2018.09.21
スーパーモトジャパン2018 R6奈良 / S1 PRO / その2

■SUPERMOTO JAPAN 2018 Round6 Nara Meihan Sports Land レポートその2 / S1 PRO class
秋の連休の始まりの9月15-16日、スーパーモトジャパン2018 R6奈良が奈良県名阪スポーツランドで開催されました。この名阪スポーツランドは国道25号沿いにあり、中部名古屋からも関西方面からも近くアクセスしやすい会場です。全日本モトクロスも開催され、サンドのモトクロスコースといくつかのアスファルトミニコースがあります。
天気は早朝の強い雨があったものの徐々に回復し、昼には曇りときどき晴れへ。コースはウェットからドライとなりました。
今回のRound6はダートセクションが長く、アスファルトセクションとの比率は距離で言うと約5対5。タイムでいうとダートを走っている時間のほうが長いというコース。通常はアスファルト9にダートが1程度ですから(最近ロード系ライダーが強いのはこれもあるのかも。でもロード系のライダーもダートの練習してて、苦手意識はあまり無いんだろうけど)、今回はちょっと面白いレースになりそう。

▲レースもプロが走るのですから、楽しんでもらって多くの人に見てもらいたいなぁって思います。なのでお客様の笑顔は大切です。
■S1 PRO class
今日はこのR6のS1 PRO(エスワンプロ)のレポートになります。プロであり最高峰クラスです。
このようなダートの長いコースデザインとなったR6奈良、これを違う角度から見ると本来のスーパーモトに近いコースとなったとも言えます。そのためだけではないと思いますが、いつもは参戦しないライダーもスポットで参戦しました。
●#14のJAWSこと増田智義選手(静岡/東海 YZ-Fシリーズの4ストモトクロスマシンを開発ライダーであり、日本のスーパーモタードを象徴するライダー)
●#7川上よしふみ選手(熊本/九州 九州を代表するライダー。通称デューンさん。バイクショップ Dune★moto代表)
●#10三苫進選手(三重/中部 250ccクラスの初代チャンピオン。日本だけでなくアジアでも戦った。中部名古屋を代表するライダー)
3人ともベテランであり、各地を代表し愛されるスーパーモトライダーです。

長いダートセクションが今回のレース特徴なのですが、早朝の雨でダートの一部が沼のようなコンディション。
スーパーモトではロードタイヤを使います。しかし泥のなかではまったくその機能を発揮しません。てか、むしろ走りにくい。また、この泥がアスファルトにも運ばれるため、アスファルトも滑りやすくなり非常にタフなレースとなります。ブレーキングでフロントタイヤから滑ったり、コーナリング中はもちろんのこと、加速ではタイヤが滑り前に進まなかったりします。また、タイヤの温度も上がらないのでグリップ力も得にくいです。多くのチームがレインタイヤに追加で溝を切ったタイヤを選択しました。
昨日も書きましたがスタートはモトクロスと同じ横一列スタイル。モトクロスで使うスターティングマシンを使います。ダートでの加速はコツがあります。特にここのようなサンドでのロードタイヤは、路面にささらないためハンドルを取られやすい。
こういう状況ではダート系、つまりモトクロスやエンデューロライダーが有利と言えます。

▲日曜日の朝早く大粒の雨が降り、ダートの一部が溶けたチョコレート状態。もともとはサンドなのですが細かい粒子が混じっててこれが重く粘り気のあるドロとなりようです。長靴で不用意に入ると泥につかみとられ抜けなくなります。

▲朝一番の公式練習はこんな感じ・・・。17インチのロードタイヤではまともに走れません。
■前日走行を行なわない#14JAWS増田選手
レースは朝一番の公式練習から始まります。
1・公式練習 15分
2・タイムアタック 10分
3・レース1 20分程度 今回は13Lap
4・レース2 20分程度 今回は13Lap
こんな感じでS1 PROクラスのレースは進行。
多くのチームが前日のテスト走行やセットアップ走行しています。ですから選手はコースを把握し、タイムを出すためのいろいろな情報を持っています。
がそのなか、日曜の当日しか走らないという選手がいます。#14JAWS増田選手です。
朝の公式練習走行でコースを覚え、攻略ポイントを見つけ出し、タイムアタックに臨みます。これはかなりきついです。15分と言っても実際にアクセルをあけては走れるのは3ラップ目か4ラップ目以降・・・そう考えるとぶっつけ本番でタイムアタックに入るような感じです。

■タイムアタック
そのタイムアタックでトップタイムをたたき出したのは、その#14JAWS増田選手でした・・・。最終ラップでただひとり1分17秒台をたたき出します。
「最後の最後に、ダートセクションのあの左コーナーからのシケインでラインが空いてたんすよー(ニコニコ)」とJAWS選手。
『JAWSさんはなにをしてくるかわからない、底知れない速さがある。怖い存在』とライダーからは言われています。今回もそれを見せつけてくれました。
タイムアタック結果
1/ #14増田トモヨシ/ 1:17.957
2/ #1森田イッキ / 1:18.816
3/ #10三苫ススム / 1:19.636
4/ #2新井マコト / 1:20.591
5/ #4吉田ユウイチ / 1:20.944
6/ #23城取リョウ / 1:22.261
↑これはダートセクションの一部がドロ沼状態で非常に走りにくい状況でのタイム。
その後天気は一気に回復し、S1 PROのRACE1が行なわれる1130時にはかなり乾いたダートに変化。むしろアスファルトセクションに多くの土が出て、ベストライン以外は非常に滑りやすい状況となりました。
とは言えその最速ラインも滑りやすいです。ちょっとのミスで転倒や加速ミスにつながります。湿ったダートはもちろんのこと、アスファルトも丁寧なライディングが要求されます。といいうか決勝ではこのアスファルトエリアは非常に丁寧で繊細なライディングが必要とされると思います。わずかなミスが全てを台無しにする可能性も・・・。タフで緊張感のあるレースが予想されます。
こういうレースでは速さだけではなく、多くのスキルとタフさが必要になるように思われます。つまりベテランが強さを見せるレースです・・・。
■レジェンド#14JAWS 対 現役チャンピオン#1イッキの2人の戦い。そこに、
#1イッキ選手は東北代表と現役チャンピオンを背負い
#14JAWS選手は元祖モタードキングを背負って戦います。
そこに若き次世代の#2新井マコト選手、そして狼のような#10三苫選手、また他のベテランや次世代選手がどこまで食い込めるかというレースとなりました。

■S1 PRO class / RACE 1
横一線からのスタートでホールショットを取ったのは、タイムアタック1番タイムを出した#14AWS増田選手でした。
続いたのは#1森田イッキ選手。そして#28ベンバサット・ミッキー選手、#7川上ヨシフミ選手、#3金児シンジ選手、#2新井マコト選手の順。
トップ争いは#14JAWS選手と#1イッキ選手の2人。この2人は4−5秒以上速いタイムで周回をかさねます。
3位以下はめまぐるしく順位の入れ替わる展開。転倒やミスで順位が激しく入れ替わります。そのなかで健闘したのは#7川上選手。中盤まで3位をキープします。

トップ2人の戦いは#1イッキ選手の序盤のミスで一度差が開いたものの、その後追上げ、僅差のバトルとなります。見ているこちらも手を握りしめてしまうような戦いです。ワンミスで順位の入れ替わる距離のまま終盤にむかいます。
次第に周回遅れが目立ってきます・・・。ダートもアスファルトも走行ラインが1本のため、周回遅れを抜くもの難しい状況。
3位以下の争いに変化が。#10三苫ススム選手が3番手に、#2新井マコト選手がその後を追いかけます。
最終ラップのダートの出口、#14JAWS選手と#1イッキ選手の2人はぴたりと前後に並んだまま出ていきます。ここでしばらく自分の立っている箇所からは2人が見えなくなります・・・。

▲バックマーカーを巧みにかわしトップ#14JAWS選手を追う#1森田イッキ選手。
最終ラップの最終コーナー手前、トップは青いマシンの#14JAWS選手、追うのはイエローの#1イッキ選手。
チェッカーを最初に受けたのは#14JAWS増田選手でした。
#1イッキ選手は2位でチェッカーとなりました。
■RACE1 Result
1/#14増田 智義 / YZ450F /
2/#1森田 一輝 / RM-Z450 / SRF&FTR
3/#10三苫 進 / CRF450R / C.G.PHANTOMモトぼっち
4/#2新井 誠 / FS450 / CPsports Husqbarna長野
5/#3金児 伸二 / FS450 / Husqbarna長野
6/#28ベンバサット・ミッキー / FS450 / CP sports X Motozen X Husqbarna長野
ベストラップは#1森田イッキ選手の1:15.570
#14JAWS増田選手は1:15.734

▲いつもドラマを創り出します。記録より記憶のJAWSこと#14増田トモヨシ選手。獲物を追いかけるその走りがサメに似ていることからJAWSというあだ名で呼ばれるように。

▲スポット参戦ながら3位に入った三苫ススム選手。三苫選手をよく知る周囲の方に聞くと「自分に厳しいその姿はエムというよりエス」なんだとか・・・「自分が自分を追いつめている。主体は追いつめるほうなので、エムじゃなく、強烈なエス」

▲4位にとどまった#2新井マコト選手。アジアスーパーモトにも参戦中。現在ランキング3位。「ターマック速いねー!見てたよ。でもダートはもっと練習が必要だね」と元motoGPライダーがチームテントにやって来て言ってくれたそう。若手ナンバー1のライダーです。まだ20歳(あ、21歳になったのかな)。

▲5位は57歳の金児シンジ選手。こういうタフなレースに強い。モトクロスIAでもロードレースIA出身でもないストリート系のライダー。

▲6位に食い込んだのは#28ベンバサット・ミッキー選手。バイク用品輸入販売のあのmoto禅代表です。こうやって実戦で確かめた用品を選んで販売しています。今CRF450Lをモタード化した車両を制作中。もう少ししたら、専用サイレンサーができあがるみたいですよー。つまり・・・・そういうことです。乗ってみたいですね。年末のOVER ALL 10では少なくとも展示の予定。あ、そう!OVER ALL が美浜サーキットで復活しますよー! 面白い企画いろいろ考えチュー。ダースポさんも参加?
つーわけでレポが長くなったので RACE2 は次のレポートへ、つづくつづく(汗汗。
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