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2021.12.25

毎月25日はCMの裏側から/「本当に伝えたいことは言葉を使わずに」

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■毎月25日はCMの裏側から/「本当に伝えたいことは言葉を使わずに伝える」ではどうやって伝える?-25.Dec.2021- 

今日は久々の「CMの裏側から」です。すいません、いつもサボってて(汗。

 

KRAZyはKONDO designが企画運営しています。
このKONDO designの本業はCMなどの広告の企画と制作です。その広告についてのお話をここでは少し。

 

広告って秘密が多くってあまり実態は知られてないですよね…。なぜ秘密が多いのかというと、企業のその営業方針や商品の戦略、つまり内側というか実態を知ってしまうため公けには言えないことが多いからなんです。ここでは問題にならない程度のことをお話させていただきます。

 

今日の話題は「広告の本当の目的や伝えたいことは、言葉を使わずに伝える」です。

 
 

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■本当の目的、伝えたいことは言葉にしない。

 

ではどうやって伝えるのか?それは感じてもらうことで伝えていきます…。

 

というか「これ買って」とか「この商品はここがいいんです」って言っても、それはただの自慢になっちゃうし、逆にそんなの誰も聞かないですよね。反感買うだけだったりします。

※通販の場合は、安くするということで売って行きます。あれは売り上げは一時的に上がるんですが、自転車商業になりやすく、また信頼(ブランド)が生まれない。

 

例えば「この服はかっこいいですよ」とファッション広告の中で言っても説得力がないですよね。
ましてや「この服はアクティブでセクシー、体のラインが強調され、あなたの男らしさ女らしさを強調してくれます」と説明するのなんてもってのほか。
それは、その服のデザインですでに表現されているわけで、それを言葉にしなければならないのであれば、その服のデザインが失敗してるということになります。

 

お笑いで「ここが今回の笑うところです。○△□○□○△○□△という意味で面白いわけです」と説明はしません…。これと同じです。

 
 

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■ビール類は90年代後半以降は女性に売ってきた。

 

例えば、ビールやビール類の広告は「女性のあなたにも飲んでほしい」と伝えたい。実は伝えたいことの半分はこれです。
最近のCMは必ず女性がでていますよね。男性と女性が一人づつ、もしくは男性が多くても必ずと言っていいくらい一人は女性です。もしくは女性だけか。
以前のビールの広告には女性は出てきませんでした。主に男性の飲みのもだったからです。

 

でも、男が飲むだけでは売り上げに限界が来ます…。では、どうしたか?

 

人口の半分は女性です。なら女性にも飲んでもらおうと考えたわけです。90年代のハナシです。もしこれが可能になれば、お客様が2倍になるわけです。

 

でも当時は、女性が自ら買うという文化も習慣もあまり一般的ではありませんでした。

 
 

海岸草原のベータ

 
 

そんななかでも広告でビール類を飲んでいる女性の姿を描き続けると、見慣れるからなのか徐々に常識がかわっていきます。
しかし「女性の皆さんのためのビールでもありますコレは。なので飲んでください」とは言えない、いろいろあって(いろいろと規制があるんです 苦笑)。

 

ペンギンズ・バーっていうビールがありましたよね、以前。
また、アニメのペンギンが出てくる可愛いCMもありましたよね、かなり昔だけど。
あの仕事をやってたわけじゃないから、正確なことは言えないけど(てかやってたらもっと言えない。苦笑)、そういうことです。

 

瓶じゃなく缶ビールが一般的になったこと、コンビニでもかえるようになったこと、などもあって徐々にこの常識が変わっていきました。

 
 

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自分は会社員時代からビールやお酒の仕事をいっぱいやってきました、飲めないのに(苦笑。S社もA社も、あ、もう一つのS社も。K社は新商品のプレゼンしかしてないなぁ。あまり具体的には言えないけど、目的の一つは「女性にも好きになってもらうこと」でした。なので家族とかカップル、、もしくは人を使わずもっと普遍的なことで表現したりしていました。

 

見てるうちに勝手に感じてしまう、というか受け取る側が自ら発見した、と思ってもらように作っていきます。

 

■クルマも女性をターゲットにしてきました。

 

実はクルマも90年代以降は女性、というかママにアピールしてきました。ファミリーカーは特に。

 

ミニバンと言われるジャンルのクルマはほぼママがターゲットです。ママが「いい」と言わなければ買わないし、車種も決定しないことがわかったからです。

 

最も有名なのは初代ステップワゴンです。「こどもといっしょにどこいこう」のコピーでデビューしたアレです。絵本のようにこどもたちがピコピコ動く、そんなCMでした。とにかくトーンがかわいい。テーマは四季折々の遊びです。

 

夏の海、晩夏の夜空、秋の落ち葉、そして雪遊びなどなど。つまり「こどもとの四季折々の遊びを実現し、楽しい記憶や思い出を作る道具」としたわけです。

 
 

ケンジイリエフォトアート

 
 

遊びには荷物はつきものですから、荷物がつめるクルマの方がいいですよね。Xマスツリー運んだり、キャンプ用品運んだり、セダンより夢が広がる。運転が何々とか、何人乗れますとか、何々が積めます、と説明するより欲しくなります。広告って、基本的に皆さんは見たくないものですから、エンターテイメント性も多少は必要ですから、この絵本のような広告は非常に効果がありました。それまでのクルマの広告とは全く違う内容であり、トーンでした。

 

 
ちなみにこの広告で本当に伝えたいことは

「このカタチがこれからのファミリーカーです」

だったそうです。

ここからミニバンという車種が生まれました。この言葉が生まれるのはもっと後ですが。

 

この広告はとてもよくできています。アートディレクターは佐藤可士和さん、コピーライターは鈴木聡さんです。鈴木聡さんかなり上の先輩で、サントリーで一緒に仕事させていただきました。ものすご〜〜く勉強になりました。可士和さんは同じ会社の後輩です。入社したての頃を知っていますが、当時から凄かった(笑。とにかく考え方がとてつもなく新しい。ずば抜けたデザイン力があるけど、あえてそのチカラを封印する、ということもやってました。

 

テーマから外れますが「巧さを隠す」実はこれがとても重要なんだと思います。技術や巧さは、伝えるための手段でしかないのかもしれません。落語やお笑いでもそうですよね。本来表現とはそういうものなのかもしれません、自慢が見えたり、巧さを感じさせると受け取る側がヘリくだっちゃう。伝えたい内容より、巧いなぁと思わせてしまったらそれはコミュニケーションロスなのかも。「なんかいいなぁ」という巧さはいいんでしょうけど。

 
 

ドリフトモンスター

 

ちなみに、ペプシマンって昔ありましたよね、あの広告が伝えたいこと、達成したいことは「飲めないほどの量を買ってもらう」かも…(隣でやってたんだけど、でも自分はスタッフじゃなかったから詳しくは知らないんです。てか知ってたら書けませんが)。実際、大人買いの方がいっぱいいて、1週間で10リットル20リットル買っちゃう人も多くいらっしゃいました、ペプシマンのあの人形が欲しくて。これで売り上げを一気に伸ばしたわけです。目標の「今までのン倍の売り上げ、コカ・コーラに肉薄」をほぼ達成しました。でもそんなことをコピーで言ったらミモフタモナイ・・・笑。言わずに伝え、感じさせ、目標を達成したわけです。

 

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質問ご意などお気軽にこのアドレスへ→ kondo@krazy-web.com
KRAZyは情報の無料発信にこだわっています。発行責任者:近藤正之/KONDO design

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