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2024.07.20

CYCLING A GO GO Vol.25「都会でしか楽しめない、スマート・レンタサイクルを体験してみた」

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■CYCLING A GO GO / サイクリング ア ゴーゴー Vol.25
「都会でしか楽しめない、スマート・レンタサイクルを体験してみた」
-20.Jul.2024- 

 毎月20日は、相良さんことMr.チャガラさんのロード自転車の連載です。Mr.チャガラさんは僕が会社員時代の同僚(Mr.チャガラさんはデザイン界の巨匠大貫さんと仕事をされていました)。今は独立し自転車ロードレース界でスポンサーシップ・エージェントの仕事をされており、最近自分でもロードレーサーを購入しロード自転車ライフを楽しんでいます。

 

 そんなMr.チャガラさん、今回はレンタルチャリを体験。自分も一度借りたことあるんだけど、めちゃめちゃ便利なんですよね。夏は汗かくけど

 
 

1顔a

 
 

 愛知インバウンド協会という団体の会員です。Mr.チャガラは観光業はやっていませんが、ほんとは簡単なインバウンド向けのガイドをやりたいなあなんて思っています。コロナ禍が明けて円安の後押しもあって海外から史上最大級のツーリストが日本に押し寄せていますが、ここ名古屋では微妙な空気が流れています。「ナゴヤ・パッシング」(バッシングではない)という地獄の言葉があります。日本に来た海外の人が名古屋を素通り(パス)して他所にいってしまうという意味です。元々は外タレ(今風に言えば海外アーティスト)が東京で公演をやって名古屋に寄らないで大阪や福岡でステージツアーを組む話から来ていたと思います。いやいやいや、名古屋っていいとこいっぱいあるよ、という声が他所から来た名古屋在住者から聞こえます。多くの地元の人は、「ま、そんなもんかなあ」という反応か、「やっぱ、名古屋は下手なんだよねえ、、、」という主語も目的語も不明な感想が返ってきます。実際は、名古屋にも普通にツーリストいらっしゃいます。今回は、2日目の名古屋は何すればいいのという方に、日本人のあなたにご提案です。

 

■初めてのレンタサイクル、どうすればいいの

 

 初めて名古屋に来た人を迷いなく案内できるのは、名古屋城、熱田神宮、徳川美術館、そして人によってはジブリパーク。栄あたりでひつまぶしか味噌カツ食べれば一応満足か、という旅行ガイドブックの答え合わせですね。翌日は犬山城と鵜飼いをみてから岐阜の飛騨高山白川郷に向かう、というパターンはやめて是非もう1泊名古屋に。お客さん、旅は地元に近づいて初めて思い出になるんですよん。
ということで、自転車に乗れば地元感覚の時間のはじまりはじまり~。ネット検索すると名古屋には4つほどのレンタサイクルサービスが出てきます。その中の町中でよく見かける赤い自転車の2社を紹介。

 

2-7スマホ画面

こちらはCharichari。スマホで調べて、こんなに自転車生活が簡単に楽しい!という雰囲気で紹介されています。実際にアプリをダウンロードして個人情報登録しました。

 

8-13 スマホ画面

そしてこちらはドコモ・バイクシェア。地域によってサービス名が違っていてアプリダウンロードの際、戸惑います。名古屋のサービス名はcariteco BIKE。こちらも登録しました。

 

 同じようなサービスなのになぜ2社も選んだのか?それはみなさんも自転車専用置場(ポートと呼ぶ)を見ると1台もない場所とかありますね。アプリで事前に借りられる自転車がある場所を探すことはできるけれど、マップを見ると「0(ゼロ)」と書かれている場所も多いのでより自分の利用に便利な場所にあるかどうかは選択肢が多いほうがいい、ということです。では、なぜ3社4社目は登録しないの?といえば、そんなにたくさんインプットするの面倒くさいからぢゃ。選ばれるのはせいぜい上位2社まで!なんてマーケティング業界でもっともらしく言われていますが、外れではありません。あの方にも教えてあげたかった、なぜ1番でないといけないのか。

 
 

14-16 スマホ画面

左ふたつはCharichariとcariteco BIKEの名古屋駅周辺の利用可能台数。ゼロだらけですね。朝検索すると周辺地域に利用可能台数が多いです。多分前の晩飲みすぎて電車がなくなってタクシー代より安いレンタサイクルを選択したのでしょう、経済合理ですが厳密には道交法違反です。一番右の地図はサービスエリアの周辺部に近いナゴヤドームのある大曾根駅というところの拡大図。結構ありますね。

 

 今回のサイクリングのコンセプトは「2日目の名古屋観光、レンタサイクルでどこに行く?」です。レンタサイクルの良いところは、自転車を乗った後に借りた場所に返さなくてもいい、という乗り捨てプランが魅力です。ちなみに中国のシェアバイク事業は利用者がみんな本当に乗り捨ててしまったので新ビジネスで大盛り上がりした後、破綻しました。
 2社登録したうちどちらを利用するかは、料金設定も違うのでチョイノリでいくか、長めに借りるかで利用料が結構かわります。コスパ、タイパを意識する人はじっくり比較ね。この日は、「郊外のホテルに泊まった人が市内のレンタルポイントに来て、名古屋市内のおいしいところを縦断して自転車を置いて最後飲みに行くNHK朝ドラ好きの観光客」という設定でサイクリング開始。結局、大曾根駅に6台も電動アシストバイクが選び放題だったのでcariteco BIKEにしました。

 
 

17レンタチャリ

やや、雑に突っ込まれていますが、多分充電整備した車両が届いたばかりなんだろうと、好意的に解釈。初めてのレンタサイクル体験を開始します。一番充電量のある自転車をアプリでチェックして選びます。
 

18かご

乗った瞬間にすぐわかる、バスケットの便利さを。ロードバイクにはバスケットつけないのでこんな便利なものがあるなんて!ととてもうれしくなります。まだ乗ったばかりなのでアシストバイクの電源を入れなければならないことに気がついていません。

 

19-20大曽根駅から

大曾根駅から名古屋鉄道瀬戸線沿いに走っていくと鉄道の側道が車のあまり通らない緑多い道になります。この道は本当に気持ちいい。公園の入り口には気になる精霊の焼き物も。

 

21-23 高架下

瀬戸線高架下は東京東横線中目黒高架したと同じようなスペースの活用です。スタートアップオフィスを中心に地域の新しいサービス拠点の開発です。瀬戸線と大きな道路が交差するところは歩道・自転車道が緩やかなスロープの立体交差になっていて気持ちよいノンストップ・サイクリングです。

 

■NHK朝ドラ「虎と翼」のロケ地に向かう

 

 Mr.チャガラはNHK朝ドラを30年以上見ています。15分間の中に凝縮した展開を必ず盛り込むので毎回気持ちを持ってかれますが、興奮が濃密な分ストーリーを忘れるのも早く昔のドラマを思い出せません。よく職場に間に合っていたと思いますが、考えてみたら毎日フレックスタイム制を自主的に導入していました。今オンエアされている「虎と翼」は名古屋ロケも多いのだ。

 
 

24顔+赤煉瓦

「虎と翼」は法定ドラマ的な要素もありますが、ここ名古屋市市政資料館は旧名古屋控訴院・地方裁判所・区裁判所庁舎というリアル裁判所です。実際の裁判室も残っていて、多分ここでロケしたんだよなあという雰囲気あります。あれ?既視感がある人、正解です。2023年4月のサイクリング・ア・ゴーゴーでもちょっと紹介しました。今回は中まで入ってレポート。

 

25-26古い館の中

もともとここはたくさんのドラマのロケが行われてきたところ。中央階段のステンドグラスとコリドーが素敵です。

 

27-28古い館の中2

広い歓談室のクラシックな感じが素晴らしいです。建物入り口の天井の照明とモールディングのデコレーションが西洋建築の様式美を今に伝えています。

 

■かつて日本製洋食器を輸出して莫大な財を築いた人の館

 

 名古屋市政資料館から自転車で少し行くと橦木館(しゅもくかん)があります。ここも前に案内しましたが今回は芸術イベントを館内全体でおこなっていて、眺めるだけの観光客以上の体験をしていきます。

29-30-31

橦木館にはCharichariのポートがありました。クルマの駐車場はありません。橦木館の外観は洋館ですが奥は完全に日本建築の和洋折衷な作りです。当時のしつらえが大事に残されています。

 

32-33-34

わーい、わーい、ドラゴンさんだあ!この龍の畳は山田憲司さんの作品で、現代の環境にマッチした新しい畳の在り方を模索されているかたの作品です。畳の形状や向きでさまざまな表現ができます。オーダーメイドも受け付けているようなので、「山田憲司 畳」で検索するとその世界に触れることができます。それにしても、肥満上等は自由に龍と戯れているネバー・エンディング・ストーリーなのだ。許可を得て撮影しています。

 

■畳の違法性?!について研究されている方とお話ししたぞ

 

 薄っぺらでキャッチ―なタイトルですみませ~ん。正確には「畳の異方性」です。畳は向きによって光の加減や素材の形状の作用で見え方が変わります。それが異方性です。こちらは慶應義塾大学理工学部情報工学科の杉浦雄太研究室で「LIFESTYLE COMPUTING」を研究している北村さん。同じ色の畳を光の反射だけで色を変化させる、コンピュータ制御で畳の向きを変えて映像を繰り出すマジカルなパフォーマンスを作り出しています。静止画だとその面白さが伝わりにくいですが、例えば延々波のようにゆらゆらするサーフェスを作り出したりもしています。

 
 

35

丸い畳の向きをコンピュータとモータで制御してデザインを描き出す装置。全て同じ模様のはずなのにデザインが見える面白さ。こちらは研究のための装置ですが、アートの可能性を感じます。

 

36ミュージシャン

プロミュージシャンによる、お座敷ジャズもなかなかに素敵。ステージ直前の風景。<Try-B>

 

■橦木館と合わせて二葉館も入場券を買うと割引といわれて、つい共通観覧券購入

 

 大正時代に「日本の女優第1号」と言われた川上貞奴の居住していた建物、今回は中に入ってみました。ステンドグラスに囲まれ、ゆとりある空間、ウッディなフロア、クラシカルなシート。かつて名古屋の財界人を広くこの家に招待し、大きなプロジェクトを持ち掛け、未来を夢見ていた場所。もっと前に中に入っていればよかったと感じます。

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和洋折衷建築の中に見えるのは、レトロスペクティブ。私たちが何気なくレトロという言葉を使うときに、ただ古くて懐かしいというだけではなく、日本ではそこに西洋文化や新しい科学技術のインスパイヤの名残を無意識に感じている気がします。

 

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こんな空間に大正から昭和の初めにかけて日夜訪ねてきた人たちがいる。西洋風の様式を取り入れつつ、後ろでは床の間や畳のある空間もあって、先端と和の伝統を融和させてそれぞれの特徴を生かすアプローチは、今を生きる私たちにも何かヒントがあるような気がします。

 

■文化のみちエリアから、中心部の栄にサイクリング

 

 和洋折衷の邸宅エリアから南の方に移動していくと人々が集まる栄エリアに行きます。途中車があまり通らない道を選びながら、その地域に住んでいる人のようにスイスイと走っていきます。名古屋のテレビ塔の中部電⼒ MIRAI TOWERは今年開業70周年、そしてゴジラも70周年ということでこんな企画を見に多くの人が来ています。

42-43-44

人気の老舗ジャズ喫茶ぢゃ。テレビ塔はちゃんと直立していますよ。栄で目立つ観覧車、実は奥の三越の上に栄の元祖観覧車が見えます。先端のエリアに再び改造中の栄は同時にレトロの残る町でもあります。

 

■そしてさらに南下して大須観音、大須商店街へ

 

 栄から南下していくと大須エリアに行きます。東京から名古屋に来た時にMr.チャガラはこの大須エリアに触れてある種の郷愁を感じると同時に、人でも多いけれどくつろぎを感じたものです。浅草的な空気感もあります。

 

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大須観音様は人々の信仰を集めるパワースポット。多分、ここは他例を見ないシャッター商店街からの大復活劇。

 

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サイクリングの翌日に東京からの親方風の友人を連れて大須グルメ三昧の写真。これを全部食べるのはやりすぎ感ありだけれど、大須の魅力を堪能するにはやりすぎる程度がちょうど良し。これではまさに肥満上等。

 

■今回の設定はNHK朝ドラのファンなので、最後にまたロケ地訪問

 

 大須商店街から東に走っていくと、鶴舞公園(つるまこうえん)があります。JR鶴内駅の真ん前です。そこはやはり「虎と翼」のロケ地で、なかなかクラシカルな雰囲気を感じます。

 
 

52チャガラ+チャリ

53-54-55

このロケスポットの両側はものすごい数のフードトラックが出店しています。そんな楽しみもある鶴舞公園。

 

56ノリステ

レンタサイクルの利点は乗り捨てができること。大曾根駅でピックアップして、名古屋市内を走り、イベントにも参加して、最後は好きな場所に自転車を返却。サイクリングって、本当にいいですね。

 

終わり

 

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