2022.12.20
CYCLING A GO GO / 「御殿場オリンピックモニュメントを巡りで記録が伸びたぜィ」 Vol.06
CYCLING A GO GO / サイクリング ア ゴーゴー Vol.06
「御殿場オリンピックモニュメントを巡りで記録が伸びたぜィ」by チャガラ-20.Dec.2022-
KRAZyコンドーは以前、広告代理店に勤めていたことがあります。そのとき、隣のチームにいたのが天才アートディレクター「大貫卓也」氏です。代表作は「遊園地としまえん」や「ペプシマン」や「hungry?」などなど。としまえんのポスターや広告は世界でも有名な作品となっています。
そのとしまえんの広告の営業を担当していたのがこのMr.チャガラさん。このレポートを書いている方です。
そのMr.チャガラさんが自転車界の仕事を始めたとか・・・ってことで、Mr.チャガラさんの自転車レポ始めます。毎月20日はこの連載の日です。では早速♫
■オリンピック・レガシーという言葉、知っとるかい?
11月下旬のある週末、HighAmbition(ハイアンビション)女子サイクリンクアカデミーが静岡県御殿場でサイクルイベントをやるというので、軽自動車に自転車を積み込み新東名高速を制限速度で飛ばして行ってきました。
HighAmbitionは、Mr.チャガラも活動をサポートしている国際女子ロードレースチームで、アカデミーはその下部団体。この日は富士山も午前中に少しだけ見えた曇り空でしたが、それはサイクリング日和でもあります。御殿場市は東京オリンピックの自転車ロードレースのコースにもなった場所。オリンピック・レガシーを味わうことができます。味わうのはレガシーではなくてお菓子なのではないかという説もありますが、この変な感じの英語は、IOCが使い始めた言葉です。「オリンピック競技大会のよい遺産(レガシー)」という意味合いのようですが、解説を読み込んでいくと「オリンピックの経済環境などへの良い効果」と読み取れます。確かに御殿場市のオリンピックコースは魅力的です。後で走ります。
途中高速の雨の中を走りつつ御殿場に到着すると、午前中は自転車に乗らず御殿場高校で行われているサイクルイベントを覗きます。これは予定通り。
富士山はこの後、雲隠れしたんぢゃ。御殿場高校の体育館でこの日の最初のイベントがあったのだな。ちなみにファンライドの後、夜に愛知県春日井市の居酒屋さんに行ったらカウンターの隣の人が何と御殿場高校出身で、スナップ写真を見せたら「あ、母校だ!」「この先生、知ってる知ってる」と言ってただ。当たり前か。それにしてもすごい偶然ぢゃな。
■WAO! プロ直伝のサイクリングセミナーをやっていた
高校の体育館の中に入っていくと既にスポーツウェアを着た高校生たちが熱心に講師の話を聴きながら、自転車を漕いでいた。でも自転車は体育館の中を走っていない、なぜならばズイフトをやっているから。ズイフトは自転車とネットを繋げてさまざまなロードコンディションをシミュレーションしながら走行体験できるソフト。いや、もっとすごい。世界中の人と一斉に競争して記録を競うこともできる。自分がどんなパワーでペダルを踏んでいるかも、スピードも表示される。参加していたのはハンドボール部の高校生でみんなズイフト初体験。ちなみに御殿場高校ハンドボール部は静岡県代表で全国大会に進出するレベルのアスリート達なのだ。
自転車の後輪を専用のメカに変えて、スマホにコードを繋ぎログインするとモニターの中はどこかのコンペティションコース。ロードコンディションや坂道の負荷はメカの磁石でコントロールされ、どんどんツーリングの世界に引き込まれていきます。写真の右側ではたくさんの高校生チームメイトが踏ん張りを見つめています。
HighAmbition女子アカデミーの選手も生徒たちの前で模範を。プロサイクリストの指導、地元FM局でパーソナリティもやっているチームGMはMC、そして元日本代表はサポートという万全の体制だったのだ。
イベントのメインゲストは、佐野淳哉選手で元日本チャンピオン、現マトリックスパワータグ所属プロロード選手です。「40歳で現役はすごいですね」と言ったら「もっと上の人もいますよ」と涼しい顔。自転車は生涯スポーツです。楽しむことが継続の秘訣でございます。
体育館ではレースに向けたメンタリティや目標設定、アスリートの身体づくり、自転車レースがどんな感じなのか話しつつ、ズイフト体験で高校生をどんどん追込みチャレンジのバーを上げていきます。坂道で更に踏み込ませていきます。スポーツという共通言語は目標に向けて一瞬で心に火をつけるマジック。入れ替わり立ち替わりズイフトチャレンジは進んでいきます。県内有数のハンドボールチームだけあって反応がビビッドです。つい、「眩しいなあ〜」と戻らぬ日々を想い感傷に耽るMr.チャガラでした。
▲佐野選手自らもバイクにまたがりズイフト実演。▼最後はみんなで記念撮影をおこない午前中は終了。
■人生とはリミットを超えていくことなり、リンリン♪
午後はいよいよSUBARU LEVORGのサポートカー付きのファンライドです。前の日は雨で中止になるかもしれないという連絡を受けていましたが、イベント業務経験者はいつでも臨戦体制で準備は怠らず、傘は持たず!です。サイクリングフルセットを車に積んで参加しています。実はMr.チャガラはこの日まで多くの人と走る集団走行は未経験で、1回の距離も15Km以上走ったことがない超超超初心者状態。連載6回目なのにそんだけ?!という声も聞こえてきそうですが、神様、私は正直者です。隠し事ができない性格でございます。
御殿場市の集合場所にファンライド参加者が集まり、いよいよ出発になります。今回はサポートライダーとプロメカニック、サポートカーが帯同して、本格的な体制です。参加者も初級者から中級者という案内でしたが、実際初心者はMr.チャガラだけで他の皆さんはかなり走り込んでいる人たちばかりです。
▲出発直前の様子です。この後どんな感じでファンライドは展開されていくのか、全く見当がつかないまま、ついていくしかありません。初めての時はドキドキしますね。でもこの感じ、嫌いではありません。
▲出発前の記念写真です。今回は撮影スタッフも帯同し、参加者は走りを十分に楽しめる環境がお膳立てされています。
■御殿場市でサイクリングするというのは、サイクリングをたっぷり堪能すること
クルマやトラックがビュンビュン走るロードは怖い。しかしここ御殿場はサイクリングに最適でクルマがあまり通らない、気持ちよく走れるコースを設定できます。この日も参加メンバーが1列に、信号も少なくクルマも少ないルートを選んで走りました。平坦なところもありますが、やはり富士山の麓なので長い上り坂も急な下り坂もあります。そんな地形の変化を楽しみながら、走るのもサイクリングの醍醐味。
今回一番の初心者ライダーは、Mr.チャガラ。約30kmを一緒に走ります。
モリコロパークのサイクリングコースもアップダウンが結構あるから距離が倍になる程度かなと、そんな気楽なイメージで望みましたが、最初から希望的観測は希望に過ぎないことを実感します。まず、上り坂が長い。他の人はスイスイ行けてしまいますが、ビギナーにとっては苦行の入り口で、「まだ平にならないの?」と自分に知らずに問いかけますが、答えのないままペダルを漕ぎます。優しい参加者のかたが的確なギアチェンジのアドバイスを後ろから教えてくれたり、心が折れそうな頃合いに声をかけてもらったりで、ひとこぎひとこぎ上っていきます。上るのは身体だけでなく心もアゲアゲになります。サイクリストは自転車好きに優しい、とギネスワールドレコードホルダーの遠藤さんが2回前のコラムでもお話しいただきましたが、本当にその通りです。
▲この時はまだゆとりの表情ですね。素敵な仲間に恵まれたサイクリングです。
▲このモニュメントの後ろの坂は心臓破りの急な坂(通称:オカムラ坂)で、東京オリンピックではタイムトライアルのコースになっていたのだ。この三角のポーズは富士山をイメージしています。モニュメントにはマイバイクを置いて記念撮影ができますヨ。
■リメンバー、オカムラ坂!
御殿場市のあちこちが東京オリンピックの自転車ロードレースのコースとなったところです。オカムラ坂は、本当に急な坂。坂を上がり始めてギアチェンジのタイミングがつかめず一旦降りてすぐに漕ぎ出そうとしましたが、そこからはミリも先に進むことができず一旦坂の入り口まで戻ります。体制を整え再チャレンジで坂に臨みました。少し走るとすぐに坂の厳しさを感じながら、遅くても根性で乗り切るぞ!と鼓舞しつつ、結局進むことができず下車です。他の人たちはしっかり坂を登れているので、経験とフィジカルの差がここで出ます。坂の途中から自転車を押して上がりますがこれすら気合が必要です。オカムラ坂の挫折、Mr.チャガラはリベンジを誓うのでした。
▲オカムラ坂を登りきれば、そこからは気持ちいいダウンヒル。春は桜が綺麗な富士霊園前を通り、富士スピードウェイ、あとここはどこだ?! 御殿場市内には7つほどのモニュメントがあります。
▲こちらは御殿場市議会議員の永井誠一さん。NPO富士山ごてんばサイクリングプロジェクト(FGCP)のメンバーでもあり、「自転車のまち御殿場」を目指し活動をされています。今回、Mr.チャガラが集団に追いつけない中、優しく見守りサポートいただいた方のおひとりでございます。永井さんにコメントをいただきました。
「御殿場はオリンピック開催地でサイクリングには最高のロケーションです。ぜひサイクリングをしにいらして下さい」
▲朝から講師にファンライドに大活躍の佐野選手に自転車に興味あるエントリー層に向けてメッセージをお願いしました。
「自転車の喜びは、達成感、仲間、声でコミュニケーションができる、辛いことも楽しいことも仲間と分かち合える。ママチャリとは比較にならない景色の流れ、坂の辛さを乗り越えた時の自分の力でやり遂げること。こんなことができてしまうのがすばらしいですね。ぜひ一緒にライドしましょう」
佐野選手には冒頭の写真でも気さくに一緒に写っていただき、ありがとうございました。
Mr.チャガラも今回は走行距離の大幅伸長、坂の挫折、多くのサイクリストからのサポートをいただき、自転車の面白さ、限界突破を体感したとても素晴らしい貴重な1日でした。フィニッシュ後は「灰」になりました。
▲上りきれば本日のフィニッシュ、渾身のパワーを叩き出し駆け上がる。後ろで暖かく見守っていただいたメンバーの方は片手で余裕のライド。ロードの道は1日にしてならず、距離を積み重ねるのみ。でも終わってみれば、体内に溜まっていた悪いものが全て吐き出されたような清々しさがありました。翌朝の目覚めのいいこと!
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