2017.12.05
毎月5日は '今月の一行' /「こってりに見えてあっさり」
今月の一行「こってりに見えてあっさり
ここ最近というよりは、かねてから理解に苦しんできた一行です。
ラーメンの世界で昔から多用される常套句でして、おもに九州とんこつや
背脂系のラーメンを紹介する記事で出てきます。
こってりした食べものは、こってりした見た目。
あっさりした食べものは、あっさりした見た目。
それで何の不都合があるのだろうか。見た目と違う味がする、
そのことに、いったい何の意味があるのか。
そんな疑問を持っていたわけです。
しかし必ずそこには理由があるはず。最近、透明なミルクティーが
発売になりました。これもまた「なんでそんなことをする必要が」と
思ったのですが、知り合いがSNSに「中学生の娘が、これなら授業中
飲んでも先生に怒られないと言っている」と書いているのを見て、
なんと自分は狭量だったのか、といたく反省したことがあります。
セロハンをはがしてしまえば、確かに水にしか見えない。なるほど。
このシリーズ、昨日コンビニでレモンティーも発見しました。
確かに僕が中学生だったら喜んで授業中に飲むだろうと思います。
さてそこにきてこの「こってりに見えてあっさり」です。
この一行が成立する背景として考えられるのは、
①あっさりした見た目の食べものを食べるのはよろしくない
②こってりした見た目の食べものしか選択できない
③見た目と質感が一致した食べものはよくないとされている
といったことが考えられるわけですが、おそらくかつての九州が
②のような状況だったのではないか、と考え始めました。
東京も20年くらい前は飲みの後の〆と言えばラーメンくらいしか
選択肢がなく、今のように夜お茶だの深夜の板蕎麦だのなんてことは
不可能でした。六本木であれば、天鳳に行って135を食べる。
赤坂であれば赤坂ラーメンに行く。どういうわけか、飲んだ後は
こってりとしたラーメンを食べないと「締めた感じがしない」と
皆が口を揃えていました。そういうもんだ、ということになっていました。
その風潮に違和感を感じていた人たち、特に女性陣に、こういった
こってりに見えてあっさりな店が受けたのではないだろうか。
酔っ払って舌がバカになっている男性陣は、どうせどこに連れて行っても
「このコッテリが飲みの後には最高だよな」とか言うに違いないので、
そういう店が重宝した、という話だったら理解はできる。
しかしシラフだったら、別にそんなこと気にしないでもいいはず。
普通にあっさりしたラーメンを食べればいいのではないか。いや、
あっさりラーメンではあっさりしすぎで、こってりラーメンでは
コッテリしすぎなので、そういう店に行くということなのか。
それはそれでわかる。しかしターゲットのゾーンとして狭くないか。
いや、その「狭そう」という感覚こそが間違っているということか。
こってりしたラーメンは罪悪感が強いが、その罪悪感がいくらか
軽減される、というのもありそうだ。コカコーラ・ライト的な何か。
だったら水を飲め、だったらラーメン食うなという杓子定規では
解決しない人々の煩悩に応えているというのは、あるかもしれない。
しかしいろいろ考えてはみるのですが、さっきのミルクティーの
ような「なるほど!」な結論に辿り着けないんです。そんな都合の
いい「なるほど!」が存在しないということなのでしょうか。
書き始めたはいいけれど、書き終わりをどうしたらいいかわからず
大変に困っております。さらに、こんなことを考え始めたために、
手持ちの仕事もストップしてしまい、困っています。こってりに
見えるラーメンを食べて味があっさりしていたら、拍子抜けする
のが普通なのでは、という先入観が間違っているのだろうか。
考えても考えてもわからない。いったいあれは、何なのですか。
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林 裕 Yutaka Hayashi
神奈川県鎌倉市出身。1995年慶應義塾大学環境情報学部卒、同年株式会社博報堂入社。2011年独立し、株式会社クラブソーダ設立。主な仕事に、田辺製薬「一本いっとく?」、CCJC「大豆ノススメ」、NTT東日本「エヌ山くんとティティ川くん」、SIREN:NT「羽生蛇村を求めて」、AKB48「前田敦子とは何だったのか?」、サッポロビール箱根駅伝「抜いてみろ。抜けるものなら」、海街Diary「家族を捨てた父が、のこしてくれた家族」等
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