寺駅に向かって走り出しま~す
ロードバイクに乗っていながらクルマの多いところが苦手なMr.チャガラはすいている道が好き。高蔵寺駅から定光寺駅(じょうこうじえき)へはクルマが少ないのが良いです。有名プロ自転車チームの選手もここを拠点に練習していたという話を聞いたことがあります。フラットな道と山岳が混じった練習コースが作りやすいエリアなのかもしれません。では、定光寺駅方面に向かってレッツゴー。
■定光寺駅前の昭和遺構は観光スポット?!
名古屋の人たちは、定光寺駅のところにある廃墟、あそこ出るぞ!と誰もがいう場所でございます。「千歳楼(ちとせろう)」というかつては人気の旅館で夜な夜な宴会大盛り上がりでしたが、閉館後は放置され、放火事件、白骨死体も出たりしたようで、窓ガラスは破れ、フェンスで囲われ、カメラで監視されています。ネットでは旅行客の流れが変わりこの地区は観光で取り残されて閉館した説が紹介されていました。昔タクシーに乗った時にかつての関係者を知っているという運転手の話では、後妻のおかみさんがどうのこうのと言っていたような気がしますが、すべては藪の中。
■夏場だけ営業するビアガーデンが、とても非日常的
定光寺駅は無人駅です。それだけ乗降客数が少ないということですが、まだ見るところはあります。
「愛岐トンネル群」という赤レンガで作られたいくつものトンネルで、旧国鉄中央線が今使われている新線になるまで使っていた路線の名残です。夏場の週末にこの赤レンガトンネルのひとつの場所がビアガーデンとなります。8月末までやっています。
実はコロナ前にここの森のビアガーデンに行き、トンネルの中で涼をとりながらビールを何杯も飲んだことがあります。最初に食券を購入して、ビールやつまみに交換していきます。ひとりでみんなのチケットをどんどん使うと、職権(食券)乱用なんていう昭和おやじギャグがどこからともなく飛んできます。日本にはのどかな時代がかつてありました。
■いよいよ定光寺(じょうこうじ)へ
定光寺は尾張徳川家初代徳川義直の廟所である源敬公廟に隣接していて、とても由緒あるお寺。前住職がいろいろとトラブルがあって本山より解任されていることは、ググるとすぐ出てきます。?!もうちょっといい紹介できなかったかなあ?この定光寺の丘の高いところにある眺望台からは名古屋駅界隈や平野、山々が見え、秋は紅葉も素晴らしいといわれています。
定光寺に向けて坂をアタック開始です。おっと、かなりきつい。ギアを目いっぱい軽くして回し始めます。これはダンシングしなければ乗り切れない!と言いつつ超低速なフラフラで後ろからは時々クルマが来ます。万が一こけて、クルマと接触したら大変なことになる。接触以上だともっと大変になる。いやなことが頭をよぎり、クルマがまた横をよぎり、そして足がピタッと地面についた。ここからリカバリーできないMr.チャガラはバイクを押して定光寺を目指します。ガードレールのある方に移動し、敗者感を味わいつつ押します。昔、東京・荒川のフルマラソンの折り返し地点で回収され回収バスに乗った苦い思い出がよぎります。あの、どよ~んとした空気感。
■それでもサイクリングはすばらしい
今回サイクリング前に、スマホにStrava(ストラバ)というアプリを入れていたことを思い出した。サイクリストがよく利用しているアプリで、前にインタビューしたギネスレコードホルダーの遠藤さんに教えてもらったものです。新しいソフトを最初に使うときは戸惑いばかりで、それが使い始めを遅くする原因です。出発する前にスタートボタンを押して、ゴールについたらまたボタンを押します。あれ、簡単だった。
どのルートを走ったかというのも地図に出てきます。この日は同じ道を往復した感じなので、まさに一本の爪楊枝のようです。「裸のマハ」に見えなくもない。サイクリングの時にはこのアプリを活用してみようと思ったことを忘れないようにしよう。
サイクリストとしては全く自分を追い込んでいませんが、サイクリスト魂が自分にもあるかもと思った瞬間があります。定光寺駅前の橋の上で、4人組の青年サイクリストがアタック前の記念写真を撮るところでした。自然と「写真撮りましょうか?」とMr.チャガラは申し出ます。こんな引っ込み思案の私が前に出てしまうなんて、サイクリスト連帯感でしょうか。こういうふれあいもサイクリングは素敵と思う瞬間です。
<終わり>
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