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2017.07.05

毎月5日は '今月の一行' /「世界中、探したのか?」

おざわせんせい単行本

 
 

■今月の一行 / 「世界中、探したのか?」

 

どもです!KRAZyのコンドーです。このページは毎月5日の連載 “今月の一行” です。
コピーライター 林氏による コピーにまつわるちょっと面白いオハナシです。
 
「コピーライターって日本語書いてお金もらえるの? そんなん誰でもできるぢゃん・・・」
「コピーライターとか、ああいうヒトって信用なんないんだよな」
・・・コピーライターって、疑問いっぱいのお仕事ですよね。
自分も根っこはデザイナーでもあるので、人ごとじゃない(笑。
 
てなわけで、毎月5日はコピーライターというお仕事の現場から。
今月はクリエイティブの鬼軍曹オザワさんのお話。
(実はボクも一時は部下のひとりでした 血尿は出てないけど 汗)

 
※小沢氏の代表作品は、
ブリジストンの「レグノ」シリーズ、ANA企業イメージ広告「世界品質」上写真、
アサヒ「スーパードライ」他多数。僕はANAの仕事などで一緒させていただきました。
広告表現にマーケティング的な考えと手法を積極的に取り入れたのがこの小沢正光氏です。
 
※上の写真は世界品質キャンペーンのポスター。Art Directorは千葉篤氏、小沢正光氏はCMを担当。
以下も同様。CMを小沢氏が担当。各グラフィック広告の Art Directorは千葉篤氏です。
 
 
 
 

今月の一行「世界中、探したのか?」
昨年亡くなられたのですが、博報堂には小沢正光さんという
有名なクリエイティブ・ディレクターがいました。

 
 

小沢さんはひとことで言えば強面のタイプと言えますが、
周囲にいた人に言わせると「強面で済ませるつもりか」と
言われかねないような、強烈なキャプテンシーを持った
お方でした。こう書いたらこう書いたで「お前はあれを
キャプテンシーで済ませるのか」と言われそうなのですが、
どういうお方なのかは、「小沢語録」と呼ばれる数々の
言葉が饒舌に語っているので今回はそれをご紹介します。

 
 

おそらく小沢語録でも最も有名なのが、冒頭に書いた
「世界中、探したのか?」という言葉だと言われています。
小沢語録をまとめた博報堂の極秘社内文書(あろうことか、
後に「おざわせんせい」という書名で一般発売)がありまして、
小沢さんの言葉と関係者による解説が書かれているのですが、
そこでも「博報堂のスタッフなら知らぬ者の無い」とされています。
https://www.amazon.co.jp/dp/4797672706/

 
 

小沢さんの言葉は、他にも「できない、は聞きたくない」等、
とにかくスパルタで結果を求めるものがほとんどで、そこに
理屈の介在の余地はありません。とにかく「できない」を許さない。
できないと言えば「できるまでやればいいじゃないの?ん?」と
言われるのが解っているので、誰も「できない」とも言いません。

 
 

世界 P 機体2

 
 

博報堂みたいな代理店の人間はチャラチャラして適当に仕事してる
と思われるかもしれませんが、小沢さんのような方がいるので
そういうわけにはいかないのです。まあ小沢さんは小沢さんで
「広告警察」と呼ばれたくらい強烈な人なのは確かですが。

 
 

読んでいて、これってパワハラじゃないんですか?と思われる
方もいるかもしれません。まあその通りでたぶんパワハラです。
弁解したって許されない。逃げても追ってくる。しつこく食い
下がれば「言葉で殺されたいか、拳で殺されたいか、どっちだ」
とか言われる。誰一人として逃げ場が用意されることは無かった。

 
 
ただ、ここからが不思議というか本題なのですが、小沢さんは、
愛されてるんですよね。先述の本でも、血尿が出るほど酷い目に
あったような人たちが、面白おかしく解説をしている。まるで
おいしいネタをいただいてラッキーという感じさえ漂っています。

 
 

なんだかんだで、みんな小沢さんに鍛えられて、あれを経験した
自分だから、このくらい楽勝、と思いながら普段の仕事ができる
ようになっているんですよね。そしてそうなるまでに、それを
耐え抜くために、同士たちと語録を作って茶化して乗り越えて
いたんじゃないかなと思います。どこかで笑えないと精神的に
きつい。笑ってる場合じゃないんだけど、でも笑わないとツライ。
そういう意味で、まさにあの言葉群は「ブルース」なんでしょう。

 
 

理不尽な逆境の先に、屈強な戦士たちと、仲間たちが口ずさめる
珠玉のブルースが残された。それもこれも、小沢さんが、あんな
人だったからだと思うんです。当時は死ぬかと思ったし、二度と
あんなのはゴメンだけど、あれは人生の貴重な時期だった、と
おそらくみんな思っているんじゃないかなあ、と思うわけです。

 
 

なんか、なんでもかんでも残業とかパワハラとか無くせばいいと
いうもんじゃないと思うんですよね。最近よく思います。

 
 

世界 P 機体2

 
 

ちなみに僕は入社して一番最初の仕事が小沢さんでした。本当の
本当に最初の仕事だったので何も解らず、あまりにも新人の僕は
(しかも直属の部下では無かったので)大きな被害を受けません
でしたが、それでもよく覚えているやり取りがひとつあります。

 
 

僕の師匠は小沢さんから非常に信頼されている人でした。そこで
小沢さんから「表現はお前に任せる」と言われていたのですが、
師匠が「任せるじゃわからないから何か言ってくださいよ」と
言ったところ、「ユーモア・イズ・ノット・インポータント。
オンリー・マーケティング」と言われ、それって全然表現任せて
くれてないじゃん、っていう。
まあ理不尽な話なんですけど、なんかそれすら面白くて、
すごく印象に残っています。

 
 

結局のところ、一緒に面白がったり愚痴り合ったりできる仲間が
いるかどうか。そっちの方が、パワハラや残業があるかないか
よりも、ずっと大事なことなんじゃないかな、と思います。
昨日より大変だったら、結局なんだってツラいんですから。

 
 

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林 裕  Yutaka Hayashi
神奈川県鎌倉市出身。1995年慶應義塾大学環境情報学部卒、同年株式会社博報堂入社。2011年独立し、株式会社クラブソーダ設立。主な仕事に、田辺製薬「一本いっとく?」、CCJC「大豆ノススメ」、NTT東日本「エヌ山くんとティティ川くん」、SIREN:NT「羽生蛇村を求めて」、AKB48「前田敦子とは何だったのか?」、サッポロビール箱根駅伝「抜いてみろ。抜けるものなら」、海街Diary「家族を捨てた父が、のこしてくれた家族」等
林顔写真
 
 
 
 
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