2024.03.10
毎月10日はモタード /「電動モタード ストームビー・モタード」
■毎月10日はモタード /「電動バイクSURRON STORM BEE MOTARD、かなり走ります!」-04.Mar.2024-
毎月10日は「ちょっと気になったモタード車両を紹介します。できればちょっと乗ってみたりもします」の連載レポの日です。今日はその3回目。
今回はついに電動モタードです。車両はサーロンのストーム・ビー/SURRON STORM BEE。このストーム・ビーにはモタードホイールが最初から用意されています。この車両はそれを組み込んだ車両です。細部はカスタムされています。
▲なかなかかっこいいです。電動なのでサイレンサーがなく、それによってリア回りをスッキリさせているからかも。車両を作ったのは千葉の木更津にあるjonit kisarazu labo代表の原田さん。jonit kisarazu laboは略してジョンイット。このジョンイットさんではバイクの修理や製作、またレースマシンの製作も行っていますが、ジョンイットマツリやファンライドフェスの主催なども行っています。そうあれ!!
■電動バイク
「電動バイクって結局どうなの?」・・・はい、今の電動はもうかなり普通のバイクです。車両によっては内燃機関のエンジン車より走ります。
電動バイクはモーターによって走るわけですが、そのモーターの特徴として、スイッチONでいきなりフルパワーが出ます。それだとギクシャクしてしまって乗りにくい、のでパワーを削る必要があります。アクセルを開けていくと徐々にパワーが発揮される、というぐあいにです。またその出力感は、私たちが慣れている内燃機関エンジンのそれに合わせる必要があります。これの調整次第で、乗りやすいかどうかが決まるようです。
実は電動バイクはいろいろな車両に乗ってきました。今までで最も普通(と言うか内燃エンジンに似た出力感)だったのはEM。イタリアの電動トライアル車両です。成田匠選手も開発には関わっています(日本での販売も成田選手)。
このサーロン ストーム・ビーもこの出力感のコントロールが非常にうまくまとめられていました。
▲これは昨年のMFJ全日本スーパーモト選手権R4千葉で、テスト走行を行った際の様子。将来電動クラスが誕生する可能性もあります。てか、この車両は今回紹介させていただく車両そのものです。ライダーはジョンイットの原田さんです。結構なペースで走行されていました。原田さんが速いってのもあるけど。S1チャレンジのS3クラス(公道走行車両4st250クラス)なら入賞可能かも。
▲ハイグリップタイヤのまま真冬の中での試乗だったので、コーナーを攻めるということはできませんでした(いくら走ってもタイヤが暖まらない)。が、ちょっと広いスペースで8の字をやってみましたがかなりいけます!ターボモードにするとなかなかです!!ストリートではスポーツやエコモードでいいかも。自分はエコモードで走っていました。ストップ&ゴーもスムーズで走りやすい!
■速い!パワーある!!
走行モードは3タイプ※。最もパワーの出るターボモードにすると、かなり元気です。4スト250並み(WR250くらい・・・これは言い過ぎ?)のパワーといったところでしょうか。特に低い速度域では内燃エンジンの4スト250より元気かも。
「出力感は、モーターならではの低い速度域からパワーが出るものの上では一定となる」というのはこのストーム・ビーもほぼ同じですが、ストリートではあまり気にならないかも。峠やサーキット走行で高い速度域を常用しない限りアクセルに対して素直にパワーを発揮し、ナチュラルです。
あ、ミッションはないのでクラッチ操作はなくオートマチックです。
最高速度ですが、スペック表では約110km/h。一般国道での試乗だったので本気の最高速度は試していませんが、100km/hというところでしょうか。距離があればもう少し伸びるかも。いつかサーキットやダートコースで乗ってみたいです。
内燃エンジンと同じような出力感、とは言えないですが、慣れてしまえば気にならないかも。いい意味で普通!!
ちなみに、ストリートではエコモードで充分。ストップ&ゴーの多いストリートなら、かえってスムーズで乗りやすいように感じました。電力消費も少ないし。
※ターボモード、スポーツモード、エコモードの3タイプ。バックもできるみたい。試さなかったけど。
◾️スペック
▲車体重量は約130kg、パワーは定格出力10KW、最大出力が22.5KW。最大トルクは520N.m!。下のライト・ビー(原付二種)と比べるとわかりやすいかも。ちなみにHONDA CRF250Lの最大出力は18kWです。
ストーム・ビーのスペック表だけではちょっとわかりにくいですよね、なので比較対象として原付二種の登録となるLight Bee/ライト・ビーL1e-C(表の上)と、公道走行不可の競技用のXのスペック表(表の下)も。こちらの車両なら「乗ったことある!」という方も多いかも知れません。
◾️カスタム
▲見た目、タイヤがやや細めですがジョンイットの原田さんの好みだそうです。Fが3.0インチ幅のリムに120、Rは3.5インチの140。僕もあまりワイドなのは好きじゃないです、動きがもったりするのが好きじゃない。ダートも走りにくくなるし。スプロケはFが13でRは48に(STDは52丁)。あ、タイヤはピレリのディアブロスーパーコルサSP。サーキット走行も行っていたそうなのでそのままのようです。試乗したのは12月末の寒い風の強い日、いくら走ってもタイヤはあたたまらない感じだったので、深いバンクは試していません。広い駐車場的なスペースで、低い速度での8の字走行は試してみました。ナチュラルでとても乗りやすいです。低い速度域だとスポーツモードはやや走りにくいみたい。最低でも30キロは出ている状態が続くような走行時に向いているようです。ダートでも走ってみたいです。
◾️電動バイクは、世界選手権が日本で開催。E-XPLORER WORLD CUP 2024 Round1
2月の中旬、大阪万博記念公園で電動バイク世界選手権2024が開催ラウンドが開催されました。コースはモトクロス的なコースでダート+ジャンプ+フープスと言うモノ。世界のメーカーとチームが集まって戦いました。
世界選手権というとSXのような華やかなコース&ステージを想像されるかもですが、この電動バイクシーンは始まったばかり、ここから徐々に大きくなっていくのだと思います。SXも生まれたばかりの70年代後半は参加型だったし、お客様も少なかったんですよ。それを徐々にお客様に見に来てもらう工夫を行って10年弱で利益の出るイベントに成長させました。
電動ビークルはもう普通になっていくと思われます。クルマはもう普通ですよね。電動バイクも同じです。今回のストーム・ビーはサーロンのライト・ビーやウルトラ・ビーの兄弟車両で、パワーとそれに合わせた足回り組み込んだ仕様です。
この開幕ラウンドに勝ったマシンは実はホンダのCR ELECTRIC PROTOではなく、STARKというメーカー。もう販売されていますから、購入も可能みたいです(日本には輸入されていませんが)。
▲HONDA CR ELECTRIC PROTO。HRCの作った電動モトクロスマシンです。名前の示す通りまだプロトタイプで、販売はまだまだ先のようです。全日本MX選手権の最高峰クラス(IA-1)でトップ争いを演じていますからかなりの仕上がりのようです。電動バイクはもう普通になってきています。し、むしろ高性能な仕上がりです。
▲STARKという電動モトクロスマシン。かなり速いです。日本には輸入代理店がまだなく国内には車両はまだないのですが、ぜひ乗ってみたいです。
▲この開幕ラウンドに勝ったマシンは実はホンダのCR ELECTRIC PROTOではなく、STARKというメーカー。もう販売されていますから、購入も可能みたいです(日本には輸入されていませんが)。写真はウィメンズのトップ争い。左がSTARKです。この電動選手権では男性も女性も同じマシンを使います。
▲JMX 2023 Round8 OFV大会から。ホールショットを決めたのはホンダのCR ELECTRIC PROTO。ギアはなくオートマチックです。左グリップにレバーはありません。
photo & text / KRAZy
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