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2018.04.09

毎月5日は '今月の一行' /「弾きたくない時に弾くことだ。」最終回

2018年3月
 
 
毎月5日は ‘今月の一行’ /「弾きたくない時に弾くことだ。」
 

現在わたくし開業以来最多の案件数を抱えておりまして、
書いても書いても終わらない、案出しをしてもしても終わらない。
こうなるともうアウトプット過多で中身がカッスカスになりまして、
ああもうやだ書けない書きたくないみたいな状況になるわけですが、
そんな時に思い出すのが冒頭の言葉なのであります。

 
学生時代、ずっと音楽をやっておりまして。むしろ音楽しか
やっていなかったような日々だったのですが、ギターを始めた頃に
この言葉に出会ったことは、わりと人生に大きな影響がありました。
 

出典はイングヴェイ・マルムスティーンというギタリストが、
注目され始めた頃のインタビューです。1984年くらいでしょうか。
インタビュアーが「あなたのようにうまくなるには、どうしたら
いいのですか?」という質問に対して出たのがこの答えでした。
 
曰く「弾きたくない時に弾くことだよ。弾きたい時に弾くのは
誰にだってできることだろ?誰にでもできることだけをやって、
人よりうまくなれると思うのか?」ということでした。
 

この言葉を読んだ時、そんなことをしたらギターが嫌いに
なってしまうのではないか、というのが正直な感想でした。
当時僕は中学生でしたが、小学校1年生から習っていた
ピアノがイヤになってやめたばかりだったのです。楽しい
ことだけやっていたかったし、ツラい練習はイヤだった。
その点、独学で始めたギターは純粋に楽しかったのです。
 

そんなわけで、その言葉はとりあえず見て見ぬふりをして
しばらく過ごしていました。が、どうしても頭の中にその言葉が
こびりついており、なによりイングヴェイが大好きだったので、
一度試してみたのです。弾きたくない時に弾く、ということを。
 

すると、ピアノの時と違い、弾いてるうちにいつの間にか楽しく
なっていまして、なるほど、ギターが好きってのはこういうこと
なんだな!と他人事のように気づかされたりしたわけです。
 

この経験は受験勉強の時には「勉強したくない時にしなければ
人よりも」という教えになり、就職してからは「コピーを
書きたくない時に書かなければ、人よりも」という教えに
形を変え、いろんなところでムチを入れてくれました。
そして、その場を乗り切るだけの気力を与えてくれました。
 
という話がありまして、さあここからが本題です。
ちょっと前フリ長かったですが。

 
 
 

こんな話をしたところで、最近じゃ「精神論じゃん」で
終わってしまいます。お寒い世の中になったものです。
合理主義的効率論になっていないとウケが悪い。そんな
わけで、最近はこんな話し方をすることにしています。

 
たとえば火曜の8時から10時は日本史の勉強をする、
と決めていたとしよう。となれば、いかにその2時間を
上手に使うかによって勝負が分かれてくる。2時間で
予想以上に捗ることもあれば、その逆もあるだろう。
教材の選択、メンタルの状態、うまく噛み合わないと
「失敗だった2時間」になることもあるだろう。

 
だがしかしだ。勉強したくない時に勉強する、本来は
勉強しないはずだった時間に勉強するということは、
そもそもがゼロなわけだから、失敗になり得ない。
何も頭に入らなくても予定通り、何かひとつでも頭に
入れば丸儲け、つまりこんなに投資効率のいい時間は
他にない。どんなダメな勉強法でもムダにならない。
こんな時間は他に無いのだから、やりたくないときに
やるというのは、時間投資の観点から非常に正しい。
人より勉強ができるようになりたければそうすべきだ。

 
というロジック。相手は「遊びと勉強」で天秤にかけて
遊べない=損という設定なのだから完全に詭弁なのですが
こういう言い方をすると、なんとなく心が揺れてくる。

 
とか書いてると、僕が自分の子供にでも言っているかの
ようですが、この「相手」とは僕のことです。仕事を
したくない時の僕。僕が僕を説得するときの話です。
なんとなく勉強の話にした方が聞く耳を持つのです。

 
今日も今日とて、日曜の朝7時前から自宅で企画作業。
本来ならやっていない時間、と思うだけでトクした気に
なっている時点で何かがおかしい気もするのですが、
そうでもしなければ各種納品が間に合わない。素直に
詭弁に身を任せ、つつがなく仕事を進めていきます。

 
そして作業をしながら時々思い出すのです、あの時
イングヴェイのインタビューを読んでいたことが、
いろんなことの始まりになっているんだなあ、と。
中学生の頃に音楽雑誌を買ったことが、これほどに
人生の役に立つ。あれは凄い数百円だったんだなあ。

 
今回最終回ということで、少しは役に立つことでも
書かねば、と思ったのですが、なんだかよくわからん
終わり方になってしまった。それでは皆さん、ごきげんよう。
僕はこれから、遊びたくないので遊びます。

 
 
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林 裕  Yutaka Hayashi
神奈川県鎌倉市出身。1995年慶應義塾大学環境情報学部卒、同年株式会社博報堂入社。2011年独立し、株式会社クラブソーダ設立。主な仕事に、田辺製薬「一本いっとく?」、CCJC「大豆ノススメ」、NTT東日本「エヌ山くんとティティ川くん」、SIREN:NT「羽生蛇村を求めて」、AKB48「前田敦子とは何だったのか?」、サッポロビール箱根駅伝「抜いてみろ。抜けるものなら」、海街Diary「家族を捨てた父が、のこしてくれた家族」等
林顔写真
 
 
 
 

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発行責任者:近藤正之

 

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