2018.07.25
毎月25の日はCMの裏側から。その1「タレントさん」

■CMや広告と言えばタレントさん。なんだけど・・・。
毎月25の日は CMや広告についてのコラムを始めます。
KRAZy(クレイジー)は KONDO design で企画発行しています。
その KONDO design の本業は 広告企画や商品開発です。
CMの内容を考えたり、店頭の販売ツールやHPを考えたり、
たまには商品そのものの企画も行います。
おおまかにいうと「その商品の価値をお客様のココロに定着させ、長続きさせる」
っていう仕事です。
短縮すると「価値をココロに」です。
そこで、いつも感じるのは 広告ってものすごく誤解されてるなぁ ってことです。
「タレントって本当は使いたくない」
「新しいことは考えるけど、流行を追うことはない」
「その商品の強いファンを創り出すことを考えていて、売ることは2番目」
などなど・・・実はこんな具合。
若い方々がちょっとでも興味持ってもらって この世界に興味もってもらったり、
仕事量に見合ったお金をもらえるようになってほしいなぁと思い
このコラムを始めることにしました。
第1回はタレントさんについて。「ホントはタレントさんは使いたくない」

▲駅用ポスターB0サイズ. 困ってる顔が世界一似合う人ってことでハリソンフォードさんを使いました。ケータイ持って頑張るサラリーマンがテーマ。タレントさん使うときはできるだけそのタレントさんを使う意味を持たせたいなぁって考えてた。▲▲トップの画像も駅用のB0の2連のポスター。「タレントを使わなきゃなんないなら、思い切りタレント広告にしちゃえ!」って考えて、あえていっぱい入れた。またアイディアも入れずに極力シンプルに。逆ギレ?ww
■ホントはタレントさんは使いたくないンです・・・。
中森明菜さん(Canon Family Copia)
ハリソン・フォードさん(Tu-ka)
シンディー・クロフォードさん(Suntory VSOP)
島田紳介さん(Suntory Beer)
長嶋茂雄さん(日立 パソコン / SECOM)
などなど、多くのタレントさんやスポーツアスリートの方々と仕事をさせていただきました。
でも、本当はタレントさんは使いたくないンです・・・。
依頼主の企業さんが「どうしてもタレントを使いたい」という依頼から、つかわざるを得ない。というのが本音です・・・。会ってみたいというのは無いとは言いませんが、広告的にはあまりプラスが無いんです。どの制作者(※)も同じではないかもしれませんが、少なくとも僕の周辺にはそういう考えが強くありました。
※クリエイターのことを僕たち現場は「制作」と呼んでいました。アートディレクター、コピーライター、CMプランナーという職種がいます。

▲ポスター駅B0×2 / スーパードライは長いあいだタレントさんを使わずに広告をつくってきていました。落合信彦さんを一時的につかったり、D社にこの仕事がうつったとき海外の俳優さんを一時的に使ったことはあるけど、基本はタレントさんを使わずに商品価値をしっかり伝えてきました。このときは、営業やクライアントに負けちゃったてかなんていうか・・・汗。本当に自分に能力があれば、自分の正しいと考えた企画を依頼先の企業さんに理解してもらえるんだけど・・・汗。
■使いたくないその理由。
1)記憶に残るのが「●●(タレントさんの名前)の○○(商品名)」となるからです。
具体的に言うと「福山雅治のスーパードライ」という具合・・・。
福山さんが悪いわけじゃないンですよ、ちなみに。
スーパードライの価値は、
すっきりした飲み口でぐびぐび飲みやすい、
けどその一方で、しっかり飲み応えもあるビール。
また鮮度にもこだわっていて、
人の性格で例えるなら「誠実なビール」。
です。これが記憶されなくなっていくからです。
あ、「そんなのキオクしてないよ・・・」と感じると思います。
でも潜在意識のなかでは、ぼんやりだけど記憶されているようなんです。
例えるなら「●●のKRAZy」となるということ・・・。
●●さんが人気がなくなったり、イメージが変わると
それにひっぱられてKRAZyの価値も変わってしまいます。
それはとても困ります。
2)そもそも非常に費用がかかる。
タレントさんを使うとその費用はとんでもない金額になります。
安くても1000万円。高い場合は1億円!
もったいないです。
1商品の利益が50円だとすると、20万個売ってはじめて1000万円の利益です・・・。
実際、タレントをつかわずとも目的を達成するCMは創れます。
例)初代ステップワゴン、ペプシマン、Just do it(ナイキ)、iPHONE(アップル)、
あ、そうです!スーパードライも8割はタレントを使わずにここまでやってきています。
だから定番商品になれたと言われています。

▲TV CM 15秒 タレントさんも知名度に比べて非常に安いという方も。また数多くのCMにも出て一気に知名度をあげるという作戦のタレントさんも。
■誠実に、まじめにやらないと、結果にもつながらない。
広告屋って意外とマジメ・・・笑。
かなり厳しい課題を持たされ、またそこに億単位のお金が使われますから
誠実でなければ、二度目の仕事はありません。
また大きな仕事になればなるほど、多少のミスやトラブルはつきものです。
トラブルがあっても、日頃から最大限の誠実さで仕事をすることでミスにはならないことも。
「もどってきた撮影車両の車体に加工が施されていて売り物にならない」
なんて苦情をいただいたことがありました。
撮影車両は基本的に加工されます。企業の宣伝部の担当の方が経験がなく知らなかった。
でも苦情と言えば苦情です・・・。
が、日頃から誠実に、また最大限の努力を惜しまない、
という仕事ぶりを感じてもらえていたら
この苦情はミスではなくトラブルとなって消えてなくなります。

▲新聞広告15d(1page)
ですがタレントさんを使わない企業や商品もあります、LEXUSとかアップルなど。
その多くが外資系企業、というか世界的な商品です。海外では基本的にタレントさんは使いません。ブランド価値※が曖昧になるからです。
※ブランド価値:その商品の持っている価値のことです。とくにイメージ的な価値をさします。これが強いと価格競争に巻き込まれにくい。新商品を連発しなくても商品の価値を保てる。などのメリットがあります。ブランドということばが誤解されていますが、日本語で言い換えると信頼とか信用が近いのかなぁ。
■商品が主人公のCM、タレントさんが主人公じゃなく。
自分はできれば商品を主人公にした内容で、またロケにも行かず、スタジオで創り出せる表現にしたいなぁって思っています。
つまりアイディアだけでつくる・・・
でも、依頼してきた企業さんを納得できるようなのをなかなか思いつかないんですよねー(苦笑。
タレントさんが出ていると、タレントさん+商品となって情報がひとつ多いですよね。
ビジュアルで言うと「タレント with 商品」となり、タレントの印象が強くのこります。
商品が脇役になっちゃう。
でも白バックのなか、商品だけが出て来る内容で、それで表現が成立していたら
すごく効率のいい表現になりますよね。
タレントさんを使いたくないのはこういう理由もあります。
表現的にロスが多く無駄な情報がココロに残る。
実は僕はロケもいきなくない。
特に海外ロケってその風景がよければ、それだけで多くのひとの注意をひく内容になり、
アイディアは多少どうでもいいとなるから。
お金がかかるし、天気に左右されて時間がかかるのもいやだけど。
こんなぐあいに考えているから、アグ●さんから「コンドーさんは精神疾患だべさ」とか言われるのかなぁ・・・苦笑
でも、天才と言われる方※でも、もっともっと表現を追求しています。凡才はそれ以上やらないとねー。
※大貫卓也さん(ペプシマン、hungry?、TSUBAKI、Laforet他)、佐藤可士和くん(UNIQLO、初代ステップワゴン他)などの天才が同じ会社にいて、一緒に仕事していました。現代社会の広告やマーケティング、またデザインの世界でも天才と呼ばれる2人です。将来彼らの仕事は、学校の美術の教科書にも載ると思います。
CMや広告にはその企業の本音がみえかくれします。
つまらないメッセージやありきたりのメッセージ、
メッセージはいいけどカタチだけのところ・・・いろいろあります。
でも、正直に戦っている企業もけっこうあります。企業の大小は関係ないように思います。
そういう企業さんと仕事させていただくときは、こっちも幸せになれます。
正直にもなれますしね。
この企業さん(依頼者)のためならなんでもやれる!って思えます。
質問ご意などお気軽にこのアドレスへ→ kondo@kondo-design.jp
KRAZyは情報の無料発信にこだわっています。発行責任者:近藤正之
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