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2020.10.01

Supermoto Japan 2020 R3 奈良名阪 / S1 OPEN クラス

0表紙

 
 

■Supermoto Japan 2020 R3 奈良名阪 / レースレポ S1 OPEN class-29.Sep.2020- 

 最多となる全25台がエントリーしたS1 OPENクラスは、トップライダーとして注目を集めアジアでも活躍してきた#300高山直人選手をはじめとした半数ほどのライダーが今シーズン初参戦。一方でチャンピオン獲得の可能性を持って参戦したライダーもおり、混戦が予想されました。

 

 朝の公式練習は前日とコンディションが変わっていたこともあり、多くのライダーが慎重に走ります。トップタイムは#38加藤将貢選手の1’22.313。1’23.950を出した#40佐々木啓之選手が2番手、1’24.412で#34山下知晃選手が3番手と続きます。

 

 今回の奈良/名阪ラウンドはS1 OPENクラスのみ1レース、S1 PROクラスとS2クラスは2レースの開催となるため、他のクラスとは予選の方式が異なります。タイムアッタクの結果で決まるのは5周で行われる予選ヒートのグリッドで、決勝のグリッドはこの予選ヒートの結果によって決定されます。本来であればこの予選方式が主流なのですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響でレース数が大幅に少なくなり、2レース開催のラウンドが増えたため、今シーズンはこのスタイルの予選実施は初となりました。

 

 タイムアタックでは#300高山ナオト選手が1’18.118を叩き出して予選ヒートのポールポジションを獲得。1’18.306で#40佐々木タカユキ選手が2番手、1’19.557を出した#38加藤マサツグ選手が3番手と続きます。

 
 

加藤マサ
▲全日本クラスルーキーながら開幕から好成績を積み上げてきた#38加藤選手。今回も予選3位を獲得し、フロンローを獲得。キャプションはすべてKRAZyコンドーです。本文は内野亜美。

 
 

■5Lapで行われた予選ヒート。

 

 1周目のダートセクションの前半部分で#4千葉智選手、#48星野浩一選手、#33中野広選手の3台が絡む転倒が発生したり、ダートセクションとターマックをつなぐ下りの入り口で何台ものマシンが詰まったりという混乱も起こりました。
この予選ヒートではポールポジションスタートの#300高山ナオト選手が圧倒的な走りを見せ、後続をどんどんと引き離していき、2位に10秒の差をつけてトップでゴール。決勝でもポールポジションを獲得しました。

 

 その高山選手に序盤唯一食らいついていたのが前戦九州ラウンドで2勝を飾った#34山下トモアキ選手でしたが、3周目、ダートセクションで前を走っていた周回遅れのライダーの転倒に引っかかり少し#300高山ナオト選手から遅れてしまいます。そしてその次の4周目、ターマックセクションに戻る下りで転倒、順位を大きく下げてしまい、20位でのゴールとなりました。

 

 この#34山下トモアキ選手との距離を着実に詰めて行っていた#40佐々木タカユキ選手が#34山下選手の転倒後2番手に立ちそのままゴール、2番グリッドを獲得します。3番手には朝の公式練習から調子の良さを見せた#38加藤マサツグ選手、4番手には#6三井正勝選手が入ります。ポイントリーダーである#9広瀬彰信選手は5番手。

 
 

高山顔1M
▲アジアでも戦いアジアとくに台湾に多くのファンのいる#300高山選手。トレードマークは300。WR250Xでの参戦以来長くHONDAで戦ってきましたが、今年から台湾+日本という国際的なチームとなりマシンはハスクバーナFC350。

 
 

■S1 OPEN 決勝

 

 参加台数が多いため予選ヒート同様スタート直後のダートセクション一部で渋滞が発生する可能性が。序盤で後方に下ってしまうとトップ集団との差が大きくなり、挽回するのが困難になることが予想されます。そのため、スタートが1つ重要なポイントとなります。

 
 

openスタート
▲決勝レーススタート。ホールショットを奪ったのは#300高山選手、続いたのは#40佐々木啓之選手。高山選手は1コーナーに合わせアウト側に車体を振り、その結果#40佐々木選手はその真後ろに。そのため、カメラからは見えません。高山選手のマシンは350cc、そのためスタートはや不利。#40佐々木選手はこのスタートで前に出ることを狙っていたように思います。しかし

 
 

 そんな中ポールポジションから華麗なスタートを決めた#300高山ナオト選手がトップに立ち、序盤から勢いのある走りを見せます。この#300高山ナオト選手は350ccのマシンに乗り(通常S1 OPENクラスのライダーは450ccのバイクで戦います)、さらにタイヤも通常のレース用のスリックタイヤではなく、自身が開発に携わった公道用の市販タイヤを使用するという大きなハンデ(に見えるもの)を背負って走っていますが、その状態で他のライダーより群を抜いて速く走ります。

 

 そして#300高山ナオト選手を追いかけるのは#40佐々木ヒロユキ選手。#300高山ナオト選手に少しずつ離されていきますが、自身も後続を大きく引き離し、2番手ポジションを単独走行します。

 
 

#2スタート前のイッキ
▲昨年までS1 PROクラスを走っていた#40佐々木タカユキ選手。優勝候補のひとりです。

 
 

 その後ろでは#38加藤マサツグ選手、#31高部充陽選手、#6三井マサカツ選手の3台が近い距離で走り、3位争いを展開。5周目のダートセクションで#6三井マサカツ選手が#31高部ミツアキ選手をパスし、#38加藤選手を追います。

 

 さらにその後方では#9広瀬アキノブ選手、#16水野彰久選手、#10増成誠二選手が6位争いを繰り広げ、その少し後方を#29中石昭選手が走行します。前半はこの順位が続きますが、7周目#10増成セイジ選手が#16水野アキヒサ選手を抜き、7位に立ちます。そしてそのすぐ後、二人の間に周回遅れのライダーが入ってしまい両者の差は広がり、#10増成選手は前を走る#9広瀬選手との差を詰め始めます。

 

 前方に目を戻すと、4位を走行する#6三井マサカツ選手はターマックで#38加藤選手との距離を詰めますが、ダートセクションで#38加藤選手がその差を戻すという攻防が繰り広げられます。この二人を追っていた#31高部選手は次第に遅れ始め、後ろの#9広瀬選手との距離の方が近くなっていきます。

 

 終盤は順位の大きな変動はなく、#300高山ナオト選手が今シーズン初参戦ながら圧倒的な速さで優勝。2位にはこちらも今シーズン初参戦、レースを通して順調に後続を引き離し、単独走行を続けた#40佐々木タカユキ選手が入ります。#6三井選手の猛追を振り切って#38加藤マサツグ選手が3位に入り、初表彰台を獲得。#6三井マサカツ選手が4位でレースを終えました。少し離れて#31高部ミツアキ選手が5位でゴール。ポイントリーダーの#9広瀬アキノブ選手は6位となり、チャンピオン獲得は次戦、最終戦に持ち越しとなりました。#10増成セイジ選手は#9広瀬アキノブ選手にあと一歩及ばず、0.6秒差で7位に入りました。

 

■S1 OPEN Result

 

1/ #300高山直人
2/ #40佐々木啓之
3/ #38加藤将貢

 

■S1 OPEN シリーズポントランキング

 
1/ #9広瀬彰信・・・68pt
2/ #38加藤将貢・・ 54pt
3/ #23納冨桂・・・ 43pt
4/ #34山下知晃・・ 40pt
5/ #45大場和樹・・ 40pt

 
 

高山コーナリング1K
▲勝った#300高山ナオト選手は今年いくつかのチャレンジをしています。マシンはあえて排気量のやや小さな350cc。→パワーよりコントロール性重視のよう。タイヤは自ら開発した、モタードにも適した一般公道用タイヤのIRC RX03 Spec R。→バイアスタイヤであり、価格はスリックタイヤの半分以下。そしてチームは台湾と日本のミックスという国際チーム。多くの海外のファンが現地から応援しています。海外にもいる多くのファンとサポーターの応援が#300高山選手の活動資金にもなっています。→アジアに眼をむけることで、多くのファンを獲得できることを証明しています。これはモトクロスやエンデューロなど、他のジャンルでも活用されていくのではないでしょうか。国内のスポンサーが増えていきにくい状況下、新しい挑戦だと感じています。

 
 

加藤マサ
▲3位に入った#38加藤将貢選手。将貢と書いてマサツグと読むそうです。新しいスターが生まれました。最終戦はホームコース、期待大です。KRAZyの選ぶルーキー・オブ・イヤーの候補のひとりです。

 
 

佐々木タカユキ
▲2位に入った佐々木啓之選手。今はなき松山氏のMotoWestの看板を今も背負って走っています。山梨を代表するスーパーモトライダーです。

 
 

 今回のレースは先ほども触れたように参加台数が非常に多く、10周のレースでは周回遅れとなるライダーも多数いたため、上位を走るライダーはそのライダー達をどう上手く避けるか、といったところもカギとなりました。また、全体の半分近くを占める今季初出場のライダーが活躍する一方で、フルエントリーしているライダーや菅生・九州ラウンドで上位を走っていたライダーが苦戦している場面も多く見られました。

 

 現時点でチャンピオンの可能性があるのは#9広瀬アキノブ選手と#38加藤マサツグ選手の2名。最終戦となる次戦、愛知/美浜ラウンドではそのチャンピオン争いも見どころの一つになるはずです!

 
 

■次は最終ラウンドとなる愛知/美浜サーキット

 

コロナウイルス感染症の流行の影響で今年は4ラウンドのみの開催となり、早くも次戦が最終戦となります。10月18日、SUPERMOTO JAPAN Round4 愛知/美浜、是非楽しみにしていてください!

 

S2 クラスも明日アップの予定です。少々お待ちください。

 
 
レポート/内野亜美
写真/クニオカキイチ 前田朔

 
 
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KONDO design / 近藤正之
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