2024.11.20
CYCLING A GO GO Vol.29「フェンスの向こうのサンクチャリーに行ってきました」
■CYCLING A GO GO / サイクリング ア ゴーゴー Vol.29
「フェンスの向こうのサンクチャリーに行ってきました」
毎月20日は、相良さんことMr.チャガラさんのロード自転車の連載です。今回でなんと29回目!
Mr.チャガラさんは僕が会社員時代の同僚(Mr.チャガラさんはデザイン界の巨匠大貫さんと仕事をされていました)。今は独立し自転車ロードレース界でスポンサーシップ・エージェントの仕事をされており、最近自分でもロードレーサーを購入しロード自転車ライフを楽しんでいます。
そんなMr.チャガラさん、今回は「サンクチャリー」にお邪魔。ついでに山へ。・・・てか、そこ歩いてるじゃん!というツッコミはなしで。
ではでは
■フェンスの向こうのサンクチャリーに行ってきました
前回のサイクリング ア ゴーゴーで、航空自衛隊高蔵寺分屯基地の高座山(たかくらやま)ハイキングをスケジュール帳にメモメモなんて言っていたら、まさにそのハイキングの日が到来し、寝不足の身体に鞭打ち健康サイクリング&ハイキングに出発。ジトっとした目つきは決して二日酔いではない、断じてない。出発地点の高蔵寺駅から航空自衛隊高蔵寺分屯基地までは小さな丘をひとつ越えていく程度の距離なので、果たしてサイクリングと言える活動なのか? Mr.チャガラ自身も多少の疑問を感じつつサドルにまたがり、サイクリストらしくない格好で地元でいうところの「爆弾山」に向かうのでした。そう、今日はハイキングがメインの1日になるのです。食べ放題か~、いや、それはバイキング。
■自衛隊の基地は普段は部外者立ち入り禁止の特別ゾーン
通常立ち入り禁止の場所は、機会があれば入ってみたいと思うものです。神社の特別参拝やお祓いで普段のお参りではいけない場所に正装の人たちが入っていく姿を見ると、うらやましい気持ちがこみあげてきます。コンサートのアーティスト楽屋も一般人が入ることはないし、スーパーマーケットのバックヤードもそこで働いている人しか基本入れません。バーのカウンターの向こう側もお客さんは立ち入ることがないし、変な話、トイレも男性は女性トイレに入らないし、その逆もありません。航空自衛隊高蔵寺分屯基地が一般に開放されるのは年に2回。1回は今回の高座山ハイキングで、もう1回は夏の盆踊り大会です。
この基地の空間感はどこかで感じたことがあるな、と似たような感覚のある場所を頭の中を探ってみたら、インドネシアのゴム農園が思い出されました。プランテーションを管理する上級マネージメントが生活する特別なゾーンで、広めのコロニアルな住居とテニスコートや体育館が、フェンスで普通のエリアから隔離されています。まさにゆとりに満たされた空間がフェンスと巷からの距離感で守られているという世界です。入り口にはガードがいて守っています。日本では入り口にガールがいるのはだいたいコンセプトカフェです。
■まずは基地の皆様に不審者と思われずに、ニコニコ入場
普段足を踏み入れられない場所にはいれるとなると、緊張と間違ったテンションで挙動不審になるのではないかと心配になります。実際、現在のAI監視カメラの技術ではその人がこれから悪いことを起こそうとしているかどうか予測できてしまうといわれています。昔。成田空港でセキュリティチェックを通過して米国系航空会社の飛行機に乗ろうとしてチケットを提示したら、横に行くように言われて手荷物を念入りに銀の粉でポンポンとたたかれて、得体のしれない機械に採取したサンプルを入れてグラフみたいなものをプリントアウトされて職員に顔をしかめられます。勿論、Mr.チャガラはシロです。でもその時は犯人予備軍扱いです、航空会社の担当者に笑顔はありませんでした。
ところがここ航空自衛隊高蔵寺分屯基地は隊員の皆さんが暖かくビジターを迎え入れてくれてフレンドリーです。きっと危ないものはありません。この場所には何もないということが最大の国家機密なので、どうか内緒にしてくださいね。
■本日の目的地は高座山の頂上
本日の攻略地点は前にそびえる高座山ぢゃ。このエリアは昔から人が住んでいて、ネット上のマップを見ると「高座山第1号墳」「高座山第2号墳」とか出てきます。きっとこの山の中にはまだ発掘されていない古墳があるのではないかと思うのはMr.チャガラだけではないはず。ロマンです。山登りはすべて舗装された道なので、難なく登れます。と言いながら普段の運動不足の体には厳しく、翌日には筋肉痛が出るってどれだけ運動していないの?とツッコミながら、筋肉痛を喜ぶ自分がいます。
■そしていよいよ高座山の頂上
高座山頂上には何らかの軍事施設があり、その建物の屋上が今回の最高地点。この地域はきっと1500年前には尾張地方の語源になっている尾張氏が大和朝廷と関係を持ち、数々の古墳を残し、また謎を私たちに残した。頂上に立ってみると庄内川をはさんだすぐ向こうに見えるのは、東谷山(とうごくさん)。東谷山の頂上には前方後円墳がありその上に神社が建てられています。この高座山もひょっとしたら神秘の山なのかなと頭をよぎります。普段は部外者立ち入り禁止なので、すでに神秘の山ですね。
END
■ここからはコンドーの余談。
NHK嫌いの方には「すみません!」と最初にまず弁解。コンドーの好きなテレビ番組の一つに火野正平さんの自転車番組の「こころ旅」があります。「トーチャコ」ていうアレです。ナレーションがぜんぜん入らないのが好きなんです。ただただ自転車で田舎道を走ってるだけ、というシーンもあります(音楽は入ってますけど)。今のテレビ番組ってやたらナレーションが入ってるような。なんかアレ、説明的で・・・。あ、ナレーションそのもが嫌いなわけじゃなですよ、ただ多すぎじゃないかなぁって。海外のドキュメント番組ではナレーションがまったく無いってのもあって、だから撮影も編集も難しいと思うんだけど、味わい深くていいんですよね。わかりやすい表現ばかりの日本だからかなぁ、わかりにくさもいいなぁって思う。
で、この番組はロード自転車で日本を旅するんですが、ロードバイク(ロード自転車)の番組でもあるんです。でもロードバイク好きじゃない方でも楽しめる内容なんです。そもそも主人公の火野さんのコスチュームがロードバイクのじゃない。スタイリストさんがいて、ロードバイクカルチャーとは全く関係ない衣装を用意してるんですよ。上手いなぁって思いました。あんまり専門的な内容になっちゃうと、そのジャンルのファンしか見ないというものになっちゃうんですよね。
Mr.チャガラさんのこの連載も徐々にファンがふえてきていて、今はロードバイクに乗らない方も読んでいらっしゃるみたいなんです。このほどほどの距離感がいいのかもしれません。勉強になります。
てかさ、Mr.チャガラさんは会社員時代、営業だったんです(同じ会社に勤めていました。広告会社です)。制作(クリエイティブ部署)をうまくコントロールする営業でした。だけど、コピーライターとかCM担当とかにも向いていたのかなあぁと思ったりします。あの会社、そういう人が多かったような・・・。
<追記/11月20日>
ここで書いた「こころ旅」の主役だった火野正平さんが11月14日に亡くなれていたそうです。あのちょっと女好きで、いい加減で(だからなのか、番組にウソがない感じがする)、でも撮影には何が必要かをわかっているからいい映像が撮れるように動いていた、そういう火野さんが好きでした。サントリーのCMでお父様役をやられていましたが、あれも良かったなぁ。テレビドラマの時代劇にはなくてはならない存在だったし。
ご冥福をお祈りしたします。
ホントにEND
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