2024.05.20
CYCLING A GO GO Vol.23「名古屋の奥座敷、犬山のご城下で半世紀以上前の財界人のくつろぎを思ふ」
■CYCLING A GO GO / サイクリング ア ゴーゴー Vol.23
「名古屋の奥座敷、犬山のご城下で半世紀以上前の財界人のくつろぎを思ふ」-20.May.2024-
毎月20日は、相良さんことMr.チャガラさんのロード自転車の連載です。Mr.チャガラさんは僕が会社員時代の同僚(Mr.チャガラさんはデザイン界の巨匠大貫さんと仕事をされていました)。今は独立し自転車ロードレース界でスポンサーシップ・エージェントの仕事をされており、最近自分でもロードレーサーを購入しロード自転車ライフを楽しんでいます。
そんなMr.チャガラさん、今回は犬山の城下町をサイクリング。このレポートをアップしてたら、なんだか犬山城に行ってみたくなりました。てか、各地に成田山はあるんですね〜。では早速。
てか、JECのレポートPart3がまだですね。この次にアップです。他のクラスの上位の方も紹介します。
「奥座敷」という言葉には、何か一般庶民では計り知れない支配者層がこっそりとお楽しみをひろげる甘美な響きがあります。お寺や神社の「奥の院」もさらに霊験あらたかなパワーを秘めている感覚を受けますし、普段口にする「奥様」もじっくり噛みしめて発音すると途端に別の胸の高鳴りを覚えます。「奥」という言葉は非常に奥深い気持ちを人にもたらしてくれるものです。名古屋の奥座敷と言えば、前にサイクリング ア ゴーゴーで紹介した定光寺もかつてはそう呼ばれていた時代があったようです。今回は、国宝犬山城のある犬山の城下町を中心にサイクリングをしてみましょう。
■なぜ犬山は「名古屋の奥座敷」といわれていたのか?
そもそも犬山ってどこ?と頭に浮かぶ人が少なからずいらっしゃることは想像に難くございません。あ、文章が固い。そこで犬山をあらわすいくつかのキーワードをあげてみましょう。犬山城は天守が現存していて国宝、ユネスコ無形文化遺産に登録された犬山祭りでは13輌の車山(ヤマ)が曳き出される、犬山市には明治村がある、モンキーセンターもある、木曽川が流れている、でも場所のイメージが湧きにくい。もうちょっとピンとくる言い方はないのかな? はい、あるある。名鉄(めいてつ・正式名称は名古屋鉄道)名古屋駅から急行で30分ちょっと。あ、なるほど。
名鉄名古屋駅から急行で30分ちょっとで犬山駅。赤い電車がトレードマーク。
昔の街並みが残る本町通りをまっすぐに行くと犬山城。ちょうどこのエリアは自転車から降りて進まなければならないゾーン。木曽川から犬山最古の宿屋である灯屋 迎帆楼(あかりや げいはんろう)の奥に国宝犬山城天守。手前は鵜飼いを楽しむときの船。
サイクリング ア ゴーゴーで前に紹介したNHK朝ドラの舞台にもなった岩村町の五平餅のお店は惜しまれながら先日閉店してしまったけど、犬山の五平餅は大人気。ユネスコ無形文化遺産の車山には、からくり人形が搭載されています。愛知の山車のすごいのは犬山に限らずほぼすべての山車に昔から精巧なからくり人形があること。犬山からくりミュージアムはその面白さをじっくり案内してくれる施設のハズ。そう、まだ中に入っていないんです。今度行ってみます。
で、なぜ犬山は「名古屋の奥座敷」といわれていたのか?というと、昔はこのご城下には多くの芸妓さんがいて、賑わいがあったといわれています。名古屋の財界人やトップクラスの企業の経営者などが地元で遊ぶと何かと目立ち噂になりやすいので、犬山まで行って楽しんでいたという話を聞いたことがあります。ふむふむ、今ではなくなった旦那という風習もここでは色濃く展開されていたと想像できます。
■自転車の機動力があれば、かなりのところまで行ける犬山
犬山城下町の本町通は犬山を訪れた人が必ず行くところ。そして、多くの人が飛騨牛の串焼きや、五平餅、なんか串に刺したもの、飛騨牛寿司など、さまざまな軽食を求め食べ歩きをしています。しかも、結構行列をしている。Mr.チャガラは、本町通は自転車を降りて押していたので食べ歩きの余裕はありません。でも座って食事はできる。自転車も身近に置ける、店舗の外にもテーブルがあるお店なんつうのは、ピッタリですね。
名古屋名物の味噌カツとドテ煮の両方が楽しめる丼をテラス席で楽しむ。外で食べる人は料金先払いを求められます。観光地でもあるので食い逃げする悪い人の対策ですね。きっと前にお店の人は悪い思いをしたのかもしれません。旅の恥はかき捨てというのは全世界共通なのか?!食い逃げも最後に自己肯定が低くなる行為でございます。
やはり犬山と言えば国宝犬山城です。明治維新で取り壊すこともなく、戦災にも会わず、火事にもならずでほぼ昔のまま残っています。エレベーターは当然ないし、階段も狭くて急こう配。一番実感したことは、お城に行くなら足腰がしっかりしているうちでないと体験できないことなんだなと。なので、城好きになるならば若い時になるほど良い。
犬山城でございます。天守に登ると外周一周できます。手すりは低めなので高所恐怖症の人にはとてもスリリングな構造物です。この日は5月なのに名古屋は30度の真夏日を記録。
犬山城天守外周回廊からの景色です。城下町も見えるし、木曽川も見えるし、最近できた高級国際的ホテルも見える。遠くには成田山も見えます。愛知県から千葉県まで見えるということではありません。
ここは成田山大聖寺(なりたさんだいしょうじ)の入り口。犬山にもございます。不動明王尊でございます。門の先には急こう配の階段があり、登りきったところに本堂があります。
こちらは少し前に成田山の本堂前で撮影したもの。犬山のゆるキャラ「わん丸君」と一緒で、おとなりは「まん丸君」
■犬山のもうひとつの国宝がここにあります
最近の中部地方のインバウンド観光客の旅の流れのひとつに、犬山に行ってから岐阜高山に行くというのがあるとネット記事で見ました。犬山はアイコニックな城と城下町、国際的なハイクラスホテル、そしてもうひとつの国宝があります。織田信長の弟で豊臣秀吉、徳川家康という3代の戦国武将と深くかかわった織田有楽斎(おだうらくさい)という武士・茶人がいます。すぐ出し抜かれたり殺されたりする激動の戦国時代で生き残れたということは、すでにそれだけの才覚です。2024年初頭には東京のサントリー美術館で織田有楽斎展がおこなわれましたが、展示に場所をしっかりとって紹介されていた茶室が、ここ犬山にある国宝・如庵です。こちらの茶室は1618年に京都で造られその後、東京→大磯→犬山という風に移築されています。そんな数奇な運命を抱く茶室があるのが人気のホテルインディゴ犬山有楽苑。
国宝・如庵はホテルインディゴ犬山有楽苑の中にあります。高級ホテルなので、宿泊者でないのにサイクリングな格好のまま敷地内に入ることは遠慮します。敷地内はのんびりした時間が流れています。
ここはホテルインディゴの敷地入り口。奥にあるのは犬山城天守。なかなかナイスなサイトです。
木曽川沿いはサイクリングが気持ちいいゾーン。仲間でツーリングしている人たちが疾走中。
■犬山で絶対安全なサイクリングできるところがココ
木曽川沿いの河川敷を整備して市民のためのスポーツ施設にしているのが、木曽川犬山緑地。野球場、多目的グラウンド、テニスコートなどがあり、サイクリングロードは扶桑緑地公園につながっています。
野球グラウンドの向こうには犬山城が見えます。芝生に覆われたきれいなグラウンドです。
河からの涼しげな風と木陰の涼しさが、真夏日の日にはたまらなく気持ちいい。クルマも通らないのでサイクリング初心者でも安心して楽しむことができます。
木曽川が見えるこのサイクリングロードに桃源郷を求めた人がいるようです。ユートピアを求める気持ちはいつの時代にもあるのね。誰にも邪魔されない大好きな空間、そんな場所にひとりでボーっとできたら、やはり幸せです。
運動不足の冬を過ぎて、春を飛び越え一気に夏の雰囲気もある今日この頃、まさに気軽にサイクリングに出かけられる季節。一生懸命ペダルを踏むと翌日は全身心地よい筋肉痛なり。
Vol.23 おしまい♪
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