2019.07.20
Supermoto Japan 2019 R4広島 レースレポ Part1 / S1 PRO

■スーパーモトジャパン2019 R4 広島 レースレポートPart1 /
S1 PRO class
7月13-14日、広島世羅グリーンパーク弘楽園でスーパーモトジャパン2019 R4広島が開催されました。
弘楽園というとモトクロスイメージが強いと思いますが
ここにはカートコースもあり、そのカートコースとモトクロスエリアの一部を使用し
全日本スーパーモト選手権スーパーモトジャパンが開催されています。
例年であれば梅雨のあける頃なのですが、ご存知のとおり広島も
梅雨のまっただなか、この13-14日もぐずついた天候となりました。
なんとか終日雨とはならなかったものの『曇り、時々小雨、たまに雨』という
変わりやすい天気となりました。

レースは、このようなドライなのかウェットなのか悩むような状況が最も難しいです。
タイヤを始め、マシンのセットが変わるからです。
しかし、観ているコチラ側は非常に面白いわけです。誰が勝つかわからないし、
レース中もどういう結末が待っているか分からないからです。
天気の変化を読み切り、他と違うセットで挑戦する選手などもいてなかなか見ごたえがあります。
※全員がレインタイヤを選んでいたとしても、自分の勝負どころではスリックのほうが有利!と考え、あえてスリック。とかいろいろなわけです。ちなみにスリックタイヤでは雨の中は全くグリップしません。温度が低くても同じです。また、レインタイヤは非常に柔らかなので、ドライのアスファルトではグリップしません。こらえなくなり、曲がらなくなっていきます。レースタイヤは性能が高い分、繊細なのです。

■曇り、ときどき小雨、たまに雨。
変わりやすい天候は観戦もタイヘンだけど、実は一番面白い。
スーパーモトではダートセクションとアスファルトセクションがあるのですが、
このような天候ではダートエリアの土がアスファルトセクションに広がります。
全体に非常にすべりやすくなり、ミスがおきやすくなります。
「土が載ったアスファルトはそんなに滑るの?」
はい、ものすごーく滑ります。
土がタイヤとアスファルトの間に入って、タイヤのグリップ力を活用できなくなるからです。
こういう場合はレインタイヤのほうがややグリップします。
■スーパーモトって何?以前はスーパーモタードと何が違う?。
このスーパーモトは以前スーパーモタードと呼ばれていました。意味は同じです。
スーパーモトの特徴はアスファルトとダートの両方のコースを走ることです。
アスファルトセクションが約8割、残りの2割がダートセクションとなり
そのダートにはジャンプやバンクコーナーやフラットダートが設けられています。
ロードレースのスキルとモトクロスのスキル、そしてダートトラックのスキルも求められます。
そのため、各ジャンルからトップライダーが参戦します。
今回もロードレースからは日浦大治朗選手(S1 PRO class / #5)や
ダートトラックからも大森雅俊選手(S2 class / #70)が参戦しています。

▲アスファルトセクションはロードのスキル(左は#1森田一輝選手)。ダートセクションはジャンプもありモトクロスやダートラのスキルが必要(右は#2新井誠選手)。今ラウンドのコースはアスファルトセクションのなかに高速ジャンプも・・・。アスファルト着地は意外と難しく、クラッシュもたまにあります(撮影中もヒヤヒヤ)。

▲深くバンクさせるダートラ選手の大森雅俊。大森選手は世界で有名なダートトラック選手です。250ccのS2クラスに参戦中。この滑る路面のなか、フルバンクさせています。違う角度から見たら左足は浮いていました。これくらいのバンク角なら足で支えなくともいけるみたい・・・。ロードレースからは日浦選手が参戦中。以前は野左根コウタ選手や青山ヒロシ選手も参戦しています。

▲実は一番難しいのがダートセクションのジャリ・・・とにかくタイヤが全くグリップしないので、曲がらない加速しない止まらない。写真はS2クラスの#101佐々木貴志。
■S1 PRO class / Race1 チャンピオン#1森田、ロードからは#5日浦、荒れたコースが得意な#2新井。
モトクロスIA出身の2018年スーパーモトジャパン チャンピオン#1森田一輝、
ロードからは現役バリバリの現在急成長中の#5日浦大治朗、
スーパーモトで育ち、このような荒れたコースが得意な#2新井誠。
この3人にくわえ、
スポット参戦ではあるけれど、予選2番タイムを出したベテラン#13三苫進、
日本のスーパーモト文化を牽引しつづけており
また前日のセットアップも練習走行もせず、当日ぶっつけ本番のJAWSこと#8増田智義、
そして、
小柄な体型ながらもそれを苦にせず、現選手で勝利経験のある#7吉田雄一。
優勝候補はこの6人と言っていいと思います。
しかしこのような滑りやすい路面では、ほんのわずかなミスが大きな差になるため
誰が勝つかはわからない、という状況。
午前の最後に行なわれたのがこのS1 PROのレース1決勝。
ダートセクションはウェット、アスファルトセクションはドライ、
しかしアスファルトの多くに土がひろがっています。
また、2コーナーのインや一部に水たまりがあるという状況です。
一般的に言うならタイヤはレイン。
しかし、ただひとり前後スリックなのが前日走行無しの当日ブッツケ本番のJAWS増田選手。
日曜朝の公式練習走行とタイムアタックから、スリックを選択。
S1 PRO class Race1 / Result
1/#1森田一輝
2/#5日浦大治朗
3/#13三苫進
4/#2新井誠
5/#8増田JAWS智義
6/#7吉田雄一
勝ったのはチャンピオンの#1森田イッキ選手でした。
タイムアタックで1番タイムを出し、ポールポジションからスタート。
レースは後続を寄せ付けずそのままトップを守りきりチェッカー。
2位には#5日浦ダイジロウ選手がはいります。
#5日浦は序盤で転倒、そこで#1森田から離されてしまい追うことができず。
#4金子和之選手がタイムアタックで3番手のタイムを出し、フロントローにならびます。
スタートも決めて2番手で1コーナーを抜けるのですが
なんと序盤でタイヤのパンク、そのままリタイヤとなってしまいます※。
※スーパーモトでは、タイヤをヒットさせてのパンクというのがたまにあります。予選順位をまちがえていました。修正しました。
3位に入ったのはスポット参戦ですがベテラン中のベテラン#13三苫ススム選手でした。
スタートでわずかにミスし出遅れるのですが追上げ3位に入ります。

▲ポールtoウィンでレース1に勝ったのは#1森田一輝。3年連続のチャンピオン。

▲#1森田イッキ。この写真は前ラウンドの福島です。左手小指にテーピングをしているのですが、どうやらこの時折れていたよう。「指ですか?もうついたからダイジョウブですよ♬」とこの広島では答えていました。1ヶ月ではつかないと思うんだけどなぁ…。

▲現役のロードレースライダーの#5日浦ダイジロウ選手。マシンを深くバンクさせずに曲がっていきます。マジックのようです。なんど見てもわかりません。

▲いつもニコニコなんですが、たまに悔しそうな表情をみせる#5日浦ダイジロウ選手。コカコーラ8耐にも出ますので、みなさーん応援ヨロでーす。

▲3位に入ったのは#13三苫ススム選手。#13をつけるのは昨年もスポットでの参戦のため。三苫選手はスタートが苦手。スタートさえ決まれば勝てるように思うんですが。以前三苫選手と同じクラスで戦っていた僕の友人は「スタートなら自分のほうが速い!」と今でも豪語しているほど・・・ww

▲三苫選手はロードでも活躍し、4時間耐久にも出ています。you tubeでそのレースを観たこともあります。というか、そのレース観に行ってたような記憶が。とにかくストイック。
■S1 PRO class / Race2 スタート直後の2コーナーで#2新井がインに。すべてはその瞬間に決まりました。
今年よりレース2のスターティンググリッド順はレース1の結果順となりました。
PPは#1森田、
2番グリッドは#5日浦
3番は#13三苫
レース1は4位の#2新井マコトは2列目のイン側。
1コーナーをトップで抜けたのはスズキに乗る#1森田イッキ、
#5日浦、#2新井、#13三苫と横に広がりながら続きます。
やや一列となった2コーナー、
イン側に大きな水たまりがあり、#1森田も#5日浦もそこをさけるようにアウトからコーナーに進入…
その後ろから水たまりに突っ込みインを取ったのは#2新井マコト選手でした。
水を切り、大きな水しぶきを立ててトップに立ちます。
その予期せぬ大きな水しぶきに驚いたのか、#1森田が遅れ#5日浦が2位にあがります。
ハスク#2新井、ホンダ#5日浦、#ホンダ#13三苫、#1スズキ森田の順となります。
#7吉田は出遅れ6番手、#8JAWS増田は中盤手以降に落ちてしまいます。
スーパーモトで育った#2新井マコトがトップで逃げ、ロードの#5日浦が追い、
その直後にはチャンピオン#1森田が張り付くという展開になります。
#2新井はその後も水たまりに入り、またグリップの悪くなっていくコースを豪快に逃げていきます。
#5日浦は一時#1森田との距離を広げることに成功しますが
終盤、森田がその差をつめ始めます。
最終ラップ、ホームストレートに現れたのは接近した2人。
#1森田はいつでも#5日浦にアタックできるという距離までつめていました。
これはどこかで必ずアタックします、たぶんこのカートコース内です。
それ以外では抜くラインが無いからです。
1コーナー立ち上がりから2コーナーの進入でその差が詰まります…。
オープニングラップで抜かれたその水たまりで今度は#1森田が仕掛けます、
#5日浦の前に出ることに成功、2位森田、3位#5日浦に変わります。
トップでチェッカーを受けたのは単独走行のまま逃げ切った#2新井マコト選手でした。
2位は#1森田、3位には#5日浦が入りました。
S1 PRO class Race2 / Result
1/#2新井誠
2/#1森田一輝
3/#5日浦大治朗
4/#13三苫進
5/#24川上よしふみ
6/#7吉田雄一

▲新井マコト選手。このスーパーモトで育った生粋のモタードライダー。まだ21歳!スライドを駆使するその走りは豪快。このような路面のグリップの悪いコースや高速コースが得意。よく一緒に練習している#101佐々木貴志選手曰く「転倒の天才」とか。たしかに転倒が多いのですが怪我をしない。土曜日も1コーナーで転倒クラッシュしていました。かなりの速度からだったのですが、なんということもなく起き上がっていきました。転倒の際手をつかないんですよね、クラッシュした写真を見ると。

▲とにかく練習嫌いな新井マコト選手…ww 近所に住んでいる佐々木選手がよくモトクロスの練習に連れて行くんだそうですが、10分持たないそうです。#101佐々木選手とは250ccのS2クラスで勝っている#101佐々木貴志選手です。ベテランです。#101佐々木選手の今回のマシンはこのマコト選手のモトクロス練習用を持ってきたそう…。

▲レース2の2コーナー。たぶんこの2コーナーでやるなと思い、カメラを構え待っていました。#5日浦選手はなぜインを開けたんだろう…一度もこの水のなかに入ってないんですよね日浦選手は。たぶんだけど

▲レース1/6位、レース2/6位で総合5位に入った#7吉田雄一。この広島のコースを走るのは初めてとか。小柄な体格でダートでは足がつかない、がダートセクションも苦にしない。とにかく練習をかかさない努力家。雨だからこそあえて17インチのままダートの練習!というほど。速い選手は理由があるんですね。

▲#7吉田雄一選手。全戦に参戦できていないためランキングは7位となっていますが、常に上位に食い込む。次のSUGOは得意のようなので、表彰台の真んなか?

▲レース2/5位に入った#24川上よしふみ選手。レース1でも8位に入り総合では6位。

▲#24川上よしふみ選手。熊本のバイクSHOP「Dune★Moto(デューン・モト)」の代表。九州のモタード文化を福岡のD-GARAGEとともに支えています。今回は北海道からの参戦選手や、女性選手もこのDune★Motpから2人参戦。日本のモタードの最西を支えています。

▲JAWSのあだ名で親しまれているのが#8増田智義選手。増田選手もスポット参戦です。日本の今のモタードスポーツがあるのはこの増田選手のおかげと言ってもいいです。S1 PROのライダー達が「後ろにつかれていなライダーは?」と質問したところ、速いライダーほど「JAWSさんが一番こわい」と答えていました。レース1ではほぼ全員がレインを選びますが増田選手はスリック。「ダートでは抜けるようなラインはなかった。なら、ターマック(アスファルト)で勝負にでるしかないと考えたワケ。(自分は)ターマックは遅いから、スリックタイヤの力も借りようかなと思ってww」と。

▲増田選手は決勝の日曜しか走りません。前日のセットアップ走行や練習走行を行ないません。それで勝ったりするんです。この1日しか走らないというのはメッセージじゃないかと思っています。とにかくお金をかけずにやる、ということへのメッセージじゃないかなぁ。マシンもかぎりなくスタンダードなんですよね。エンデューロの鈴木健二選手とは義理の兄弟、また同じくエンデューロの増田まみ選手は実の妹です。

▲こういうシーンがなんとなく好き。なんでもないシーンをもっといっぱい紹介しようと思ったんだけど時間切れでした。すいません

▲ササヤンこと佐々木選手(右)とジョーズ選手(左)。こういう風景見てると10年前にもどったような感覚になる…いいのかわるいのか(汗。こういうシーンも好き。走ってる姿なら、後ろ姿とかも好き。レース中のあの孤独感が感じられるような気がして。
次はS1 OPEN と S2クラスのレポートです。
ちょいと仕事が立て込んでまして、アップが少し遅れます…すいません!
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