2020.10.30
スーパーモト ジャパン 2020 R4 Final / 全日本スーパーモト2020 最終戦 S1 PRO
■スーパーモト ジャパン 2020 R4 Final / 全日本スーパーモト2020 Rd.4 最終戦 S1 PROクラス レースレポート
10月18日に愛知県の美浜サーキットで、Super Moto Japan 2020の最終戦が開催されました。
このコースは左右に細長く、アスファルト部分だけでも1周が1km以上、最長直線が200m以上と、モタードコースの中では長めのコースです。この長いアスファルトセクションは抜きどころが少なく、コーナーの立ち上がりやその後のストレートの加速などが重要なポイントとなります。ダートセクションはそこまで長くはないものの、高低差があること、土だけでなくグラベル路面(砂利)があること、堤防のような形のコンクリートの坂を乗り越えることなど、いくつか珍しい特徴を持っています。このグラベルエリアは、昨年まではS1 PROクラスのみの使用となっていましたが、今年は全クラス砂利を通ることになり、S1 PROクラスとS1 OPENクラス・S2クラスのコースレイアウトの違いはほとんどなくなっていました。
■最終ラウンド同ポイントでのチャンピオン争い
今ラウンドは最終戦ということで、一番の注目はやはりチャンピオン争い。#1日浦大治朗選手と#2森田一輝選手の二人がどちらも98ポイントでこの時点でのランキングトップ。3位の#3新井誠選手が69ポイント、4位の#19長谷川修大選手が59ポイントで、数字上ではこの4人にチャンピオン獲得の可能性が残されていますが、トップの2人とは少し点差が開いているため、実質的なチャンピオン候補は#1日浦ダイジロー選手と#2森田イッキ選手の2人に絞られています。
このコースは前述の通りアスファルト部分が長いため、ロード出身のライダーが有利になることが予想されます。また、この美浜をホームコースとする#19長谷川シューダイ選手の走り(ご本人は「ホームコースだけど全日本開催サーキットの中で一番苦手」と言っていましたが・・・)や、Husqvarna東名横浜からマシンを借り、スズキからハスクバーナに乗り換えた#16小原堅斗選手の走りにも注目が集まります。
10月17日、土曜日は一日中雨。気温も約13度とこの時期にしてはとても低い状態でした。天気が悪いため、練習走行はアスファルト部分のみの使用となりました。翌日の決勝日は晴れ予報。ドライコンディションとレインコンディションではマシンセッテイングもタイヤも異なるため、土曜日の走行は見送ったライダーや、3本の走行枠全てを走らなかったライダーも何人かいましたが、多くのライダーは自分の身体の感覚やコンディションを確かめるため、また、コースを確認するために走行していました。
■10月18日、決勝当日
10月18日、決勝日。予報通り天候は回復し、朝は前日の雨の影響でアスファルトの上に少し水たまりがあったりダートセクションがぬかるんでいたりしていましたが、時間の経過とともに乾いていき、決勝時刻には少しダートの土が湿っている程度というベストコンディションになりました。
公式練習
朝の公式練習からダートエリアの使用が開始され、各ライダー慎重に路面の状態を確かめていきます。公式練習は#1日浦ダイジロー選手が1’16.902でトップ。2位に1’17.304を出した#2森田イッキ選手、3位に1’18.250の新井誠選手が続きます。
予選タイムアタック
決勝レース1のグリッドを決める予選タイムアタックは#2森田イッキ選手が1’13.585のトップタイムを記録します。#1日浦ダイジロー選手はそこからわずか0.071秒の差で二番グリッドを獲得。3位に#5吉田雄一選手、4位に#9森田直樹選手が入り、この4名がレース1でのフロントロー獲得となりました。
予選タイムアタック結果
1/ #2森田一輝・・・1’13.585
2/ #1日浦大治朗・・・1’13.656
3/ #5吉田雄一・・・1’14.345
■決勝レース1
ホールショットを決めたのは#1日浦ダイジロー選手。トップで1コーナーに入っていった#2森田イッキ選手のアウトからねじ込んで先頭に立ちます。ここからアスファルトエリアで#1日浦ダイジロー選手は#2森田イッキ選手を軽く離しますが、#2森田イッキ選手はダートでその距離を再び詰め、ほぼ2台同時でダートのジャンプを飛びます。
この2台の後ろ、少し離れた位置を#5吉田ユーイチ選手、#9森田ナオキ選手が走行し、その少し後ろに#3新井マコト選手、更に少し後方に#10金児伸二選手と#19長谷川シューダイ選手、と続きます。1周目のダートエリアで#22野田龍樹選手が転倒。
序盤、#2森田イッキ選手は#1日浦ダイジロー選手に食らいつきますが、周回を重ねるごとのその差は少しずつ開いていき、このトップ2台と#5吉田ユーイチ選手、#9森田イッキ選手の上位4台それぞれが単独走行に入ります。
#19長谷川シューダイ選手が新井マコト選手を追い始めます。数周でその差を詰めるとその真後ろに付き、ランキング3位直接対決(この時点で#3新井マコト選手が10点リード)が始まります。そしてその後方では#12川上祥史選手に#27城取諒選手が接近していきます。
7周目、最終コーナーで2番手を単独走行していた#2森田イッキ選手が転倒。#5吉田ユーイチ選手と順位が入れ替わり、#2森田イッキ選手は#5吉田ユーイチ選手を追いかけます。その後方では、#9森田ナオキ選手、#3新井マコト選手、#19長谷川シューダイ選手が集団を形成。
#2森田イッキ選手が#5吉田ユーイチ選手のすぐ後ろにつき、抜くタイミングを見計らっていた9周目、1コーナーで#5吉田ユーイチ選手が転倒。#2森田イッキ選手もそれに引っかかり、転倒は免れたものの#9森田ナオキ選手に抜かされてしまいます。しかし、#2森田イッキ選手はその周のダートの砂利の部分ですぐに#9森田ナオキ選手を抜き返し、順位を元に戻します。
そして同じ周、トップを快走していた#1日浦ダイジロー選手もダートエリア終盤で転倒を喫しますが、すぐに立て直してロスを5秒に抑え、トップの座を守ります。同じ周に後ろでも転倒があり混乱が発生していたこと、立て直しが驚異的な早さであったことから#1日浦ダイジロー選手の転倒には気づかなかった観客がほとんどでした。
トップは変わらず#1日浦ダイジロー選手、その後ろを10秒以上開けて#2森田イッキ選手#9森田ナオキ選手が2位争いを、#3新井マコト選手と#19長谷川シューダイ選手が4位争いを、転倒があった#5吉田ユーイチ選手、#10金子シンジ選手、#27城取リョー選手が6位争いを、そして#12川上ヨシフミ選手と#18中島俊介選手が9位争いをそれぞれ展開します。
しかし11周目、#2森田イッキ選手と#9森田ナオキ選手との間に周回遅れのライダーが入ってその差は少し広がってしまい、後続の#3新井マコト選手と#19長谷川シューダイ選手が#9森田ナオキ選手との距離を詰めます。また、この周、#18中島シュンスケ選手が#12川上ヨシフミ選手を抜いて9番手に立ちます。
ラストラップ、2位に13秒以上の差をつけた#1日浦ダイジロー選手がウイリーをしながら1位でチェッカーを受けます。2位には転倒や順位の変動もありながら最後は後続を2秒ほど引き離した#2森田イッキ選手。その後ろはそれぞれ0.5秒ほどの差で#9森田ナオキ選手が3位、#3新井マコト選手が4位、#19長谷川シューダイ選手が5位を獲得。#9森田ナオキ選手は今季初表彰台となりました。#19長谷川シューダイ選手はレース序盤からずっと#3新井マコト選手を追い続けましたが、#3新井マコト選手がそのポジションを守り抜きました。そこから10秒弱離れて#5吉田ユーイチ選手が6位でゴール。そのすぐ後ろで、#27城取リョー選手が最後のストレートの加速でチームメイトの#10金子シンジ選手との差を詰め、ほぼ横並びでゴールしますが、0.02秒差で#10金子シンジ選手が順位を守り、7位を獲得、#27城取リョー選手は8位でレース1を終えました。
■レース1リザルト
1/#1日浦大治朗
2/#2森田一輝
3/#9森田直樹
この時点で#1日浦選手が118ポイント、#2森田選手が115ポイントで3点差。レース2で#2森田選手が#1日浦ダイジロー選手より3点以上多く点数を獲得できる順位でゴールできれば#2森田選手がチャンピオン、そうでなければ#1日浦ダイジロー選手がチャンピオン獲得となります。
また、もしレース2を終えた時点で両者のポイントが同じ場合、レギュレーションで
・そのどちらかが最終戦の総合優勝の場合、そちらのライダーがチャンピオン
・どちらも最終戦では総合優勝をしていないなら、シーズン優勝回数が多い方がチャンピオン
となります。つまり今回の場合、
・#2森田選手がレース2で優勝すれば(このとき#1日浦選手が2位で同点)総合優勝となり、#2森田イッキ選手がチャンピオン
・上記以外の場合で同点となった時は、最終戦レース1までに5勝を挙げている#1日浦ダイジロー選手がチャンピオン(#2森田イッキ選手はここまでで2勝)となります。
つづきのレース2はこの後のレポートになります。土曜の夕方にはアップします。
さてチャンピオンは?
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質問ご意などお気軽にこのアドレスへ→ kondo@krazy-web.com
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KONDO design / 近藤正之
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