2020.11.02
スーパーモト ジャパン 2020 R4 Final / 全日本スーパーモト 最終戦 S1 OPEN
■スーパーモト ジャパン 2020 R4 Final / 全日本スーパーモト2020 Rd.4 最終戦 S1 OPEN クラス レースレポート-02.Nov.2020 reported by Ami Uchino-
2020年10月18日(sun)SMJ最終ラウンドのS1 OPENクラスにはシーズン最多となる29人がエントリー。決勝に進めるのは24人のみ。予選落ちの発生するシビアなラウンドとなりました。
チャンピオンの可能性があるのは#9広瀬彰信選手と#38加藤将貢選手の2名。この2人の間には14ポイント差があり、#9広瀬アキノブ選手は10位以上ならばそのままチャンピオン獲得。#38加藤選手にとってはこの美浜サーキットはホームであり、その点においてはかなり有利。しかし14ポイント差をくつがえすのはなかなか難しいと言えます。
土曜日の練習走行は雨天でダートの使用も無いため、#9広瀬選手や#300高山直人選手など数人は走行を見送り。また、#38加藤選手は3本の走行枠のうち2本目からの走行。体の動きやコースを確認するために走るライダーが多くみられました。
日曜の決勝当日は晴れ。朝一番の公式練習では部分的にウェットな状態。各ライダーは慎重に走行を始めます。その中でトップタイムを出したのは#300高山ナオト選手。1’22.456を記録しました。2位が1’22.519を出した#38加藤マサツグ選手、3位が1’22.547を出した#34山下知晃選手となりました。
S1 OPENタイムアタック
予選ヒートのスターティンググリッドを決定するタイムアタックでは、#34山下トモアキ選手が1’19.659でトップ。2位に1’19.702で#300高山ナオト選手、3位に1’20.516で#38加藤マサツグ選手、4位に1’22.547で#6三井正勝選手が入り、この4名が予選ヒートのフロントローを獲得しました。
・・・となるはずが、計測ミスによりタイムアタックの時間がアナウンス無しに5分前倒しになっていたことが判明。これにより、正規のタイムアタックの時間にアタックラップを取れないまま終了してしまったライダーが発生し。チャンピオンのかかっていた#9広瀬選手はタイムアタックができないまま終わり、このタイムアタックでは29人中、29番手のタイムとなっていました。
対策として急遽予選ヒート前に5分間のタイムアタックが追加されました。この2回目のタイムアタックへの参加は任意となりましたが、この2回のタイムアタックセッションでのラップが合算されてタイムアタックの結果となることがアナウンスされ、1回目の時よりも路面コンディションが良くなっており2回目の方が良いタイムが出ると予想されたため、ほとんどのライダーが2回目のタイムアタックにも出走しました。しかし5分間しか時間がなかったため、クリアラップを取ることができなかったライダーもいた模様。混乱のタイムアタックとなりました。
S1 OPENタイムアタック結果
1/#300高山直人・・・1’14.364
2/#16水野彰久・・・1’16.278
3/#40佐々木啓之・・・1’16.478
▲#300高山。マシンはあえて小排気量の350ccを選択。パワーよりもコントロール性の高さを優先。タイヤは高山選手が開発にたずさわったモタードにも適した一般公道用バイアスタイヤを使用。スリックの半分以下の価格です。
2度目のタイムアタックの後、全ライダー一度ピットに戻って給油などをして、すぐに予選ヒートとなります。グリッドは2度のタイムアタックの合算のタイムによって決定しますが、結果がなかなか出なかったため、ライダー達は先に集合場所へと向かい、結果が出たらチームスタッフが集合場所にいるライダーにグリッドを伝えに行く、という様子が見られました。
混乱が収まりきらないうちに開催された予選ヒート。予選ヒートは5周で争われます。ここで決勝に進むことができる24名のライダーが決定します。
■S1 OPEN 予選
フロントローを獲得したのは#300高山ナオト選手、#16水野アキヒサ選手、#40佐々木ヒロユキ選手、#34山下トモアキ選手の4名。チャンピオン候補の#9広瀬アキノブ選手は2列目8番グリッドから、#38加藤マサツグ選手は4列目16番グリッドからのスタートとなります。
ホールショットを獲得したのは#300高山ナオト選手。#34山下トモアキ選手、#16水野アキヒサ選手、#40佐々木ヒロユキ選手、#14澤田良太選手、#6三井マサカツ選手、#38加藤マサツグ選手続きます。
チャンピオン筆頭候補の#9広瀬アキノブ選手はいいスタートを決めてすぐにいくつかポジションを上げるものの、1周目で前走者の転倒に巻き込まれ、20番手前後まで順位を落としてしまいます。
スタート後間も無くから#14澤田リョウタ選手、#6三井マサカツ選手、#38加藤マサツグ選手の3台が5位集団を形成。その前方ではトップの#300高山ナオト選手を#34山下トモアキ選手が、3番手の#16水野アキヒサ選手を#40佐々木ヒロユキ選手がそれぞれ1秒ほどの差で追いかけています。また、後方では#7福澤武選手、#22松井康晃選手、#4千葉智選手、#31高部充陽選手が8位集団を形成します。
後半、間に周回遅れが入ったこともあり、#300高山ナオト選手と#34山下トモアキ選手の差は少し広がり、それぞれ単独走行となります。
4周目、3台の5位集団の一番後ろにいた#38加藤マサツグ選手が#6三井正勝選手を最終コーナーで抜いて6位に立ちます。また、序盤後方に下がった#9広瀬アキノブ選手も追い上げを見せ、8位集団の一番後ろにつきます。
ラストラップ、#300高山ナオト選手が2位に2.7秒の差をつけて1位でゴール。決勝でもポールポジションを獲得しました。2位に#34山下トモアキ選手、3位に#16水野アキヒサ選手、4位に#40佐々木ヒロユキ選手が入り、以上の4名が決勝のフロントローに並ぶことが決定。
チャンピオン候補の1人である#38加藤マサツグ選手は6位でゴールし、決勝では2列目スタートとなります。
後半#7福澤タケシ選手、#22松井ヤスアキ選手、#4千葉サトシ選手、#9広瀬アキノブ選手によって構成されていた8位集団は、それぞれ0.5秒ほどの差をつけてこのままの順位でゴール。チャンピオン筆頭候補の#9広瀬アキノブ選手は決勝11番グリッドからのスタートとなりました。
予選ヒート結果
1/#300高山直人
2/#34山下知晃
3/#16水野彰久
■S1 OPEN 決勝
決勝。ホールショットを奪ったのはポールポジションからスタートした#300高山ナオト選手。#34山下トモアキ選手、#16水野アキヒサ選手、#40佐々木ヒロユキ選手、#38加藤マサツグ選手、#14澤田リョウタ選手、#6三井マサカツ選手、#9広瀬アキノブ選手と続きます。
#300高山選手がレース序盤から後続を圧倒し独走、そこから少し遅れて2位を走る#34山下トモアキ選手も単独走行に入ります。その数秒後ろを#16水野アキヒサ選手と#40佐々木ヒロユキ選手が、大きく離れて#38加藤マサツグ選手が5番手を走行、さらにその少し後方では#14澤田リョウタ選手、#6三井マサカツ選手、#9広瀬アキノブ選手、#31高部ミツアキ選手、#22松井ヤスアキ選手の5台が6位集団を形成します。
▲Rd.2熊本で2勝をあげたルーキー#34山下知晃選手。最終ラウンドとなったこのレースでも2番手につける。
レース中盤の5周目、#9広瀬選手がダートを抜けた先のコーナーで#14澤田選手をパスし集団から抜け出ると、#38加藤選手を追い始めます。#9広瀬選手は#38加藤選手との差をダート部分で縮め、チャンピオン争いの直接対決となります。
8周目、2位を単独走行していた#34山下選手がダートでミス、後ろを走る#16水野選手、#40佐々木選手との距離が縮まります。
▲3番手につけた#16水野彰久選手。ベテラン#40佐々木がこの#16水野選手におそいかかるのですが…
また、#38加藤選手#9広瀬選手の後方では集団が2分され、#14澤田選手、#31高部選手、#6三井選手が7位集団を形成。その後ろでは#22松井選手と#10増成誠二選手が10位争いを繰り広げます。9周目、#31高部選手は#14澤田選手を抜き前を走る#38加藤選手と#9広瀬選手を追い始めます。
#300高山ナオト選手が2位に6.7秒の差をつけて圧勝。その後方では#34山下トモアキ選手、#16水野アキヒサ選手、#40佐々木ヒロユキ選手がそれぞれ0.5秒、0.3秒の差でゴールし、2、3、4位を獲得。#38加藤マサツグ選手は#9広瀬アキノブ選手をなんとか抑え5位でフィニッシュ。ラストラップで#31高部選手に距離を詰められますが、0.5秒の差で逃げ切った#9広瀬アキノブ選手が6位入賞。2020年の年間チャンピオンをきめました。
▲2020年 S1 OPEN classのチャンピオンとなった#9広瀬信彰選手。最初のタイムアタックではアタックできず、なんと29人中29番手という事態に。「あの瞬間は、おわった…と思いましたよ、マジで(苦笑。」
▲惜しくもチャンピオンを逃したものの、ルーキーながらランキング2位を得た#38加藤将貢選手。「ちょっとおさえすぎてしまいました。攻めが足りなかったかもしれません…」と年間ランキング2位を得たにもかかわらず、最終レースには満足していない様子でした。
■決勝レースリザルト
1/#300高山直人
2/#34山下知晃
3/#16水野彰久
■2020年間 S1 OPEN class シリーズポイントランキング
1/#9広瀬彰信/東京・・・78pt
2/#38加藤将貢/愛知・・65pt
3/#34山下知晃/福岡・・57pt
4/#23納冨桂/福岡・・・44pt
5/#4千葉智/宮城・・・・41pt
6/#300高山直人/群馬・40pt
▲S1 OPENチャンピオンを決めた#9広瀬信彰選手。右はチームメイトの東日本エリア、中日本エリア、西日本エリアの全エリアのS1 OPENチャンピオンを獲得した森田嵐選手。
S1 OPENクラスの上位3名は次のシーズン、S1 PROクラスに昇格となるため、#9広瀬彰信選手、#38加藤将貢選手、#34山下知晃選手の3名が来年は最高峰S1 PROクラスに昇格となります。
report / Ami Uchino
photo / Kunioka Kiichi & Maeda Hajime & KRAZy
KRAZy2020 ルーキーオブザイヤーはS1 OPENの#38加藤選手と#34山下選手に絞られました。by KRAZyコンドー
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