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2022.11.15

毎月15日はCMの裏側から/「シズル」

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■ 毎月15日はCMの裏側から/「シズル」-15.Nov.2022- 

今回のテーマは「シズル」です。

 

KRAZyウェブマガジンは、アパレルデザイン&デザインのKRAZy DESIGNで発信しています。このKRAZy DESIGNのデザイン部門は広告企画が主な業務です。CMとかポスターとかの内容を考え、制作しています。
Panasonic、TOYOTA、SUNTORY、アサヒビール、サッポロビール、JT日本たばこ、Monster Energy、ヤマハ楽器、ミツカンなどなどを担当させていただききました。主にブランディングが目的の仕事が多かったように思います。

 

■シズル / それっぽさ・本物感

 

デザインや広告表現においてよく使う言葉がこのシズルです。意味は「それっぽさ」とか「本物感」でしょうか・・・。

 

「それじゃシズルがないなぁ」とか「それはシズルがあるね!」なんて感じで使います。
主に写真や映像などビジュアルについて使うんですが、コピーや企画に対しても使います。表現においてとっても重要なコトかもと思っています。

 

■シズル/マーケティング用語解説 Ferretより

 

「シズル(sizzle)とは、揚げ物や肉が焼ける際の「ジュージュー」と音をたてる意味の英語で、そこから転じて、消費者の感覚を刺激して食欲や購買意欲を喚起する手法を意味する語になりました。また、最近では瑞々しさや新鮮さ、その商品の魅力やセールスポイントなど幅広い意味で使われています。」
なるほど〜・・・とてもマーケティング的な解釈です。by KRAZy

 

食べ物(焼き)

 
 

■シズル感/Canon写真用語集より(抜粋)

 

「シズル感とは、もともとは広告写真(とくに料理写真)の現場で使われたみずみずしさを表すことばです。たとえば、湿度の高い部屋で冷えたコップに飲料を注ぐと、たくさんの「水滴」がコップの表面に付着します。飲み物をおいしそうに見せ、シズル感を演出する際に欠かせないのがこの「水滴」。 本来の「シズル(sizzle)」の意味はステーキなどの肉がジュージューと焼けて肉汁がしたたり落ちている状態をいい、そこからシズル感というようになりました。」
こちらは写真という立場からの用語解説です。by KRAZy
 

自然の風景(光2)
▲「朝」もしくは「1日の始まり」をシズル感のあるビジュアルで表現できないか?と考え、こういう写真もありかなと考えたカット。朝日のビジュアルよりも朝っぽい?朝日って夕陽にも見えるんですよね、写真だと。

 
親子で参加
▲遊びの後の満足感やその楽しさを表情で表現できないかな?と考えたのがこの写真。少年の本物の笑顔と汗、これも「シズルのある」のひとつかなぁ・・・

 

このシズルって、表現においてはとても重要だと感じています。よくできた表現はその商品や対象(人物でもなんでも)の持つシズルをきちんと表現しているようなんです。具体的には、それはある時間帯(夏の早朝とか、秋の夕暮れとか)だったり、季節だったり、光だったり。PEPSI-MANはCGですが、ペプシ特有のシズルを表現しているように思います。原始人が主人公のカップヌードルのCM「hungry?」シリーズも。

 

■シズルがある、ない。

 

缶ビールの写真を撮るとします。
工業製品としての缶ビールであれば、そのまま撮ればいいわけです。パッケージデザイン、色がきっちり写っていればいい。クルマも同じです。
(つまりトップの缶ビールのような写真ですね)
 

「これ飲んでみたいなぁ」とか「なんだか美味しそう!」と思わせたい場合はそれではダメ、工夫が必要です。
例えば缶の外側に水滴をつける…
と冷たいビールに見えてきて美味しそうに感じます。

 

もう少し凝るなら、夕陽直前の時間を思わせる光の中、テーブルの上に置かれた缶ビール。
缶には水滴がついていて、それが少し垂れていてテーブルクロスが濡れている。背景はピンボケだけど青い空と入道雲…
缶は逆光ではあるけど、テーブルクロスからの反射光で缶のラベルは見えている。

 
というシーンも、なんだかビールがおいしそうです。こういうのをシズルがあると言います。

 

「シズルがない」の例は
その缶ビールを、スタジオでただ撮っただけの写真です。この写真は間違いじゃないけど、なにも感じない写真です。
あ、この写真がダメということではないです・・・シズルがないだけです。

 

これは飲み物だけじゃなく、全ての対象に当てはまります。アパレル(ファッション)も白いテーブルの上に広げて撮る、マネキンが着ているのを撮るより、誰かが着ていた方がシズルがあります。そのシーンが実風景であったり、ある特定の時間が表現されていると、より一層シズルが出るように感じています。

 
 

プリント
▲アパレルも白いテーブルに広げて見せるとかマネキンに着せるより、素敵な方が着ている方が魅力的に見えます。

 

hsj-2
▲その考えをどんどん進化させていくと、その物が見えなくてもいいんじゃないか、という考えも生まれてきます。でもデザインがわからないジャないの?という場合は、よくわかるカットを追加で見せればいいのでは。というアイディアも出てきます。

 

■写真やビジュアル以外でもシズルは大切みたいです

 

コピーも同じです、たぶん。
単に説明してるだけの文章か、
その商品や対象のもつ魅力を感じさせ、共感させることができる文章か、
というのがあるように思います。これは僕の周囲だけかもしれないけど…。

 

企画にもシズルがあるのと無いのがあるように思います。良い企画にはその商品や対象のシズルがあるように思います。先輩たちの名作を見てて思うんです。

 

いくら人気のある記事や情報を作れたとしても、ただ下世話な内容だからであったり、このシズルを外していると、正しくその対象を表現していないことになり、間違った印象やイメージを広めるだけになるような気がしています。

 
 
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質問ご意などお気軽にこのアドレスへ→ kondo@krazy-web.com
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