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2025.02.10

毎月10日はモタード Vol.09 /「4st 350cc MOTARD」

谷中さん350車体
 
 
■毎月10日はモタード Vol.09
「どんな命令でも言うこと聞いてくれるエリート学校卒のチョー優秀な部下 RR4T 350 MOTARD」
-10.Feb.2025- 

 毎月10日は「ちょっと気になったモタード車両を紹介します。できればちょっと乗ってみたりもします」の連載レポの日です。今日は9回目※。

 

 今回は4ストローク350ccモタードです。国産には今このエンジンの車両はないんですが、海外車両には存在します。今回はBETA/ベータの4ストローク350ccモタードです。

 

※この連載は昨年の後半は休んでいたんですが、2025年から再び始めます。8月10日以来です。

 

■BETA社のRR4T 350 
 BETAはイタリアのオフロードバイクメーカー。そのBETAのエンデューロバイクRR4T 350をモタード化した車両です。

 

 ベータはトライアルで有名なメーカーですが、近年はエンデューロで成功し世界チャンピオンも獲得、現在はモトクロス車両も生産し世界選手権にも参戦しています。

 

 国内ではベータといえば2ストが有名です、が個人的にはエンデューロ仕様の4ストがかなり好き。軽さでは2ストに負けるものの、「やわらかに発生するトルク」が素晴らしいと感じています。速い遅いとか、パワーがあるとかないとかではなく、出力特性が好みににあっているというか。初期の4スト400や、現行ならRR4T 390(390cc)などは、このトルク感がとてもいいんです。
 で、今回はその350です。

 

 ダートで試乗した時は「ややモトクロッサー的なアクセルに俊敏に反応するエンジン。中級以上向け、というか上級者むけ?」という感想でした。

 
 
車体カット3
 
 

 が今回、脚周りをモタード化しアスファルトで乗ってみたら全然違ってた、とてもいい!いろんな意味でいい=!!たぶん、誰でも乗りこなせるのでは?というか乗りこなしたくなる気にさせる、そんな車両でした。

 

 今回はレース車両だったため、サーキットで試乗させていただきました。茨城県坂東市にあるモーターパークイワイ、通称イワイサーキットです↓。

 

https://iwai-c.sakura.ne.jp/n1/

 

 

00車体カット
Beta RR4T 350改 MOTARD special / 4stroke 350cc エンデューロ用レース車両 セル始動
 

■BETA RR4T 350 MOTARD仕様 

モタード仕様の内容

・ベース車両は2022年型のBeta RR4T 350. これはエンデューロレース用マシンです。
・エキセルリム Front:3.50×16.5 Rear:5.00×17※RearホイールはCRF450R用を流用。Rearに5インチホイールを組むとサイレンサーにタイヤが当たるのでカラー製作し15㎜外側に。
・ミシュランSM(スリック) Front:120/75R420 Rera:160/60R17 
・Front:BRAKING 320㎜ディスク + モトマスターキャリパーサポート キャリパー、マスターはBeta純正(NISSIN) Rはノーマル
・ED仕様サスペンション Front:スプリング4.8→4.2N+油面下げ Rear:5.4→Kicksスプリング4.9N
・外装はポリスポーツのグレーにオリジナルTOYZ Raingグラフィック「Ace Garage 8」仕様
・他にZETAハンドガード、FastWayリンクガードなど。
・排気システムはスタンダードのまま 

 
 

谷中ライド
▲ライディングしているのはオーナーの谷中さん。サーキットを走行し、タイヤを温めていただきました。はい全日本スーパーモトのS1-OPENの選手です。昨年はM3クラス盛り上げのために、CRF100で参加。最近はクロスカントリーレースなども楽しまれているとか。この車両は元々このクロカン用だったそうです。なのでサスがED仕様になっていました。「この350ベータ、このモタード仕様もなんかいい感じみたいだから、これで全日本(全日本スーパーモト選手権)に出てみよっかなぁ〜」とも。
 

■BETA RR4T 350 

 インプレッションの前にこの車両のベースとなったRR4T350を少し解説しておきます。

 

 RR4T 350はエンデューロレース用のマシンで、モトクロス用より出力が抑えられています。エンデューロでは爆発的でエキセントリックな出力より、乾燥し切ったダート、グラストラック(草原)、ぬかるんだ土、滑りやすい石や沢などのいろいろな状態の路面をつかむ出力が必要となり、最高出力より出力特性に(パワーやトルクの出方に)重きをおいた出力をねらいます。このRR4T350はその性格がより強い性格のようです。

 

 車体の重さ寸法は他車と大きく変わりませんが(下にある2023年型のインプレレポートをご覧ください)、ややコンパクトに感じさせるのがベータの特徴。一世代前のベータの2ストは特にコンパクトに感じます。

 

 ちなみにこのRR4T350の排気量に近いRR4T390という車両もありますが、こちらはかなり穏やかな性格。排気量が大きいのでパワフルと思われがちですが、違います。豊かで包容力のあるトルクを求めての+40ccとしての390ccと思われ、個人的にはストリートでツーリングも含めて乗るならおすすめの1台と思っていました。レース用なのでシートは非常に薄いですが・・・

 

2023年型のRR4T 350のインプレッション、車両スペックはこちら↓ 今回の2022年型はこの2023年型とほぼ同じです。
http://www.krazy-web.com/custom/beta-2023-rr4t-350-パンチの効いたマシン/

 

350車体+ライディング
▲これは2023年型のRR4T350。基本的に2022と2023は大きくは変わりません。RR4T350については上記のレポートを参考にしてみてください。
 

■ミニサーキットでのインプレッション 

 先ほど「誰でも乗れるのでは?てか乗りこなしたくなる気にさせる!」と書きましたが、レース車両なので(エンデューロ用)高回転域ではパワーはあります。公道仕様車両に比べエンジンはアクセルに俊敏に反応します。なんですが、乗りやすいんですよ!あ、ここではWR250Xを基準に感想を書きます。

 

 インプレッションを一言で言うなら「250ccの軽さに、+100ccのパワーとトルクを加えたバイク」となるのですが、これなら乗らなくとも書けるのでもう少し違う角度から書いてみようかと思います。

 

 パワーモードは2タイプ、スタンダードとレインモード。アクセルに対してややマイルドに反応するのがレインモード。

 

 まずはレインモードで走行を始めます。これでも充分パワーもトルクもあります。が、非常にスムーズで滑らか。4st350ccのレーサーマシンという凶暴性はあまり感じられません。アクセルを開けたら、そりゃもう速いですけど。街乗りならこのモドがいいかもしれません。

 

 ここイワイサーキットはタイトコーナーの多いミニサーキットです。コースにも慣れてきたのでパワーモードをスタンダードに。

 
 
車体カット3
▲どこからみてもかっこいいです。軽快感を作るのが上手いのが最近のBETAのデザインの特徴かも。あ、実際に軽快ですけど。あ、そうです、シートが薄いんです・・・。レースようなので。これは試してみないとわからないですが、イタリアンハスクのSM250Rに以前乗っていました。これもシートは薄かったです、ここまでじゃないけど。しかし長距離300キロほどのツーリングでもさほどお尻は痛くはなりませんでした。座る位置をちょくちょく変えていると、比較的痛くはならないように感じます。サーキットで100ラップ乗ってもお尻は痛くならないのは、常に動いているからじゃないかなぁと。

 

 スタンダードモードにしてアクセルを開けてみると、パワーもトルクもWRの2回りほど豊かです。アクセルだけで簡単にフロントが上がります。が、低回転域中回転域では暴力的ではありません。モトクロスマシンもですが、最近のレーサーマシンは比較的マイルドな出力感の傾向にありますが、基本的には同じです。が、より一層マイルドに感じました。

 

 ただし高回転域ではレース用であり350ccと言うこともあってパワーはあります。WRに比べると比較にならないようなパワーを発揮します。今回のコースには中速コーナーや高速コーナー、その速度域での切り返しは試せませんでしたが、いつかこのような状況でも乗ってみたいです。

 

 いずれにしろ、モタード化されたことやサスが比較的よく動く仕様のため(※)なのか、フロントの接地感もしっかりあって(※)あっという間に自分のバイクのように感じてしまいました。 

※このRR4T350はエンデューロ仕様の車両でサスもそれ用になっていますが、この車両はより日本のエンデューロレースに合わせタサスにチューニングしています。
※フロントホイールをモタード化することで車体はやや前傾になります。また、初期が動きやすいサスもあいまってブレーキングで車体が前傾姿勢に入りやすい、そのためキャスター角が立ちやすくなります。結果的にフロントタイヤに荷重がかかりやすくなり、接地感がました可能性があります。
※この時代のベータはややフロントタイヤの接地感を感じにくい傾向があります。ただ、コーナリングの際シッティング位置を思い切り前に移動させることで(シートの前部まで移動)、これはかなり解消されます。

 

■レーサーマシンと公道仕様車 

 レーサーマシンと公道仕様車の最も大きな違いはそのパワーもありますが、シャーシやサスからの反応のダイレクトさ、つまり車両が伝えてくる情報量の違いのような気がします。レーサーマシンでは多くの情報があるからこそ、速く走れるように感じます。車両の限界や余裕がわかりやすいからです。

 

 レーサーマシンと公道仕様車とではレーサーマシンが上というイメージがあると思います。自分は、そうではないのかもと感じています。

 

 公道仕様車とはとてもうまく調教してある車両、そんな印象があります。オイル交換も1万キロでもOKだし、ブレーキ整備もあまりしなくても問題ない。場合によってはオイルが入ってなくても焼きつかないなんてことも。
「ある程度のことは現場で処理する優秀なスタッフ」という印象があります。大まかなことは伝えてくれますが、些細なことは自ら処理する。つまり安心して仕事をまかせることができる、てか放りなげておいてもまぁ大丈夫って感じ。

 

 一方レーサーマシンはというと「とにかくなんでもこちらに伝え、指示をあおぐ」。という感じです。これはこれでやりやすいです。トップがしっかりしていたら、上質な仕事ができます。が、トップがしっかりしていないと全く機能しないという欠点もあります。また、メンテナンスも大切。しばしば美味しいご飯を食べに連れて行ったり、充分な休暇を与えたり、給与もそれなりに・・・(笑)。しかし最高な相棒でありスタッフであることは間違いないです。

 

 つまりどっちが上ということではなく、存在が違うというか、やり方が違うというか。
 
 

車体カット ラスト

 
 

■「チョー優秀な部下、無理難題を言っても決して怒らない」 

 今回のベータ350モタードスペシャルはレーサーマシンですから、乗りこなすにはそれなりのスキルは必要であることは間違いありません。が、レーサーマシンにしばしば見受けられる凶暴性はなく、どこまでも品があるというか。

 

 4st450のレーサーの場合、トルクもあるためかマイルドな出力特性に変えていっても、ここまでの軽快感は出ないように思います。450はフル加速するのも難しく、また、持っているパワーをフルに活かすライディングも難しいです。しかしこの350は250レーサー以上のパワーとトルクも持ちながらも軽快でした。特に低回転域、中回転域がスムーズなのが素晴らしいです。

 

 感想をまとめるなら「どんな命令でも言うこと聞いてくれてなおかつ確実にやってくれ、いざとなれば突破力もあるエリート学校卒業のチョー優秀な部下」って感じです。あ、「多少のことでは怒らない品もある」というのもつけ加えておきたいです(笑。

 

 なんだかわかったようなわからないような、ヘンテコなインプレッションになっちゃったなぁ・・・。まぁでも「350ccのレーサーだけど、コレはいい相棒になってくれそう。つまり乗りこなせそう。いざとなればパワーもあるし。もしかしたらストリートも楽しめそう!」ってことでした。

 
 

近藤ライド
▲WR250Xに比べ、パワーもトルクも2回りほど大きいですが、柔らかに発生するためとてもコントロールしやすいです。BETA RR4T 350はエンデューロ仕様のレーサーです。そういう意味でも瞬発力のある出力ではなく、あらゆる状況の地面を掴むことのできる出力特性に。サスはSTDよりもより動く方向の仕様(俗に言う柔らかいという仕様)に変更ということもあって、初期がよく動くサスでした。今回のコースでは高速コーナーもないので問題なく、てかこのよく動くサスもちょうどいいかも(谷中さんとの体重の差もあるのかも。5キロくらいは違う?)。この時代のベータのサスは、時にフロントの接地感が薄いような印象がありましたが、これはなかったです(この時代のベータも思い切りシートの前に乗り、Fに荷重をかければ問題ないです)。あ、この写真は自分のライディングカットです。自分が乗っちゃうと撮る人がいなくなっちゃうので、自分のライディングカットってあんまり持ってないンですけど、この日はTOYZ RacingのSさんに撮っていただきました〜。あざます!!てか30年前のツナギがイタイなぁ、そろそろ新調かなぁ。
 
 
00車体カット
▲トレーラーに積まれて帰っていくベータモタード。トランポにバイクを積むって、やっぱかっこいいなぁ。

 
 

■これ、公道でも楽しいかも!ナンバー取得する? 

 この試乗の際、「このベータモタードを公道仕様にしてみよう。これは公道でも耐えられるし、かなり楽しいかも。コンビニにちょっと行く、ってことも気後れせずに乗れちゃう」と盛り上がりました。完成したらまたここで紹介しますね。

 

ベータジャパンさんのRR4T 350は現在RR4T Race 350と進化、その詳細はこちら。※2025年から、上級車種としてX-PROというのが存在しますが、これは以前のFactory仕様のようなタイプです。

http://betamotor.jp/?p=4692

 
 
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