2024.11.05
世界でも珍しいダート50% / スーパーモト R6 Part1
◾️全日本スーパーモト2024 R6 奈良/名阪 S1 PROクラス
「世界でも珍しいダート50%のスーパーモト」-05.Nov.2024-
10月12-13日、奈良県にある名阪スポーツランドで全日本スーパーモト/スーパーモトジャパンRound6が開催されました。
ここでは全日本クラスと入門的なS1チャレンジクラスが開催。全日本はS1 PROクラス、S1 OPENクラス、S2クラスが行われました。ここは最高峰のS1プロクラスのレースレポートとなります。
▲10月中旬のこの週末は気持ちのいい快晴の2日間となりました。観戦のお客様は少なかったものの、レースへの参加者は多くなっています。ここ最近は入門的なS1チャレンジの参加者の方々が徐々に増えています。各チームやスーパーモトに関するショップさん、またサーキット施設の努力のおかげのようです。
▲S1 PROは国内最高峰のクラスとなり、450ccのモトクロスマシンをベースにした車両で戦うクラスです。CRF450R、YZ450F、海外メーカーではハスクバーナFS450、TM moto 450SMKなどが参戦しています。
◾️Round6 奈良/名阪スポーツランド ダートが50%以上
スーパーモトはアスファルトのロードセクションとジャンプなどのダートセクションからなるコースで戦います。この奈良/名阪スポーツランドラウンドはダートセクションが50%をしめるという、世界でも珍しいコースデザインです。
今年もすでにRound6となり、すでにシーズン終盤。チャンピオン争いを含め、ランキング争いも激しくなってきています。このR6の結果は今年のランキングに大きく影響するため、重要です。
先にも書いた通り、この名阪スポーツランドのコースはダートセクションが50%となっており、オフロードセクションが得意な選手にとってはぜひポイントを稼いでおきたいラウンド。特にランキング2位の#2小原選手、#3川島選手はここでポイントを稼いでおきたいところ。
一方、ランキングトップの#1日浦選手や昨年ランキング4位の#4長谷川選手はロード系(現役のロードレース選手)は、ここをうまくしのぐことが大切になってきます。優勝がベストですが、悪くても2位には入っておきたい。
そういう意味では、終盤のR6がダート50%というのは大きな意味があります。天王山といってもいいかもしれません。
とは言え、このロード系の2選手はダートも得意です。特に長谷川選手はロードをやる前はMXの選手でもあったので、ダートも速いです。特にジャンプはフォームもきれいです。
▲スーパーモトのスタートはロードレースと同じ、アスファルトのロードセクションからスタートします。タイムアタック順でグリッドに並び、そこからスタートとなります。レース1のPPはMX出身の#2小原ケント選手(ランキング2位)。現在ランキングトップの#1日浦ダイジロウ選手は2番グリッドからのスタート。フロントロー最後の3番グリッドはルーキーの#20佐藤ミズキ選手が獲得。レース2のグリッドはレース1の結果順となります。
◾️レースレポというよりスケッチ的な
今回は今までとはちょっと違うスタイルのレースレポートにしてみたいと考えました。レースに興味の薄い方も興味が持てる、そんなレポートです。観戦してみようかな、レース会場に行ってみようかな、と思えるようなそんな内容です。
レース展開については省き、画像中心にしてみようかと考えています。スケッチするような感じのそんなレポです。う〜ん、よくわかりませんね・・・
レースの開催にはお金がかかります。またプロと名前のついたクラスもあります。そういう意味では観にきていただけるお客様が重要です。それによってスポンサーも増え、レース開催にも選手の活動継続にも役立ちます。現在のように、参加者のエントリーフィーだけでは開催が難しいのが現実です。ダートが増えると実は非常に開催にお金がかかります。それもあって最近では雨が降るとダートがキャンセルになったり、そもそも短い、というコースデザインが増えています。アスファルトだけになるとマシンはターミネイターのようになり、最終的にはロードレースマシンのような形になり、ライディングも変わります。結果的にスーパーモトらしさは消えていきます。以前、一度だけですが、セパハンのマシンが登場したこともありました。
▲レースというとレースシーンがメディアに載るので選手とマシンが注目されますが、1日のうちで走るのは1時間もありません。多くはメカニックが何らかの仕事をしています。また、チームによってはマネージャーがいてその方いろいろなサポートを行うことで選手は走ることができます。タレントさんと同じです。興味のある方はぜひこういう立場で参加してみてください。チームは主にショップ単位で存在することが多いです。関東ならTOYZ Racing(モトショップTOYZ)やMotaFriends、そしてサーキットを中心にしたスポーツランド山梨のチーム、中部なら長野のモトスポーツK’sにCP sportsにC.G.PHANTOM、関西ならグライドライド、九州なら熊本のDune⭐︎motoや福岡のD-GARAGEやmoto FORCE、また企業の場合はホンダ社内にあるidemitsu Honda Tochigi PG Racing、日浦選手も鈴鹿のホンダ系のチームS.T.Fに所属しています。仙台にもバイクショップ&ロードレース活動をしているフクダテクニカを中心としたチームや宮城を中心にした選手で構成された陸奥組というチームもあります。スーパーモトマシンの走行可能なサーキットに行ってみるとチームを見つけることもできます。スクールに参加するのも手です。スーパーモトを得意とするショップや選手が運営していることが多いからです。
▲今回はダートセクションが長いため、多くの選手が溝のあるレインタイヤにグルービングを施し(溝切りを追加し)ていました。ダートが長いとタイヤも温まりにくいので低い温度で機能するレインタイヤを使うという意味も。このグルービングも選手によって大きく違います。写真はPROクラスの#26ケンちゃんこと川留選手のマシン。
▼ダートセクションはふかふかのサンド(砂)、場所によってはモトクロスのような深いワダチも。このワダチは変化していくのですが、レースではその対応力も結果につながります。
▼スーパーモトの魅力といえば、
▲スピードのロードセクションと
▼ダイナミックな動きのダートセクション
▲#1は2023年チャンピオンの現役のロードレース選手でもある日浦大治郎選手(このR6前のR5までのシリーズポイントリーダー)。#2は小原堅斗選手(ランキング2位)。日浦選手が勝てば、次の最終戦はホームコースなので一気にチャンピオンが目の前に。一方、#2小原選手が勝てば、ランキングトップに立ちます。でも実際はこの2人だけが優勝候補ではないので・・・
▲現在、日本のスーパーモトのトップはこの3人と言っていいと思います。#1は日浦ダイジロウ選手/ロードレース選手でもあるのでロードセクションは圧倒的に速いです。しかしそれだけでなく、ダートでもかなりの速さを持ちます。鈴鹿をベースにしています。#2は小原ケント選手/非常に珍しい東北岩手の選手です。MX出身ですからダートセクションでは圧倒的に強い。特にワダチのあるダート、スキルの必要なジャンプのあるコースは速いです。#3は若手No.1と言ってもいい川島颯太選手。東福寺さんのT.E.SPORT所属でMX出身。当然ダートセクションは速く、また、しぶとい走りを見せます。東京出身。
▼この3人に割って入っているのがルーキーの佐藤瑞城選手。ゼッケンは20です。非常に珍しい北陸新潟の選手です。XMの辻選手やRRの濱原颯道選手をコーチに迎え圧倒的な練習量で、メキメキと速さを身につけています。R5終了時点でランキング3位につけています。MX出身なので、今回のコースは有利かもしれません。当然優勝候補の一人です。
◾️レース1/ 11:10
前ラウンドのR5終了時点でのポイントとランキングは、
1/202point #1日浦ダイジロウ Honda CRF450R
2/196point #2小原ケント Kawasaki KX450
3/133point #20佐藤ミズキ Honda CRF450R
4/131point #3川島ソウタ Honda CRF450R
5/130point #5金子カズユキ Honda CRF450R
6/95point #10新沼ノブユキ TM moto SMK450
チャンピオン争いは#1日浦、#2小原になりそう。その差はわずか6point。・・・。あ、#20佐藤選手も#3川島選手も可能性はありますが。
3位争いも3人が数ポイント差で並んでいます。#20佐藤選手と#3川島選手の差は3point、これは差がないも当然。もう一人の#5金子選手はベテラン選手、毎ラウンド安定して上位に食い込み3位争いに加わっています。ただし過去の実績を見ると、ダートはあまり得意ではないような。この3人も優勝争いに食い込んできますから、その走りは注目です。特に#3川島選手はこのタイプのダートセクションは得意ですから、確実に優勝あらそいに食い込んでくるはず。
▲#1日浦ダイジロウ+CRF450R。ロード選手ですがダートは苦手ではありません。また、レース運びは上手いですから2位につけていたらどうなるかわかりません。タイムアタックは2番タイムで2番グリッド。日浦選手ならこの位置でも充分です。
▲#2小原ケント+KX450。マシンも徐々に速くなってきていますし、サスもこのラウンドに合わせて新しい仕様に変えたのがいい結果につながっている様子。タイムアタックは1番タイムでPP獲得。このままホールショットが得られたらそのまま逃げ切り。#1日浦選手、または#20佐藤に取られても、1ラップ目のダートの1コーナーかジャンプで前に出てそのまま逃げ切り。
▲4番グリッドになってしまいましたがスタートは得意ですから3番か2番手でダートに入り、#1日浦選手、または#20佐藤選手がトップなら、そのダートの最初の左コーナーからジャンプ、着地してゆるい左コーナー(深い轍がある)で前に出れたらそのまま逃げ切り。と、そんな予想をしながらレース1を待ちます。レース1は11時10分スタートです。
▲ルーキーながらフロントローの最後となる3番グリッドスタート。さて、どこまでトップ3に絡んでいけるのか?
▲大手企業で働きながらレース活動を続けているのが#5金子カズユキ選手。超ベテラン選手です。ランキング3位の佐藤ミズキ選手とのポイント差はわずか3。このR6の結果が年間ランキングに大きく影響します。
いよいよS1 PRO レース1がスタートします。
続く、つづく。
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