2022.07.03
SUPERMOTO JAPAN 2022 R3 福島 / S1 PRO
■スーパーモトジャパン2022 Round3 福島 / S1 PRO-02.Jul.2022-
SUPERMOTO JAPAN 2022 R3 福島が6月12日、福島にあるエビスサーキットで開催されました。
ここはS1 PRO クラスのレポートとなります。
S1 PROとは日本のMFJスーパーモト選手権/スーパーモトジャパンの最高峰にあたり、450cc(2ストなら250cc)のモトクロスマシンで戦います。
タイヤはロードレースで使うスリックタイヤ。フロントは16インチまたは16.5インチ、リアは17インチを使います。
サスペンションはモトクロスよりストロークの短く、動きの遅いタイプになります。車体によってはかなりロードレースよりの仕様のマシンもあります。これはロードセクションでのタイムを稼ぐことが目的のようです。
スーパーモトはこのところダートセクションが短くなってきているため(※)、ダートセクションを考慮する必要がなく、ロードレースマシンに近づいているのかもしれません。
かつてもてぎ大会であったような深いフープスがあれば、もっと動くサスペンションが必要となりオリジナルなライディングが必要となるのかもしれません。
※短くなってきている理由はいくつかあると思われます。・元々ダートを長くできないサーキットだから。・ダートを長く設定するとその分土がアスファルトに出ることになり、清掃の費用が嵩むから。・ダートが多いと参加者が減る傾向にあるから。特にチャレンジクラス(地方選手権のこと)にその傾向が強い。全日本もその傾向は多少あります。などなど。このまま行くとターミネーターのような末路を迎えるのではないでしょうか。ダートが少なくなる傾向はお客様本意とも言えるわけですが、お客様本意が正しいとは限らないような気もします…。
■まさにクロスオーバーといった戦いとなった雨のRound3福島。
今回のダートセクションも以前と比べれば短いものの(以前は高さのあるジャンプなどがここエビスにはありました)、ここでドラマがおき、今までとは違う選手の活躍を見ることができたように感じました。
また、雨というコンディションがここに加わり、よりタフでハードな戦いになったのかもしれません。
観戦に来られたお客様には過酷な観戦だったかもしれません。が、逆にこのようなレースはなかなか見ることはできないとも言えます(雨で辛かったけど、レースは面白かった!となっていたら嬉しいなぁ。お客様はこれ以上減ると、エントリー費は上がります。それは盛り上がりを阻害します・・・長い目で考えると、当然なんですが観戦のお客様は大切です)。
それがこのS1 PROクラスでも現れたようです。
■#1日浦PP獲得するも怪我のためレースはキャンセル。
タイムアタックでPPを獲得したのはチャンピオンの#1日浦大治朗選手。ですがそのダートセクションでクラッシュし、以前から痛めていた膝を再び痛め急遽病院に行くものの走行は不可能となりレースをキャンセル。
代わって優勝候補となったのは#2長谷川修大選手です。現在ランキングトップ。#2長谷川選手はモトクロスはIB、ロードもIAというスーパーモトのための選手と言っても過言ではない選手です。
▲#2は長谷川修大選手。現在ランキングトップ。ロードも速く、ダートも速い、なおかつ雨も得意!
■Race1 勝ったのは#2長谷川修大。そして
PPのいなくなったRace1に勝ったのは#2長谷川シュウダイ選手。雨も得意、ダートも速く、ロードは当然に速い、大差での勝利となりました。ポイントランキングトップの座を固めます。
2位に入ったのは5番グリッドからスタートの#6小原堅斗選手。このダートセクションで追い上げ2位に。今年は開幕からすっかり表彰台の常連に成長。
3位に入ったのは#7吉田雄一選手。
▲2位に入った#6小原ケント選手。このエビスサーキットのダートは砂利の混じったグラベルというようなダート。ゆるく降りながらのほぼ直線。が、途中に緩いコーナーがありここをどう抜けるかがポイント。またターマックに戻る手前にシケンが設けられており、ここはフルブレーキング。そのため、路面が大きく荒れています。やや降った先の荒れたダートでのブレーキング、非常に難しいです。ロードを速く走るためにサスのストロークは短い方向にある車体が多いわけですが(特にフロント)、こういう箇所が難しくなります※。今回はここでいくつかのドラマが生まれました。ダートが得意な選手はここのブレーキングでパスできるのです。が、かなりリスキーです。※ブレーキングでフロントが思い切り下がります。そこに荒れた路面なわけですからもう一度サスが動く必要があります。ロードよりに合わせたサスの場合、荒れた路面からのショックを吸収しきれなくなります。つまり大きく車体が暴れることに・・・最悪の場合前転、もしくはフロントから砕けるようなクラッシュとなります。速度は遅いものの、このような転倒ダメージが最も大きいと言われています。
▲今では数少なくなったスライドを使う#7吉田ユウイチ選手。ゼッケン7をつけていますが、実力はもっと上。昨年はスポット参戦のため7となっています。
1/#2長谷川修大
2/#6小原堅斗
3/#7吉田雄一
4/#5森田直樹
5/#17新沼伸介
6/#16松本和資
■Race2 #6小原初勝利。
レース2に勝ったのは2番グリッドからスタートした東北出身の#6小原ケント選手。
ダートセクションでトップを行く#2長谷川との差を詰め、並びます。まさにドッグファイト。地元岩手からの応援も多い中、トップ#2長谷川がダートでクラッシュ。代わって小原がトップに。#6小原はそのままチェッカーを受け、嬉しい嬉しい初勝利を上げました。
▲岩手出身の#6小原ケント選手、嬉しい初勝利を挙げます。目覚ましい急成長ぶり。
▲2位に入ったのは#7吉田ユウイチ選手。
▲クラッシュからのリカバリーに手間取り3位となった#2長谷川選手。長谷川はロードヘルメットにロードブーツというロードレースウェアのことも多い。
1/#6小原堅斗
2/#7吉田雄一
3/#2長谷川修大
4/#5森田直樹
5/#10中島俊介
6/#20広瀬彰信
■S1 PRO R3終了時点でのポイントランキング
1/#2長谷川修大・・127point
2/#6小原堅斗・・・121
3/#7吉田雄一・・・68
4/#5森田直樹・・・62
5/#1日浦大治朗・・58
6/#9西村泰樹・・・51
長谷川(三重/ホンダ)対小原(岩手/ハスク)という図式が見えてきました。どちらがチャンピオンとなっても初です。次世代のスーパーモトを支える若い選手です。
▲ジャンプセクションがなくなったとはいえ、グラベル状のダートセクションがレースを面白くした福島ラウンド。このエビスサーキットの熊久保社長はポツリと発言「来年はないかもね。モンクが多くて、社員が耐えられないよ」これが本当だとすると…
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