2024.01.20
サイクリング ア ゴーゴー vol.19「知多半島サイクリングロードを訪ねて三千里」
■CYCLING A GO GO / サイクリング ア ゴーゴー Vol.19
「知多半島サイクリングロードを訪ねて三千里」-20.Jan.2024-
毎月20日は相良さんことMr.チャガラさんのロード自転車の連載レポの日です。Mr.チャガラさんは自分の会社員時代の同僚です(Mr.チャガラさんはデザイン界の巨匠大貫卓也さんと仕事をされていました)。今は独立し自転車ロードレース界でスポンサーシップ・エージェントの仕事をされており、最近自分でもロードレーサーを購入しロード自転車ライフを楽しんでいます。
さて今回は2024年の最初のレポート、なんと今回で19回目になりました。今回のレポート先は知多半島の付け根。はい!長年の読者の方ならご存知ですよね、知多半島はレース取材でよく行くところです。こ確かにロード自転車を楽しむ方をよく見かけます。では早速♪
おぼろげな記憶で「母をたずねて三千里」というアニメが昔あったような。なんかスタジオジブリっぽい作風で、アルプスの少女ハイジのようでもあり、フランダースの犬のようでもありというアニメタッチ。ちょっと調べてみたら、やはりありました。1976年に放送されていて、監督は高畑勲氏で場面設定・レイアウトを宮崎駿氏って、スタジオジブリができる前に既にチームができておったのだな。今では三千里の「里」という距離の単位は使わないし日常的にも聞かなくなったけれど、日本では昔1里は約4kmと教わったので、三千里は12,000kmということか。これは、主人公がジェノヴァからブエノスアイレスに行く物語で三千里はその距離を現していると考えられるんだが、果たして何キロなのか気になる。検索エンジンで調べてもすぐにぴったりの答えが見つからないのでAIに聞いてみたら一発で回答されました。「ジェノヴァからブエノスアイレスまでの距離は、およそ11,100.9 kmです。」だいたい一緒ぢゃ。1里はより正確には3.927kmらしいので、改めて計算すると11,781kmで更に近づいた。「母をたずねて三千里」はなかなか秀逸な味わいのあるタイトルです。すごく遠くを見れる望遠鏡や視力を持った人を千里眼といったり、地名でも九十九里浜や千里ニュータウンがあったりと今でも「里」は使われておるわね。ちなみに中国では1kmは1公里と表記します。ただ中国語で「里」には中にいるという意味もあって「我在家里」と書けば、「私いるあるよ、家の中に」というふうになります。で、日本国内で知多半島サイクリングロードに行くのに三千里はいらないんぢゃないの?と素朴な疑問が出てきますね。はてさて。
■最近気になるのは、なぜか知多半島と愛知用水
2022年に愛知県のどこかの川底に穴があいて、そこがちょうど農業用水や生活用水を取り込む場所でくみ上げがうまくいかなくなり大変だったというニュースがありました。川底に穴があくなんてことあるんだと、漫画で描かれていた、池の底のお風呂の栓のようなものを抜くと水が抜けてお魚がぴちゃぴちゃしているシーンが思い浮び、不思議な感覚になっただよ。愛知用水も大変だなあと、小学生の頃に社会科のクラスで当時では最先端だった教育テレビ番組の放送時間に合わせてテレビ映像を見ながらの授業か、16㎜映写機でスクリーンに投影されたドキュメンタリー教育映画でみた日本の一大用水路事業の記憶がフラッシュバックし、勝手に郷愁感も出てきます。愛知用水は知多半島を潤し、農作物がとてもよく育つ環境をもたらしてくれました。後日、川底がぬけたところは愛知用水ではなく明治用水であったと知りますが、もうどうでもよくなっています。
▲知多半島サイクリングマップ(部分)がネットで県の土木事業として紹介されています。この情報を頼りに自転車を車に積み込み、地図では終点あたりのあいち健康の森公園界隈へ。サイクリングロードは始点でも終点でも途中からでも好きなところから乗ったらよろしい、とまずは無料駐車場を目指します。でもこの地図、地元やそこを走ろうと思う人以外はただの細かい線の知らないところね。
▲あいち健康の森公園で自転車をおろし組み立て、出発準備OK。さっきの地図は細かすぎてよくわからなかったけれど、西に向かえばほどなく知多半島サイクリングロードにぶち当たる算段なので、ドンマイ。
■今年最初の走り初め。1月だからとてもさむいよ~
最近は異常気象で冬でも暖かったり、アメリカ人は半そで短パンでも平気だったり(これは気象とは関係ないか)しますが、普通に寒い冬の日もあります。自転車に乗るこの日は寒く、上半身は何枚も着込んでいます。曇り空です。知多半島サイクリングロードを目指して、あいち健康の森公園を出発します。ここの公園には競技場や様々な体を動かせる広場があり健康を意識していることはよく理解できますが、森はありません。
▲公園から広い通りを渡り住宅街を過ぎると、のどかな農業地帯になります。
▲更に先に行くと農道が続いています。クルマとはほぼ出会わないのでサイクリングは快適です。堆肥のにほひも漂ってきます。
▲横を見ても農地が広がっています。ここは舗装されていますが、砂利道の農道も多くあります。
1月の曇り空でのんびりサイクリングです。ところどころスピードを出してみますが普段からの運動不足ですぐにスピードダウンをします。中学生の頃に東京から江の島を日帰り往復したことが信じられません。その頃ミスター・チャガラはロードバイク的なブリヂストンの「ロードマン」という、子供の頃のとてもブランドだった自転車に乗っていました。ちなみに今乗っているのは「ボードマン」。
農道の砂利道に時々入ると10mも走ればすぐに引き返します。ヨーロッパのロードレースの写真を見ると田舎の砂利道を集団でレースしているシーン見た気がします。本場は、路面のコンディション問わずドロドロになりながらレースを闘っているイメージをそのまま自分に重ねます。しかしいったん砂利道に入ってみるとあまりにも走りにくく、落車のイメージが支配します。
砂利道はグラベルロードバイクの出番です。舗装路だけでなく未舗装路も走行できるロードバイクと似た形状の自転車のことで、「グラベル(gravel)」は砂利を意味します。なら、わしの自転車に太めのタイヤをつけたらグラベルバイク的なことができるのかいな?じつはタイヤはすでにロードバイクとしては太めなのをつけていますが、それでも砂利道は不安定なのでもっと太くする必要があります。まだまだロードもしっかり走れていないので、その実験はもっと先になることでしょう。
■そろそろ知多半島サイクリングロード
本日のライドは知多半島サイクリングロードでゆったり安心してサイクリングを楽しむという目的。地図でどこにあるのかやや不鮮明だけれど、あいち健康の森公園から西に向かえばそう時間がかからないうちに出会えるハズのところ。西に進んでいます。
▲貯水池のようなところもあるます。そろそろサイクリングロードとの合流も近いか!?
▲あれ、住宅街に入ってしまった。そして一般道にでてしまった。サイクリングロードはどこ?
■途中スマホのマップを確認しながら、サイクリングロードを探す
そろそろサイクリングロードのあたりのハズ、あるいは過ぎてしまったのかと、不安になり、地図アプリを見てもさっぱりわからなくなります。地図アプリでは幹線道路はよくわかるけど、サイクリングロードはさっぱりわかりません。きっとサイクリングロード自体がさほどの広さがなかったり、はっきりとここはサイクリングロードとわかるように整備されていないのかもしれません。狭い一般道の歩道寄りのところに青色で自転車マークと矢印を描いて、自転車道路を用意したふりをするような運用が一般的な日本では、まだ自転車が安全に長距離を走れる道路の整備はできていないのですね。二酸化炭素排出を抑えてエコを謳いたいなら自転車道路の整備を!50年以上前から交通整備イメージ図で自転車専用道路を車道と歩道の間に入れているのだから、これからの道路計画にはしっかり自転車専用道路も入れて!
いかんいかん、知多半島サイクリングロードを見つけることができなかったことを、行政問題にすり替えそうになっていたよ。もう少し親切な地図を用意してくださいね。
▲走っていると出発地点の案内がでてきたので、自動車も増えているし戻ることに。この日走ったサイクリングロードは、あいち健康の森公園に沿ってある短い自転車ゾーンだけでした。
■知多半島サイクリングロードをたずねて三千里 <完結編へ>
結局ミスター・チャガラは、ひょっとしたら知多半島サイクリングロードをクロスしたことを気がつかずに農道を走り続けていたのか、あるいは、たどり着くことなく手前をグルグル回っていたのか?はっきりしていることは、まだ知多半島サイクリングロードに出会えていないこと。三千里は約12,000km、イタリアから大西洋を渡ってアルゼンチンまで行く距離があります。次に知多半島サイクリングロードに出会えるまで何千里をさまようことになるやら、はてさて。
▲サイクリングを上がったころは青空が出てきて、クルマも朝は混んでいたのにもう空き始めていました。人もいないのでここで青空着替えです。かなり汗をかいていたことがわかります。
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